南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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ヘッドホン祭り 2016春に行ってきた

ここのところ地方でもポタフェスやヘッドホン祭りが行われるようになってきた。昨日、今日と中野サンプラザでヘッドホン祭り 2016春が行われたので見に・・というか聴きに行ってきた。その中から以前からちょっと気になっていた製品があったので紹介してみようと思う。最初にことわっておくけれど、「音は好み」である。あくまで「僕がそう感じた」ということであるのをご容赦願いたい。

それから、イヤホン/ヘッドホンの試聴は全てFiio X5 2ndで行っている。こいつの音のクセにハマると抜け出せない。

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JBL EVEREST ELITE 700

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ここのところヘッドホンは他に欲しいものが無かったのだけれど、「個々の耳に合った音にチューニング」という言葉に惹かれて試聴してきた。説明員の方に詳しく聞いてみると、ハウジング内にマイクがあり、設定用の音の反響を拾って音響を調整するようだ。ただ、その方が言うには「車の中で試聴ポイントを移動できますよね?アレと同じです。」とのことで、要は耳に届くまでの距離を等距離にすることによって音像を安定させる仕組みのようだ。

音的には低音がふくよかで高域は明瞭。悪くはないが、最近はどのヘッドホンも良くなっているので特別良いとは感じ無かった。ただ、高域が明瞭なのは音響の調整機構のせいじゃないかな?とは思える。濁りが無い感じだ。ただ、個人的には最近のヘッドホンは低域の量が多くて、個人的には欲しいと思うものが無い・・という思いは変わらなかった。

64AUDIO ADEL Aシリーズ

元々「1964」と冠されていた頃からここの製品は好きなのだが、新しく「ADEL機構」という「第二の鼓膜」と呼ばれる仕組みを採用したシリーズはとても興味深い。これは、鼓膜を保護し、聴覚障害のリスクを抑える仕組みだとのこと。各シリーズが発表された時のAV Wacthの記事を貼っておく。

av.watch.impress.co.jp

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正直に言うと、以前の1964 Vシリーズに比べると個性の幅が少し狭まった気がする。どれを選んでも失敗は少ない点でもあるけれど、例えばQiのようにロックやEDMを聴くとノリノリ!というようなことは無くなったように思う。では試聴したAシリーズの中からいくつかピックアップしてみよう。

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リーズナブルにADELシリーズを選択し、なおかつバランスが良いなと思ったのはこの「A3」だ。価格も安い(と言っても3ドライバの中では高めだが)。割と万能機種だと思う。正直、入門用というか、どんな音楽でも聴きたいという人はこれで良いと思う。以前から個人的に多ドラはあまり好きじゃないと書いているが、こいつが一番ベーシックな音だと感じる。3ドラならではの滑らかもあり、他の機種はこれに色づけがあるようなイメージだ。

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最初に書いた通り、ADELシリーズは個々に多きな特徴が無いと感じるが、こいつは別だ。低域の量感が少なく、高域の伸びが良い。非常にスッキリとした音色で、僕はこれが一番気に入った・・と以前にも書いたが、今回も好印象であった。ただ、多くの人はこれは低域が足りないと思うんじゃないかな。

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バランスに加えて音圧と音数を求めるならこれ。A12は僕には五月蠅すぎて、どちらかと言うとこちらのA10の方が好きだ。「リファレンスモニター」と位置付けられているようなんだけど、X5 2ndと組み合わせた時に一番、濃密な音だったと感じたので。まあ、僕はあまり好きな音じゃない。

AシリーズはA2からA12まで揃っているが、どうも個性に欠けるというか。個人的にはアクが強くても良いのでもっと個性的な製品があると良いのになと思う。

JH Audio 13pro V2

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元々13proが好きだったので、楽しみにしていたモデルだ。やっと初試聴。ただ、前バージョンと大きく変わるわけではなく、比較するのなら旧機種がないとできないな・・と感じた。相変わらず高域よりのフラット。低域の締まりが以前よりも良いだろうか。とても好きな機種だが、高域が微妙にエッジが強い感じがする。これはX5のせいも大きいだろう。ある意味、X5の特徴を良く出しているというか。むしろ、他のDAPの方がその良さを感じることができるようにも思った。エッジの効いた精細感の高い音だが、長時間だと聞き疲れしそうだなぁ・・と思ってしまった。これに比べれば他の多ドラの方がもっとド派手だとは思うんだけど。だから多ドラは苦手だ。

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写真がボケてしまって申し訳ない。これ、JHの他のシリーズにも付いていた低域の調整ダイヤル。低域が足りなければこれで調整すれば良い。試聴機を手にした状態で僕には低域が多過ぎたので少しマイナスしてみたら良い感じになった。

カナルワークスの新シリーズ

昨日、4月29日より受注の開始されたいくつかの機種のうち、「CW-L52PSTS」と「CW-L33V」を聴いてきた。

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カナルワークスのカスタムIEMは、とても個性的なシリーズだと思う。だから余計にADELシリーズがあまり個性が無いと思ってしまったのかも知れない。ロックを派手に聴きたければ「CW-L12」が、僕のようにフラットが好きなら「CW-L15」が、他にもボーカルモデル、ドラマーモデル、フルレンジ4基の「CW-L05QD2」なんてモデルもある。

昔はカナルワークスはシェルが大きくて今一つ食指が動かなかったが、今のモデルは大きさも小さくなり、デザインを含めて品質が上がったと感じている。価格的にも比較的安いのは有り難いなと思う。サポートも含め、そういう意味で国産の良さもある。

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「CW-L12」はロック向きで好きな機種(ドンシャリだけど)だが、それを少し濃くしてスムーズにしたのが「CW-L33LV」の印象だ。以前のモデルに比べて明確な個性というよりは、誰でも分かり易い「良いと感じる音」に仕上がっていると思う。

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こちらが6ドラの「CW-L52」。これは僕が好きな音だ。高精細で比較的フラット。PSTSモデルを買えば抵抗を変えて音質を好きな方向に自分でセッティングできる。特に良いと思ったのは、サラの状態(つまり抵抗の無い「CW-L52」と同じ)で音場がとても広く感じる。もちろん、これは専用シェルではない、イヤーチップを嵌めた試聴機であることを忘れてはいけないが、滑らかで高精細、高域の伸びも低域の量感も適度だし、とにかく音場が広く感じるのがとても魅力的だった。うーんこれはちょっと欲しいかも。今までは64AUDIO A5が第一候補だったけれど、こちらの方が滑らかさと音場で勝ってる気がする(あくまで個人的な感想です)。

ちなみに、相変わらず家人は「CW-L12」のドンシャリがお気に入りの様子で、毎回必ず試聴しては、「うーん」と悩んでいる。「ここにある全てのイヤホンが同じ値段でも、俺はこれ(CW-L12)を選ぶ。」とまで言っている。まあ、今は他にもお金のいる時期でもあるので。ちなみに家人もFiio X5 2ndだ。

ONKYOの新型5ドラ

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担当の方も仰っていたのだが、「とりあえず5ドラを入れて作ってみて、フラット寄りで作ってみた。これから皆さんの意見を取り入れて製品化に反映したい」ということで、あくまでプロトタイプだ。シェルに無理矢理ドライバを詰め込んだのが分かる通り、シェルを半分に割って接着剤でくっつけたような後がある。

現状での音は「ドライバが個別にバラバラに鳴っている」というのが素直な印象だ。ただ、今までのIE-C1〜C3に比べると明かに上も下も伸びるし濃密な音がする。これは期待できそうだ。

ただ、ONKYOのカスタムIEMはどれも「音が近い」感じがする。これが苦手なポイントである。これが元々の音作りのせいなのか、それとも小振りなシェル内の空気の量なのか、それとも全然違う理由なのか分からないのだが、これさえ無ければ、いかにも快適な装着感だと想像できるシェルの造形は素晴らしいと思うのだが。

担当者の方も自身のカスタムIEMを持った上でのご意見、他の方からも同様のご意見をもらうのは「一度使ったら普通のカスタムIEMに戻れない快適性」だ。これは、見た感じからも想像できる。ただ、現状の音質だと、流石に二の足を踏む。この造形で好みの音が出来たら即買いなのに・・といつも思う。

その他

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実は、プレイヤーもいくつか聴いてきたのだが・・うーん、X5 2ndの音に慣れてしまうとどれも立体感が乏しくてエッジがユルイ気がしてしまう。X5が高音質だと主張する気はまったくない。あくまで個人的な好みとして考えると、むしろ人を選ぶDAPだと思う。

だが、だからこそ、こればかり聴き続けていると他のプレイヤーに移れない・・というのが今のジレンマだ。なので、今回はいくつか聴いては来たが、紹介はしないでおこうと思う。

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おわりに

こういうイベントは本当に好きなんだけれど、いつも思うことだけれど人の多いところは苦手なのである。僕は足が悪いし他にも痛いところが何カ所もある。最近の人はあまり前を向いて歩かないし、人にぶつかるのが平気な人が多いので、どうしてもこちらで気を付けなければいけなくなってしまう。というか、ぶつかっても謝らないのが東京のデフォな気がしてきた。余裕が無いんだな。実家に行けば絶対にそんなことはない。

おかげで今は、このエントリーを書きつつも、片腕は三角巾で吊ったままだ。楽しいイベントなんだから仕方がないんだけど、もう少し会場が広くなって、試聴機の待ち時間が短ければなぁ・・といつも感じる。まあ、それはそれで無理な願いだとは思うんだが。

スタッフの方々、出展者の方々、どうもお疲れ様でした。今回も楽しいイベントをありがとう。さて、どれを次ぎに買おうかなぁ・・。