南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

【結果あり】MotoGP 第12戦 イギリス シルバーストーンGP

最近、思うんだけど、地上波での放送で中野さんと福田さんが解説の時にはもうあまり書くことがなくて、このブログに改めて書かなくても良いんじゃないかなぁ・・なんて思い始めてたりもする。それに、福田さんがライダーの細かい情報をすごくたくさん持ち出してきていて、今回もビニャーレスの彼女がモトクロスで4回の世界王者だとか、普通は聞くことができないような情報が盛りだくさん。改めて福田充徳という人間が、単なるお笑いタレントじゃないことを感じると同時に、よりファンになった。

さて、書かなくても・・と書いたが・・だが書こう。僕の数少ない趣味でもあるし、レースの世界で一番美しいのは2輪のロードレースだと言う思いもある。

 

さて、今シーズン 第8戦でジャック・ミラーが初優勝した時に「そろそろ世代交代かな・・」と思ったものだ。実にここまで初優勝として他にもイアンノーネ、クラッチロウが勝っている。これは、レギュレーションが変更となり、今シーズンはマシンの条件が比較的イーブンになっていることもあるだろう。

しかし、レースはこうじゃなきゃ!誰が勝つか分からない、いつも同じライダーがぶっちぎるのはつまらないレースでもある。さて、今回のウイナーは誰か?

 

今回のシルバーストーンは20周のレース。しかし、スタート直後のバズとホル・エスパルガロの接触大クラッシュでレースは赤旗中断。その後に19周に短縮されてのスタートとなった。

スタートでは前回優勝のクラッチロウが良いスタートを切る。イアンノーネについても同様のことが言えるが、一度優勝を果たすとリラックスして走れるのだと思う。怪我のミラーはあまり良いところが無かったが、この二人は実に元気でスムーズだ。

しかし、それも長くは続かない。なんと、オープニングラップでSUZUKIのビニャーレスがトップに立つや、徐々に後続を引き離しにかかるではないか。うーん、やっぱり世代交代?とも思わせるし、このシルバーストーンがSUZUKIのマシンに合っていること、ビニャーレス自身がこのサーキットを好きなこと、そしてマシンの熟成が進んだことなど良い材料が揃っていることもある。ビニャーレスは一旦トップに出るとその座を明け渡すことなく、その差は更に広がっていく。SUZUKI、久し振りの優勝?と思っていたら、解説によると2007年のフランスGPでのクリス・バーミューレン以来だとのこと。しかしこのレースはウェットで、ドライとなると2001年のバレンシアGPでセテ・ジベルナウ(懐かしい!)が勝って以来となるらしい。SUZUKIは僕の地元でもあるし(というか、HONDAもYAMAHAも地元だし、高校の同級生がテストライダーだったりもしたが)期待が大きくなる。

 

そして逃げるビニャーレスを追う2位集団の6台。特にクラッチロウ、ロッシ、マルケスが絡んでいるのでトップとの差は開く一方だ。マルケスの負けん気の強さ、前回の勝利で走りに落ち着きと速さが加わったクラッチロウ、そしてベテランのロッシ。もうね、ロッシとマルケスの競り合いはハッキリ言って「怖い」。福田さんも中野さんも同様に言っていたけれど、平気でぶつけるしラインをクロスしての接近戦は一瞬で転倒に繋がる。もうヒヤヒヤものだ。

ただ、マルケスのマシンはセッティングが今ひとつだと感じた。特に、フロントにソフトを選択したのは失敗だろう。フロントを頻繁にリフトさせ、マシンを揺らしている場面が頻繁に見られる。こりゃ危ないな・・と思った通り、マルケスは3コーナー(だよね?あそこ)で2度のコースアウトを演じてしまう。止まりきれないのだ。せっかくの競り合いで前に出ても、これでは順位が上がらない。残り2ラップのところでのコースアウトは致命的だろう。一気にペドロサの後ろにまで下がってしまった。

 

その後も6台はバトルを続け、ビニャーレスは更に逃げる。残り6ラップで調子の良かったイアンノーネが転倒。結局、その差を確かなものにして安定した走りをするビニャーレスが真っ先にゴールラインに飛び込んだ。

おめでとう!ビニャーレス、そしてSUZUKI!

今回はビニャーレスが2位以下を引き離してしまったためにほとんど映像に映らなかったが、小振りなマシンが安定して走る姿は余裕があったように思う。この瞬間、今シーズンに初優勝を果たしたライダーは4人になった。レギュレーションの変更が、ここまで大きく影響するとは思わなかったが、それ以上に面白いシーズンになっていることが実感できる。冒頭に書いたが、「今日は誰が勝つか分からない」。そんなレースはやっぱりドキドキハラハラで面白いね。

次戦はイタリア ミサノサーキット。既に予選が始まっている時間だ。もう楽しみで楽しみで仕方がない・・こんなシーズンは久し振りだ。多くのMotoGPファンにとって、素晴らしいシーズンであると思う。