南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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10proリモールドの洗浄

リモールドした10proを洗浄してみた。

カスタムIEMの洗浄?なぜそんな暴挙?に出たかというと、実は僕の10proは左右でロットが違うのである。右側が以前に持っていたもので、記憶が定かではないが6年以上前に購入したものである。その後2年ほど前に左側が断線。その際に捨てないで持っていればリモールドできたのかも知れないのだが、その頃にはそんなことは露ほどにも考えなかったので廃棄していたのである。

で、今の左側。これはオークションで落としたものだ。オークションは偽物もあるし少々不安だったのだが、家人のリモールドが思いの外良かったので自分も同じものが欲しく、探して購入してみたものである。当初はそのままでしばらくテストしてみたが特に違和感はなく、これは本物だと自分で判断した結果、リモールドに出したものである。

出来上がった時にf特グラフが一緒に付いてきた。これを見ると、ほとんどが同じような曲線だが、どちらかは分からないが片方が9KHz辺りで少々グラフが下がっている。これを見た後も実際に使っていたが特に気にしていない状況だった。まあ、僕の耳は鼓膜が破れている?騒動の時に精密検査をしたら、右耳が4〜8KHz辺りの周波数帯が聞き取りにくいというのも分かっていたこともある。

でも気になっていたのは事実である。ロットが違うことはもちろん、そもそも右側のユニットはかなり古いのだ。試しに周波数チェック用のアプリを使って20〜20KHzまでを自分の耳で試してみた。その結果、中低域は問題がなかったのだが、高域に行くと左右に音が揺れる。感覚的でしかないが、f特の通りの感じであった。

こうなるともう気になって気になって仕方がない。音楽を聴いていても音が左側に寄っているような気分になる。経年劣化であるのなら仕方がないし、グラフに気がついても音楽を流していれば気にならないほどの小さな差ではある。いや、むしろ「気のせい」なレベル。それでもやっぱり精神衛生上は良くない。原因はどこにあるか?経年劣化とは思うものの、片方の状態で2年ほど色んな部品を詰め込んだ箱に入れていただけである。汚れてもいるかも知れないし、ゴミが入っているかも。ひょっとしたら錆もあるかも知れない。もしかしたらそれが原因かも?で、壊れることを覚悟で洗浄してみることにしたのである。

BAドライバは基本的に金属でできていると認識しているが、ダイアフラムがどうやって固定されているのか分からない。だとすれば接着剤などに影響のある無水エタノールは使えない。そこでKUREの製品を調べてこれ(KURE エレクトロニッククリーナー http://www.kure.com/product/detail.php?item_id=46 )を使ってみることにした。

調べて見れば、プラスチックや接着剤への影響はなく、プリンタ基盤やセンサーの洗浄に使え、速乾であると書いてある。これなら大丈夫ではないか?とは思うものの、やはり不安はある。手持ちに他のBAドライバの製品はないので似たような状況で事前試験ができない。仕方がないのでまったくの気休めだが、使っていないダイナミックドライバのイヤホンで試してみた。

結果としては何も問題はなかった。洗浄した後も特に普通に聴ける。良くなったのかどうかは分からないが。

こうなったらやるしかない。まあ、ダメだったら、次のボーナスで安価で似たようなものを作るか・・くらいに考えてはいたが、自分の好きな音のものがない。抜けが良く、明るくてサッパリ目の音。カスタムIEMはたくさん試聴してきたが、どうも好きなのは思いつかない。こうなると決心が鈍るが、今のままで良いわけもない。ということで思い切って洗浄してみた。

やり方はこんな感じ。導管の部分にノズルを当て、しばらく噴射。それを恐るおそる2回やってみた。もしも中で溶剤が残っていたら・・そう考えて一晩そのままにしておくことにした。

さて、翌日。これまた恐るおそる音を流してみる。

「み、右側の音がすっごく小さい!(>人<;)」

ここでしばし茫然自失。しかしよく考えてみれば、最初の噴射でカスが取れて溜まっていだけかも知れない。そう考えて、今度は入念に再スプレー。あまりやっても結局壊れてはどうしようもないのだが、恐るおそるではダメだ。勢いよく数回噴射。こうなったら左側もと同様に洗浄。で、速乾だしとそのまま一時間ほど放置して音を出してみた。

先ほどと同様に恐るおそるボリュームを上げてみると・・

「か、回復した!!o(≧▽≦)o」

今度は見事に回復。音楽も特に左右に寄ることもなくクリアに聴こえる。もう一度アプリを使って20〜20KHzを流してみた。やっぱり個体の差のせいか高域で若干左右に揺れるが、その差は以前よりもずっと少ない。

で、今に至る。今は精神的な問題がほとんどだとは思いつつも、音楽が左右に揺れることもなく、クリアで明るい本来の?音が戻ってきた。今までは同じ音が左右に飛ぶような音楽を聴いても気持ちよく聴けなかったのだが、これなら大丈夫。気持ち良く聴ける。足の悪い僕は電車内だと音楽を聴くことしかできず(杖と吊革で両手がふさがるので)、これだけが楽しみだったのだが、今ひとつ楽しめなかったのが今になって分かる。今はスッキリした気分で通勤を楽しんで(ってほどじゃないんだけど)いる。
# とは言え、優先席なのに座れなくてとても辛いってのは別の問題としてあるが。

追記
これがメーカーなりに保証されている方法でないことは明らかです。実施する場合には壊れる覚悟が必要であることを付け加えておきます。今風に言えば、自己責任で。

追記 2015/04/06
その後、色々と考えてもう一度洗ってみることにした。そもそも速乾性や洗浄を考えれば、もっと良い製品があるのだし、これでダイヤフラムは壊れないことは分かった。その状態で通電しても極端に大きな電力で無ければ問題ないだろうことも分かった。また、前は怖々とやっていたので、まだ中にスラッジが残っているかも知れないと思ったからだ。
で、洗浄については今度は、こちらを使ってみた。

「サンハヤト ニューリレークリーナー電子機器用接点洗浄剤 RCS201_3279」というもの。リレーなどの洗浄に使えるもののようで、こちらも樹脂などには影響が無いようだし、「有機溶剤中毒予防規則に非該当」と書いてある。

と言うことで、今度は以下の手順でやってみた。
・導管を上に向けて噴射(中にクリーナーを入れるため)
・今度は導管を下に向けて噴射(中のゴミを少しでも排出するため)
・終わったら中の液体を抜くために、導管を下にして柔らかいものの上で2,3回トントン(これだけでもう出なくなる)
・5分くらいおいてから、iPhoneのジェネレーターアプリでピンクノイズを流す

今度はあまり怖く無かったので思いきりやってみたが、やはり最初は液体が中に入っているためか、「キュルキュル」と言う音がする。それも30分もすれば無くなるが、この時点ではまだ音は戻らない。そのまま3時間ほど掛けっぱなしにしてみた。

結果。元に戻りました。スッキリと元に。これでまた明日から気持ち良く音楽を楽しめる。気分上々。