南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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【ネタバレ】ストーリーはともかく、ど派手なビジュアルエフェクトに度肝を抜かれる(X-MEN:アポカリプス)

X-MEN、これで何作目かなぁ・・と考えると、既に8作目に入っている。実際のマーベルコミックを読んでいないのだけれど、そちらはどういう展開なんだろうか?と思ったり。

ということで今回は連休だったので「ペット」と「X-MEN:アポカリプス」を観てきた。まずは「X-MEN:アポカリプス」から感想を書いてみよう。

エジプトにて、太古に神としてあがめられていた最古のミュータント、アポカリプスが復活する。チャールズがX-MENを発動し、太古の神に挑む。

8作目ともなると、ストーリーにはもはやあまり目新しさは感じない。とにかく様々なミュータントが出てくるわけで、新しい「チカラ」の持ち主が現れても、その出自が何であれ、戦闘になることは必然の流れな映画でもある。それにこのシリーズ、「フューチャー・アンド・パスト」でミスティークが本来殺害するハズだったドレイクを殺害しなくなったことにより、未来と同時に過去も変わってしまう。つまり、時間の流れが変わってしまい、最初のX-MEN3作と微妙にストーリーにミスマッチが出ている。

僕的にはその流れを考えると、このシリーズは3つの分類ができると思っている。

  • X-MEN1/2/3
  • X-MENファースト・ジェネレーション/フューチャー・アンド・パスト/アポカリプス
  • X-MEN ZERO/ウルヴァリン SAMURAI

この中で、最後のZEROとSAMURAIは全体の流れと背景を考えつつ、スピンアウトっぽい感じになっているんじゃないだろうか。もちろん、フューチャー・アンドパストの中では過去と未来をウルヴァリンの精神を飛ばして行き来するわけで、これがなかったらウルバリンがストライカーに掴まり、アダマンチウムを埋め込まれる未来に直結しなかったりする。その辺が未来の流れへの影響として2つのタイムラインを構成している感じになったりしていると思う。

 

で、このことも考えるとこの「アポカリプス」は、ファースト・ジェネレーションからフューチャー・アンド・パストの過去のストーリーを継続した、最初のX-MENとは別の流れということになる。年代的には最初のX-MENよりも過去の話だ。

ストーリーは基本的にマグニートー(エリック)、プロフェッサー(チャールズ)、ミスティーク(レイブン)が主軸だが、それに太古のミュータントが加わる感じだろうか。しかし、最後の鍵を握るのは最強のミュータントであるジーンである。ただ、ここでジーンの能力を他のミュータントが見てしまっていると、これがX-MENファイナルデシジョンに繋がるとは言え、唐突で違和感を感じるかも知れない。もちろん、映画の公開を時系列で観ている観客には違和感は無いだろうが。この辺が微妙にモヤモヤする点でもある。

 

まあ、本音を言うと、こういう些細なことはこの映画の場合はもう語らなくても良いんじゃないかと思う。とにかくど派手な超能力決戦。最近のビジュアルエフェクトは本当に凄いと感じる一作だろう。とにかく大迫力に圧倒される。むしろ、最初のX-MENシリーズから考えると「こんなに凄いチカラを持ってたの?!」ってな感じ。しかし、もうこのくらいで良いんじゃないかなぁ・・というのが正直な気持ちでもある。興行収入的にも確か徐々に縮小していたんじゃなかったかな?

 

細かいところでは、どうしてチャールズの髪の毛が無くなったのか?(^_^;) とか、ジーンが他のミュータントと映画を観に行った際に「映画は三作目が一番駄作だわね」みたいなことを言っていてちょっと可笑しかった。ウルヴァリンもホンの少しだけ出てくる。丁度アダマンチウムを埋め込まれて、実験台になっていたところから脱出するシーン。これが結果的に仲間を助けに行くジーン達の援護になったり。

また、未来が変わったことで、ミスティークがミュータントの英雄になっていたり、終盤で若いX-MENの育成にロボットのままのセンチネルが出てきたりと小技があって、そこは全部の作品を観ているからこそ味わえる場面比較の楽しみもある。

 

しかしまあ・・総合的に観ると、映画としての面白さはもうあまり無いのかなぁ・・というのが僕自身の感想だ。ただ、劇場に出向いて大画面と大音響で観るビジュアルエフェクトの凄さは圧巻でもある。そういう楽しみ方をする前提で観れば、そこそこ面白いんじゃないかな?実際、僕自身もそれなりに楽しめた映画であった。また、他にネタがあるのなら、次ぎもおそらく劇場に足を運ぶのだと思う。

 

気になるのはいつものエンドロール後のワンシーン。あのウルヴァリンの血液と、横にならんだ他の試験管は何を意味するのかな?ここがちょっと次ぎの「何か」を期待する場面かもね。そういう意味でも、マーベル作品はエンドロール前に席を立つのは勿体ない作品でもあるかな。今回もエンドロールが始まった途端に席を立つ人がたくさんいたから。