南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

53歳にして「図書館デビュー」を果たす

今日はどうしても数時間、時間を潰さねばならない用件があったので、初めて図書館に行ってみた。いや、正確に言えば学生時代には学校の図書館には行ったことがあるので、デビューとは言わないのだろうけれど。

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実は僕が図書館に行かなかったのには理由がある。古書が触れないのだ。指がアレルギー反応を起こし、皮が剝けてボロボロになる。家の本を積極的に電子化した理由もそれだ。誰かが一度くらい読んだ本ならまだ良いが、図書館にあるような本だと1冊読むだけでボロボロ。手袋が必要になる。なので、電子化されていない書籍は買って、ある程度したら廃棄していた。家に置いておいてもダニなどの発生も気になるから。宮部みゆきさんや真保裕一さんの本は大好きなので読むのだけれど、定期的に買っては廃棄。「火車」や「スナーク狩り」、「奪取」なんかはもう3回買っている。年月が経つと読みたくなるから困る。まあ、電子化しないのは著者のポリシーでもあるのでそこにケチを付ける気はもうとう無い。だから、今度こそ手っ取り早く自分で電子化しないと・・とは思っている。スキャナーと裁断機を買わないとね。それか、もっと品質の良い紙にしてもらう・・と単価が上がるのか。それもよろしくない。

 

と言うことで図書館デビューである。

とりあえず借りることは無いとは思うが、一応「図書館カード」なるものも作ってみた。

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子供にもウケが良いようにだろうか。カワイイ絵柄の図書カードとクリアファイルが付いてきた。

 

さて、上記で分かる通り、場所は港区の区立三田図書館。ここは1〜2階に蔵書があり、3階は読書室になっている。流石にこの中で写真を撮るわけにもいかないのだが、思ったよりも蔵書は少ない。今の世の中、電子化がある程度進んでいても紙の本自体の出版数はそれほど減っているととは思っていないのだけれど・・。

まず、小説を作者別で見てみると、思った通り、品揃えはよろしくない。ただ、図書館にある書き下ろしの小説だと、作者に印税が入ってこない。当たり前だ。これは図書館での読書で作家のファンになり、そこから実際に購入して・・という流れができれば良いのだが、なかなかそうは上手く回らないようだ。なので僕はできる限り本は買うようにしている。アレルギー以外に図書館を利用しない理由はここにもある。もちろん、「買うに値する本である」ことが大前提ではあるが。

作家が良い作品を書き、それが大ヒットして話題になって映画化されて・・なんて話しもあるのだけれど、それはごく一部だし、割と小説の出来/不出来(僕が語ることじゃないが)に関係無くウェーブが起こる。違う話題性に乗せられるケースもある。だが、新しい作家の出現機会が増えることは、読む側に取っても新しい体験をもたらしてくれるものだ。気に入った作品はできれば買ってもらいたいものだと思う。まあ、買う側にもそれぞれ事情やポリシーはあるのだろうが。

 

さて、次ぎは専門書。こっちはなかなか面白い。品揃えは少ないのは同じなんだけど、何と言うか・・一通り揃ってる?感じがある。例えば、仕事関係の本を探してみると、割と網羅的になっているし、シッカリと専門的に体系化された内容のものが多い。個人的には、仕事で必要な本は大体既に揃っているし会社にもあるので、趣味の本を見てみる。これとか。

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こういった光沢のある紙を使ってある本は、アレルギーも割と大丈夫。まあ、ホコリっぽさがあるので、おそるおそる触ることには違いないのだが。

で、オーディオ系の雑誌を数誌読んでみた。その中に「欲しいな」と思うものが2冊。メモしてきたので、これは後で買おう。ちょっと金額が高いのだが、たまには趣味の本も良いだろうなと思う。

 

今はネット隆盛でなんでもネットで調べれば大概のことは見付けることができる。中には動画で説明されたものもある。だが、こうやって改めて書籍化された紙の本を手に取ると、体系的に纏めてあり、それが順列に読め、本自体のボリュームがその本の情報の量を表している。ネットはどうも「知識のつまみ食い」の印象があるし、場合によっては間違っているネタもあったりする。まあ、書籍だから必ずしも正しいとは限らないわけで、場合によっては古い理論が新しい理論で覆ったりもするのだから、「書籍は正義」って感じじゃないのは確かなのだが。

そう言えば、仕事の専門書は電子書籍じゃなくて紙の本だ。あぁ、そういうこともあるのかなぁ・・と思い至るのであった。紙の方が読みやすいとかじゃなく、上記の理由から、頭に整理されて入ってくると言うか。

 

でだ。今回、図書館デビューして思ったのが、何が良いって

 メッチャ静か!

なのである。当たり前なんだけれど、来てみて初めて実感できた。あぁ、これなら日頃のストレスの多い職場や街中、最近では喫茶店やレストランの騒音も酷いが、そんな騒音から逃れられる。こんな静かなのは自宅以外だとここくらいじゃ?と思えるほど静か。逆に考えると、外の世界が如何に騒音にまみれているのか良く分かる。ストレスも多いハズだ。

これから暫く行く機会があるので、また利用したいと思う。ただ、タバコが吸えないのと(iQOSなんだが)、手袋が必要なのがちょっとネックかな。そんな初体験でありました。