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南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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映画:天地創造/十戒

映画

すンごく久し振りに「天地創造」と「十戒」を観てみた。年齢的にもリアルタイムではなく、たしかレンタルビデオで借りたのが最初のことだったと思う。

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改めてこの年齢で観てみると、そもそもが両者とも旧約聖書の映像化という時点でドラマ性はほとんど無い。むしろ、ドラマ性を求める映画ではないだろう。どうやって創世記、十戒を映像として見せるか?その点において非常に優れた作品であることは、現代においても高い評価を維持していることが物語っている。
リマスターされた映像は美しく、当時の最高の技術として衣装や背景の壮大さ、美しさがある。この双方の映画については、それは扱った題材が「聖書」であり「神」であることもあるが、個人的には「天地創造」で日本人である黛敏郎氏がその音楽を担当したということが興味をそそられる。今まで知らなかったからだ。映像はテレビの画面で観てもその世界観の大きさに圧倒される。今のCG全盛の映画に慣れている人たちにはチープだろうし、物語の起伏の無さに物足りなさを感じるだろう。だが、これはそもそもそういったエンターテイメントとは一味違う作品と思って観た方が良い。

 

「天地創造」で扱われた旧約聖書の創世記における幾つかのエピソードを知らない人は楽しめないだろうが、「アダムとイヴ」「ノアの箱船」「バベルの塔」「ソドムとゴモラ」辺りのストーリーの概要を知らない人は少ないのではないかと思う。特に「ノアの箱船」はちょっと前にラッセル・クロウ主演で映画化もされている。もちろん新しいものはエンターテイメント色が強い映画であるので、かなり色合いが違う作品ではある。
聖書というと宗教があまり根付かない日本人だと馴染みが薄いだろうが、この映画はそれを知るのには良い作品であると思う。本作では創世記からアブラハムの生涯までを映画化されたもので、最後が息子のイサクの命を神に捧げよとアブラハムの神への忠誠を試されるところまでの7話が描かれている。この7話は多くの人が知っている物語を選択した結果ではないかと思う。その後のイサクの生涯などはあまり馴染みがないと思われるからだ。
ちなみに、「旧約聖書」はモーゼ(モーセ、モーゼスなど色々と呼び名が書かれているが、僕的には「モーゼ」がシックリくる)が書いたものとされ、ユダヤ教、キリスト教の正式な啓典であるらしい。調べてみるとわかるのだけれど、「旧約聖書」はユダヤ教とキリスト教について書かれ、人類の創生から神の教えとその伝達について書いてある。それに対し、「新約聖書」はイエスが誕生してからのキリスト教について書かれている書である。僕もこの辺はあまり詳しくなく、この映画を見た契機として再び調べてみた。

話を映画に戻そう。上記に書いた通り、この映画はエンターテイメントとは一線を画していると感じる。物語は創世記に従って淡々と進められていく。こういう作品を見ると、内容を言葉や書物で伝えるだけではなく、映像として伝えることの大きな意味を感じることができる。
そして内容はユダヤ教とキリスト教の教典をなぞらえることになるのだが、今の世相に併せて考えると人間の堕落というのはその歴史に様々な形で延々と記されていることがよく分かる。ヒトは変わらないものだなと。ただ、「正しい人が生き残る」のは今の世ではあまり現実味がない。これは非常に残念な事実のひとつだろう。
それにしても神頼みの好きな人類ではあるが、いつの世も神は厳しく、容赦がない描かれ方をしている。これも戒めのひとつなのであろうと思えば納得のいく描写でもあるのかなと思う。

 

次は同時に購入した「十戒」も。そもそも、先日観た「ベン・ハー」を観た時に「十戒」を思い出したのが再度観る気になった理由でもある。主演がチャールトン・ヘストンであるからなのだが。「十戒」というと海が割れるシーンなど、モーゼが起こす数々の奇跡が有名だろう。ただ、タイトルの通り、物語の主となるテーマは「神が示す人類への規律(戒め)」であろう。この戒めは現代にも通じるものである。
映画は改めてみると、まるで舞台を観ているような印象だ。映像はやはり美しく、特撮もCGが無かった時代であることを考えると素晴らしい出来であると思う。ユル・ブリンナー演じるラムセス(こちらもラメセスと書かれたものがある)の横暴の限りを尽くす王の姿、神の使途としてヘブライ人の奴隷を解放する救世主、その上で正しきもののみを導くチャールトン・ヘストン演じるモーゼ。どちらも名優らしい素晴らしい演技だと思う。こちらもエンターテインメントではないと言いつつ、有名な海が割れるシーンの迫力や、十戒が岩に刻み込まれるシーンなどのアイディアが良い。まさに神の御業という雰囲気が出ている。こちらも「エクソダス」としてリメイクされているが、ノアの方舟同様、エンターテインメントに振っているため、別物と言えるだろう。

 

双方とも旧約聖書を題材とし、その物語を後世に伝えるための映画だと言って良いと思う。長時間の映画だが、それだけの価値があると感じるし、その意味を理解できるよう色々と調べ、その根底にある「後の世」に伝えようとした聖書の「何か」を考えるのも良いだろう。

ただ、何回も繰り返し観るというタイプの映画ではなく、手元に置いて人生の節目に観ると良いんだろうなと思う。もちろん、その宗教観に対する個々人の主張なりポリシーを踏まえてその是非を問うても良いだろう。必ずしも肯定的な思いばかりではないと思う。

しかし、良い映画だと思っているが、やっぱり長い映画は疲れるかなぁ・・。(^_^;)