南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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【ネタばれあり】クールに闘う女戦士(映画:アンダーワールド ブラッド・ウォーズ)

とうとうシリーズ5作目。このシリーズは全作観ているハズ・・だが、微妙に思い出せないポイントもあるけれど、とにかく最初の1作目で主演のセリーン役のケイト・ベッキンセールのそのクールな美しさがとてもインパクトがあって、それで興味本位で観たという記憶がある。そもそもこの手のバンパイアものはあまり好きじゃないってのもあるが、彼女を見た時に「観てみたい」と思ったのである。で、今回の「アンダーワールド ブラッド・ウォーズ」を早速観てきた。

ライカンと交わり、長老を殺害した罪で放逐されたライカン処刑人のセリーン。彼女はライカンだけではなく、バンパイアからも追われることとなった。しかし、ある日、彼女はバンパイアから再び戻ってくるよう通達を受ける。それは、一人のライカンのリーダー、マリウスがライカンたちをまとめ上げ、バンパイアに組織的に対抗してきたからだった。処刑人としての技術を教えるようにとのことだったのだが、そこには別の目的があった。そしてマリウスにも、バンパイアとライカンとのハイブリッドであるイヴの居所を知るため追跡される。セリーンの運命はどうなるのか・・?

シリーズもののほとんどは前作までを観ていないと意味が通じない、または通じにくいことがあるが、このシリーズもしかり。登場人物やそれぞれの行動や起きるできごとの意味とかが初めてだと分からないだろう。マリウスが飲む血がどういうものか、長老であるトーマスの息子デビッドの、バンパイアとしては不可解な肉体の意味などがそうだろう。そして最後に意味深で登場するイヴ。ストーリー自体はシンプルで捻りもあまりなく、ひたすらバンパイアとライカンの戦い、それもほぼセリーンのタフな闘いに終始する。そういう意味では映画としての面白さには少々欠けると思っている。【ネタばれあり】とは書いたが、そういう「ネタ」そのものがあまり無いということにも、このエントリーを書いていて気付く。あまり書くことが無かったり。(^_^;)

 

しかし・・だ。個人的にこの映画に惹かれるのには意味がある。ただひとつ。ケイト・ベッキンセールの冷たさを感じる美しさとその強さ、タフさだろう。1作目から統一されたブラックとブルーが支配したダークでクールな映像と、ゴシック調の調度類が美しい。当初はワイヤーアクションだったとは思うのだけれど、現在の多くはVFXなのだろう。アクションのスピード感とド派手な戦闘シーンはそれなりに迫力がある。

しかし、それよりもケイトの美しさが際立つ。「闘う女性」と言えば、「エイリアン」のシガニー・ウィーバー、「バイオハザード」のミラ・ジョヴォヴィッチがいるが、彼女のような研ぎ澄まされたナイフのような鋭利さはない。それを人間らしさがない(まあ、バンパイアなんだが)とかリアリティがないとか好き嫌いはあるだろう。そもそも最初の「アンダーワールド」が2003年の映画。ケイトも現在は43歳になっているのだが、その冷たい美しさは変わらない。ひょっとしたらなにかしらの映像的補正があるのかも知れないが、それでもどんな場面でも一貫したクールさを浮かべるその表情、仕草がとても良い。というか好き。

今回は、イブが最後に登場することで次作に続くようなエンディングでもあるが、「ネタ」は少なくとも彼女を見ているだけで飽きない・・僕にとってはそんな映画である。