南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

今日はウクレレ弦の話をしよう

改めて考えてみると、ウクレレを始めてもう4年が経つ。しかし、ヘルニアで寝込んでいた期間は弾けず。さらに練習・・というか、僕の場合は運指を練習するとかストロークを練習するとかじゃなくて、ウクレレそのものを弾いて楽しみたいので、もっぱら楽譜を見ながら演奏するだけなので、実はそれほど上達はしていない。楽譜見ながらそれほど引っ掛からないで弾けるくらいだ。それでもやっぱりこの音色は穏やかな気分になるし、少しずつではあるが成長があると少し嬉しくなる。これを趣味に選んで本当に良かった。

f:id:rei1963:20210719185600j:image

最近は8割くらいはKoaloha soprano longneckがメイン(もちろん音が気に入っているから)で、たまにKARAのスプルーストップのsoprano、Koalohaのコンサートの出番が出るくらい。AriaにLow-Gを張ってみたけれど、僕にはどうも合わないみたいで、ウクレレの軽快な音質が損なわれしまう感じを受けるのが苦手。なのでもっぱらHigh-Gでの運用になっている。もちろんソロ弾きがメインなので、たまにもう少し低域の音が欲しくなることはあるが、まあ、なんとかなる。ちなみに、最近楽しんでいるのはJazz系の楽譜(タブ譜)で、キヨシ小林さんのが2冊、富永寛之さんのが1冊。それぞれ弾き方に特徴があって面白いし楽しい。

f:id:rei1963:20210719185757p:image

さて、弦の話をしよう。弦を選ぶには素人考えながらいくつかの選択基準を持っている。「音色」「演奏性」が基本だけれども、そのほかにも安定性や耐久性など品質の問題もある。それに、どの木材がトップに使われているかでも弦の材質や種類は合う合わないという感覚を受ける。もちろんそれは個人の好みによるものでもあるが。好きな音色にたどり着くまでに結構色々なものを買って試してみたし、一度合うと思ってもその後に違う音色が欲しくて違うものにしたりと、意外に同じウクレレでも違うものを取っ替え引っ替え使っている。が、ここにきて自分の好みにだいぶ合ってきた気がする。

基本的に使っているのは、WORTHのフロロカーボンのクリアかブラウン、ダダリオのブラックナイロン、ORCASのブラックフロロカーボンだろうか。ちょっと脱線かもだけれど、僕の手持ちにはsoprano longneckが2本あって、sopranoとconcertの区別のある弦はどちらに張るのか迷ったことがある。楽器店の方に言わせれば「基本的にスケールに合わせます」ということなので、今はconcert弦を張っているが、ぶっちゃけこの辺は好みで良いと思う。sopranoにテナー弦を張っている人もいるくらいだし、確か神様と言われるオータさんはゲージを揃えていたりもしなかっただろうか?

さて、今まで使ってきた弦の感想を少し買いてみよう。

WORTH

f:id:rei1963:20210719185815j:image

WORTHの弦はKoalohaに最初から取り付けられていて、ブライトで演奏性が高く、それでいて長持ちという感じだろうか。これは現在はKoaloha soprano longneckで使っている。これも最初はORCASやダダリオのブラックナイロンも張ってみたけれど、結局、元のWORTHクリアに戻ってきた。このブライトな音色とKoalohaの鳴りの良さが非常に合う。ただ、バランスで言えば、sopranoには合うが、コンサートだとブライト過ぎるのと弦によって(1〜3という意味)音量というかバランスが今ひとつ気に入らない。弦ごとの音量みたいなものが微妙に変わる気がするからで、引き比べていると同じコードをストロークした時にsopranoの方が全体のバランスや歯切れを心地よく感じることができる。伸びの早さ、安定性の高さ、耐久性も申し分ない。ただ、ブライト過ぎるのでスプルーストップやコンサートだと、特に1弦が軽過ぎていて、ある程度弦が伸びてくるとペンペンした感じになってくるのが好みじゃなかった。

Koaloha soprano longneckとの相性は抜群で、適度な硬さ、ストロークしてもソロ弾きしても気持ちいい音がする。一時期ORCASやダダリオブラックナイロンも張ってみたが、これは個別の弦の感想の方に書こう。あと、これは予想に近いものがあるが(実際には張らなかったので)、もう少し甘さが欲しければWORTHブラウンでも良いし、テンポのユッタリしたソロの曲ならダダリオでも良い感じに鳴ると思う。まあ、実も蓋もないが、その辺はやっぱり好みだろうか。

ブラウンはクリアからブライトさを少し減らして、甘さを加えた感じ。Koaloha concertには、今はダダリオのブラックナイロンを張っているが、その前はこのWORTHのブラウンを張っていた。

ORCASブラックフロロカーボ

f:id:rei1963:20210719185836j:image

ORCASの良いところは音色の甘さとフロロカーボンのブライトさ、長いサスティーンが同居しているところだろう。ただ、個人的にだが、ORCASは安定性と耐久性に大きな問題がある。ある程度伸びてくるところが一番美味しいのだけれど、伸びきってくるとやはり1弦がペンペンいいだす。しかも、弦の下部分を触ってみると、それほど強く弦を押してもいないのに、数週間もしたら1弦の下部はフレットの跡でボコボコになる。寿命が短いと感じるのだ。

この安定性のよろしく無い点は、個々に製品のバラつきを感じることにもある。例えば、フレット音痴。これ、同じウクレレに張ってみて、その弦の個体差によってフレット音痴の具合が変わってくる。もっともひどかったものは、7フレット辺りからズレてきて、10フレットだと耐えられないくらい伸びてしまっていると感じることがあった。試しに手持ちの古いORCASを貼り直してみると直るので、個体差だと思う。

音色はとても好きだけれど、それが長持ちしない。それでも、スプルーストップのsopranoにはすごく合っていて、パリッとした響きの良さ、ストローク時のザクザク感がとても気持ち良い。ただ、弦が長持ちしないので早めに交換するのがタマに傷ってところだろうか。

ところで、このKALAのウクレレ、製品自体はとても良くて、サイドと裏がスポルテッドメイプルの商品は既に発売されていないのが惜しい。木目が美しく、sopranoのクセにやたら鳴りが良くて気持ちいいんだけれど、ネックが太くて丸いのが少し残念だなと思うくらいだ。これKALA共通な気がする。僕の場合、弾いていると自然にネックを握り込んでしまい、人差し指の根元に近いところが1弦に当たってミュートしてしまうことがある。運指にも影響がある。これ、自分自身が最初から意識しなかったのも悪いのだけれど、変に握りこむクセは直した方が良いだろう。弾き方はそれぞれだと思うが、僕の場合はたまたま問題がある・・という話だ。

ダダリオ ブラックナイロン

f:id:rei1963:20210719185852j:image

ダダリオのブラックナイロンは一時期とても気に入って多く使うウクレレ全てに張っていた。しかし、それもやっぱりウクレレの、特に木材の種類とボディの大きさによって合う合わないがあると思う。KALAのスプルーストップだと、甘い音は良くても全体の鳴りのエッジまで取れてしまって、ストロークした際のザクザクした感じが減る。Koalohaだとconcertではそもそも出音が大きく、甘さが加わってソロ弾きにはとても良く合うと思う。ただ、ボディの小さいsopranoだと鳴りが今ひとつ。単音で1弦を弾いているともう少しブライトさとサスティーンが欲しくなる。これは大きめのボディ向きじゃないかなと思えるくらい。それがハマった時にはとても官能的な甘い音が出ると思っている。

それと、思ったよりも弦の硬さがある。これはダダリオのブラックナイロンの特徴でもあるんだろう。クリアナイロンの時にはそれほど感じなかったが、ブラックにすると硬いなと思える。演奏性はその人の弾き方や好みにも左右されると思うが、ここももう少し柔らかい方が良いかなぁ・・程度に感じるところだ。

ただ、音色は割と唯一無二な感じを受けていて、今でもたまに使ってみたくなる。

ついでにMartin M600

f:id:rei1963:20210719185903j:image

これ、一時期使っていたので一応紹介してみようかな。1弦が細く、3弦が太く感じるがとても安定感の高い弦だ。音色は結構ブライトで製品の安定性も良い。おそらくウクレレを選ばない性格なんだと思う。伸びた時にも場合によってはWORTHよりも演奏性も良くて、そこまでキラキラしてなかったのが好きだった。結局、3弦が太いのが気になって、これを使うよりはWORTHで良いという感じになった。

弦はその時々で気分や楽器そのもの、または演奏する曲によって好みが変わる。逆に言えばそれだけ楽しむ要素が追加されているわけだし、僕の場合はナットを変えてみたり少し弄れる要素もあるのが良い。これからも愛し続ける楽器・・そういう魅力を感じている毎日だ。