南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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55歳になり、ウクレレを始めてみる

さて、そろそろ僕も誕生日を迎えて55歳になる。自分への誕生日プレゼント・・なんてことを考える年齢でもないんだけど、四捨五入すれば60歳になるわけで、ある種の中途半端な節目みたいなものを感じていたり。で、唐突に「今から楽器を弾けないだろうか?」と考えた。

これは元ネタみたいなものがあって、たしか60代だったかのご婦人がプログラム開発を始め、1年後に感じたのは「最初から諦めないで、なぜもっと早く始めなかったのだろう?自分にも十分できるじゃないか!」という記事をどこかで読んだからだ。だったら、自分にも今から始められるものがある・・と。

で、なぜウクレレなのか?まずは、楽器を始めたいと思った。そういえば、小学生の頃にピアノをやり、ティンパニを叩いていたくらい。でも、ピアノもすでに弾けなくなっているし、それなら新しい楽器が良い。他にも、スポーツも考えたが、足が悪くては無理。結局、やれるものはほとんど手を付けていたことに気付き、手を付けていなかったのがこれ・・ということである。

とりあえず楽器を選ぶための条件を決めた。

  • 単純に自分が弾きたいもの
  • 手軽にスタートできること
  • いつでもどこでも練習できる
  • メロディと和音が出せるもの

ということで、ギターを考えた。だが、後述するが、僕は皮膚が弱くて、ギターの弦を長時間弾ける自信がない。じゃぁ、ウクレレなら?と思いついた。

すぐにYouTubeで多くの動画を見て、聴いて、それで決めた。ウクレレにしよう!

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ウクレレにも色々と種類がある。これはネットを調べているとすぐに分かることだけれど、大まかに言うと担う音域(と同時に大きさ)、材質、形状などなど。ネットを漁ったあげくに迷ったのは、ソプラノにするかコンサートにするか。他にもコア材にするかマホガニーにするかとか悩んだのだけれど、まずはこの写真のヤツ。選ぶのに「実際手にとって、試してみなきゃ分からん!」と思い、楽器屋さんに試聴に行った。店員さんには「幅広く弾けるからコンサートが良いんじゃ?」みたいなことを言われたけれど、そもそも飽き性の自分には続けられるかどうかも分からないし、まずは予算内だし定番?のようだし、フレットの距離が短いからそこが敷居が低そうだったし、「手軽に始められる」という意味を考えてみて「ソプラノウクレレ」にすることにした。写真を見る通り、ボディがパイナップル形状のものにしたが、これは、実際に弾いてみて、自分の耳に一番心地よく響いたのを選んだらこれだった・・ということだ。弦の響きの豊かさ、残響(サスティーンというらしい)の残り方が好きな音色だったから。実際に、練習してても「良い音だよなぁ〜・・」と思う。昨今、デジタル音に慣れてる耳には、このナマ音はとても新鮮。ボディの形状なのか、マホガニー単板のせいなのか、それともこの機種によるものなのか分からないが、たくさん試してみたけれど、それぞれ違っていたのが面白い。結局、数機種に絞って、これが一番気に入った。ちなみに、「Ilikai ,IL-SOP-PINE-4MGG」という機種で、まずは手始めということでの2万円の予算をちょっと上回ったくらいだ。高額なものでもないのに、付き合っていただいたクロサワ楽器の店員さん、どうもありがとうございます。

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あとはチューナーとストラップかなぁ・・と思ったので、とりあえずチューナーは必須なので買った。ヘッドに付けて弦を弾くだけのやつ。ストラップはパイナップル型なのでちょっと考えないといけないかなと思ってるので後回し。(実は、とりあえず有り体の紐で代用できているが)

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使い勝手は別に不可はないかなというくらい。ただ、弦を弾いて記憶がひとつ蘇る。小学生の器楽クラブの時にティンパニを叩いていて、他の楽器の子たちが音合わせをしているシーンがありありと。オルガンに指定の音を出させて、それでひとつの弦を合わせ、あとは自分の耳で他の弦も合わせてたはずだ。で、試しにやってみると、自分のこの高齢化が進んだ耳でも十分それができる。PCで基準音階を出せばあとは自分の耳で合わせられる。あぁ、そういえばこうだったよなぁ・・とか、懐かしさとともに、自分の耳はまだまだ正しいのかなとちょっぴり安心。

さて、ここまで来たら、弾くだけ・・と思ったが、何か教本みたいなものがないと捗らないかな?と。一応、買った店で初心者向けのコードブックをいただいたが、こんなのは楽しくない。なんというか・・「もっとメロディがあるやつをやるんだよ!(と、イカ天出身の「FLYING KIDS」のデビューCD「続いてゆくのかな」の中にある「行け行けじゅんちゃん」という曲?の中で、リーダーの浜崎貴司が、今は引退したコーラスのじゅんちゃんに言うセリフを思い出す)ってことだ。ウクレレというと、ジャカジャカ弾いて楽しく歌うという印象があるけれど、僕はやっぱりメロディで、ソロ?を弾いてみたい。

ということでこの本を買ってみた。

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これだとメロディから入れるし、コードも徐々に覚えられる。知っている曲が多いからすぐにメロディを覚えられるのも良いかなと思った。

で、本書を見ると「タブ譜」というのがある。一般的にあるようだし、ひとめ見れば理解できるのだけれど、どの弦のどのフレットを抑えるのか書いてある。なにこれ、チョー親切。不思議なもので音階は今でも識別できるけれど、この「タブ譜」はパッと見て弦が弾ける。

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ここで問題発生。それは僕の指である。今まではこう。

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分かるかな?僕の指は爪が長めに付いていて、少し白い部分を残さないと痛い。指先なので、かなり痛い。ウチの家族はみんなこんな指だ。しかも肌が弱くて、すぐに切れて血まみれになる。これが固く張ってあるギターの弦を躊躇し、ウクレレにした理由でもある。ウクレレは基本的にナイロン弦だし、張力が少し弱い。ソプラノはフレットが短くて、その中でも更に弱い。しかし、この爪だと一本の指で一本の弦「だけ」を押さえるのがかなり難しい・・というか無理。もう絶対ムリ。しかし、諦めるのも悔しい・・ということで、深爪を承知でヤスリで削ってみた。

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ハッキリ言って、一週間くらいは痛かった。というか、今もちょっと痛いんだけれど、これでシッカリと弦を一本ずつ押さえられるようになった。最初は指サックみたいなものをネットで発見したけれど、やっぱり自分の指で弾きたいじゃん?ということで、悩みもせずに、意外にもアッサリと削ってしまった。痛いことよりも、弾けないことの悔しさが勝ったみたいだ。ここでハタと思い出したんだけど、父親は普通にギターを弾いてたよなぁ・・と。あの人はどうやって弾いてたんだろう?既に他界しているから今さら訊けないが、不思議に思った。

とりあえず一週間ほどかな。最初はタブ譜を見つつ、短い曲ばかりなのですぐにメロディを覚えられるから、次は同じテンポで、弦の弾き方に変な強弱が付かないように意識しつつ、毎日少しずつ練習している。ポイントは、「飽きたらその日は止める」ことだと思う。飽きると上達する速度はすぐに落ちるし、これは仕事でも同じだ。もちろん、嫌でも身体に覚えさせるということは必要だけれど、好きでやるのと無理やりやってるのとは全然効率も違うし、なにより「楽しみたいから始めた」のであって、それでは本末転倒だから。それと、これは勧めていいのか分からないが、完璧に弾けなくてもそれなりに弾けるようになったら、すぐに次の曲に進んでいる。これは、興味を持ち続けるためにだ。同じことばかりやってると、飽きるのも早い。

幸いなことに、昔から音楽には馴染みがあったせいか、普通の楽譜も記号もちゃんと読める・・というか覚えているのが分かった。まずは短い曲を一曲覚えて弾けるようになると、そこからはスルスルと流れるように楽しくなってくる。あとは練習を重ねて技術的に上達し、いずれは人前でも弾けるようになるのがとりあえずの目標かな。ということで、現状では恥ずかしいので今回は動画も無しでご勘弁を。(^_^;)

で、最後に。こんなに楽しいなら、やっぱり、もっと前から手を付けたら良かったなぁ・・と、冒頭のご婦人と同じことを考えたのであった。