南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

KALA KA-FMSGが新たに加わった

ウクレレを買ってから、毎日楽しく弾いている。仕事で疲れて帰宅、時間がない時でもTAB譜を開いて1曲だけってことも多い。それでも技術云々ということよりも「楽しむため」に弾いているのは精神衛生上はとても良い。なので、いわゆる基礎練習的なものはしないが、ソロの曲を弾いているだけで自然とコードも、押さえ方も分かってくる。あまり難しく考えなくて良いのがウクレレの良さなのかもね。

で、今まであまり観なかったYoutube動画なんかも、最近はウクレレ関連でよく観るようになった。そこでひとつのウクレレが琴線に触れた。スプルーストップの「anuenue MoonBird Soprano」だ。そもそもスプルースはパンッとなって余韻が少ないイメージがあったのだけれど、MoonBirdの煌びやかでありながらハワイアンっぽさがあって、それでいていい感じのサスティーンが余韻として残る。これがすごく魅力的だった。先日買った「DCT 310M」同じような煌びやかな感じで、これが僕自身の好きな音なのだなと思っていた。ただ、手持ちのコアロハ・コンサートを弾くと、なんとも表現できないポコポコと鳴る「箱の音」が混ざっていて「ハワイアンっぽさ」があって、そちらも好き。逆に言えば、コアロハに比べると310Mはハワイっぽさが無い。これはこれで好きなんだけど、ストロークした時になんとなく素っ気ない。

前置きが長くなった。MoonBirdでスプルースでも機種によっては好きな音が鳴るよな・・と思って、色々とネット動画を探していて見つけたのがこれ「KALA KA-FMSG」だ。

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ところが、実物を鳴らしてみたかったのに店頭で見付けることができない。動画もあまり存在せず、同じ動画を繰り返しみながらどうしたものか?と思案していた。だって、これで一年ちょっとの間に5台目のウクレレとなる。まあ、最初は自分の好きな音もよく分からなかったので仕方がない部分はあるんだけど・・。

結局、残りの人生を豊かに・・と理屈をこねくり回して、思い切って通販で買ってみた。当初は在庫もないし買えるか分からないくらいの返答が返ってきたが、結局、二週間ほどで到着した。

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いやぁ〜バックとサイドのメイプルが美しい。これ、所有欲という意味で言えば、コアロハよりも上な気がする。流石、老舗のKALA製で細部の作りにも粗さがない。

それと、細かいところだが、この指板が短くカット(12フレットまで)されていてサウンドホールに届かず短いのが良い。弾いていると邪魔になることが多いからだ。もちろん12フレットを超える音が必要な時には足りないんだけど(実は、フレットを超えて指板に押し付けるようにすれば鳴ることは鳴る)、DCTを弾く時にこのサウンドホール近くの指板が邪魔で邪魔で。このFMSGを選択した理由のひとつに、この指板の処理があるくらい。

肝心の音なんだけど、最初に付いている弦はどのウクレレにでも同じものが付いてるんじゃ?と思える、Aquiraの弦。これはこれでハワイアンっぽくて悪くないんだけど、もう少し明瞭さが欲しいなと思って、手持ちのWorth CMを張ってみた。これはこれで悪くない。明瞭さに加えて上述したハワイアンっぽい「箱の音」が聴こえて気持ちいい。ただ、もう少し「甘さ」が欲しいな・・と思い、結局、ORCASのミディアムゲージを張ってみた。クリアでありつつ甘い。これがORCASだなと思う。ただ、ORCASは弦の寿命が短い気がするんだが、諸兄はそうは感じないだろうか?割とすぐに1弦の鳴りが悪くなる。あとは、弦が細いのでテンションも緩め。弾きやすさによってゲージを変えるのが良いと思う。

FMSGは乾いた立ち上がりの早い音、ハワイアンっぽいコロコロさがある。乱暴な表現だとは思うが、コアロハと310Mの中間くらいな感じで、それでいて安っぽさもない。

それと、これはナットとサドルがTASQ(タスク)になっている。いわゆる人口象牙だが、コアロハも同様で、個人的な鳴りは嫌いじゃない。手持ちのソプラノ は色々な材質を加工して付けてみたけれど、牛骨は甘い響き、タスクはスカッとした立ち上がりという感じを受けていて、コアロハやスプルーストップのFMSGには合っているように思う。まあ、手持ちに牛骨の材料がまだ残っているので、いずれ確かめてみようと思う。そうそう、コアロハもそうだけれど、このナットは溝がV字に切ってあって、そのままLow-Gにもできそうだ。たぶんしないけど。

とりあえず数日弾いてみて、これが自分にとってベストか?と言われると、まだ疑問だ。しかし、スプルースらしいパンッとした乾いた音が出て、それもなんとなく音の太さというか、甘さというか、線の太さが混じっていてなかなか気持ちいい。これ、サイドとバックのメイプルのおかげなのだろうか?とにかく、今まで楽器屋さんで弾いたいくつかのスプルースの中ではかなり好印象で、最初のキッカケになったanuenue MoonBirdに負けないくらい好きな音。

とりあえずしばらく弾いてみて、最終的に弦を決めようかなと思っている。しかし、在庫が全然見当たらないのに手元に届いた・・それだけで「縁」を感じるのは考え過ぎかな?良い出会いだったと思う。