南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

【ネタばれあり】オジサンでも楽しめる笑いがたっぷりの宇宙活劇(映画:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス)

以前のエントリーで、「ハリウッドのアクションはアトラクション」って書いてから、どうもこの手の映画はアトラクション的に観てしまう。しかも、宇宙を舞台にしたSFアクションは結構あって、それぞれの特徴を出すのが難しいと思う。個人的にその部分で差異を見いだせているのは、SF大河ドラマ「STAR WARS」、脈々と良い感じで時代が引き継がれていく「STAR TRECK」辺りだろうか。だが、個人的にこの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズもそれに加えたい。ストーリー設定にすごく凝っているかと言うとそうでもない。が、明らかな「他とは違うテイスト」を持っている映画だと思う。そういう点が好きだ。

 黄金色で統一された高慢な王国の仕事を受けたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々。仕事が終わり報酬を受け取るが、ロケットのいつもの悪い癖が出た。王国の大事な部品(バッテリーって?)をひょいと万引き?してしまい、追われる羽目に。そして、ピーターの父親だと名乗る男も出てきて、例によって彼らの大混乱なバトルが始まる。

この映画が持つ「違うテイスト」は、振り返ってみると前作でオールデイズを使ったバックミュージック、基本的に犯罪者のチームでありながらとても魅力がある超個性的なメンバー、そしてクスリと笑えるネタが満載なことだろう。この「クスリと笑える」というところが結構ミソになっていて、オールデイズとベースが米国ということから、その世代(おそらく僕と同性代)のアメリカ人でないと分かりにくい・・逆に言えば、知っていればそのオマージュとしての楽しみがあると思えるシーンがたくさんある。ここが一番のポイントではないかと思う。

しかも、それらのネタは随所に織り込んであって、次ぎは?つ、次ぎは?の連続でワクワクがあって目が離せない。あまりに数が多くて、もう一度Blu-rayを買ってみないとと思わせる。僕は字幕版を観たのだけれど(役者の声も演技の一部だと思うから)、それは字幕の巧さもあると思う。映画館ではあまり声を出して笑うことなんて無いのだけれど、大笑いではなく、思わず「プッ」と吹き出してしまうシーンがたくさんあった。個人的にウケたのは、割と冒頭のシーンで、ピーターとアライグマのロケットとの口論。ピーターが「ゴミパンダ!」と言うとロケットが意味がイマイチ分からず、一瞬の間のあとに「これ、褒められてる?」みたいに返すシーン。こんなシーンが連続パンチのごとく押し寄せる。

もちろんVFXの美しさと音響は昨今の例に漏れず最高だ。特に、ドタバタ要素も持ったこの映画だと、怒濤のごとく押し寄せる敵宇宙船とのバトル、青い男ことヨンドゥの矢のあまりに美しい動き、モンスターとのバトルの密度は圧巻だ。ただ、先に書いたような要素がこの映画が「その辺にあるSF宇宙モノ」にさせていない。この迫力は、是非、IMAX 3Dで楽しみたいと思うポイントだ。

また、事前知識が無かったので、配役に少し驚いた。ピーターの父親役にカート・ラッセル、青い男ことヨンドゥの昔の仲間に、なんとシルベスター・スタローン!アクの強い二人だけれど、淡々と演じる姿が円熟を感じさせる。しかし、カート・ラッセルの存在が「神」であることを連想させる辺りから、「これ、どうやって終息させるんだろう?」と思ったのだが、その辺はなかなか上手く纏めてあると思う。

総じて、ジェットコースター・アトラクション・SF・スペース・コメディ。あまり細かく考えないで楽しむには最高の映画だと思う。そうそう、もちろんスタン・リーもちょい役で出ているので、その辺もお楽しみに。