南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

そんなに有名じゃないけど、個人的にお勧めしたいSF映画6選

ちょっと色々と調べながら書いてたら時間がかかってしまった。今日は遅めのアップ。

 

こういう「なんとか10選」みたいなのって今まであまり書いたことがなかったのだけれど、自宅の棚にあるBD/DVDを眺めてたら、フト思い立ったので紹介してみよう。

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まず前提として、「お勧め」と言ってしまうとあまりに定番な作品がある。個人的には以下の作品。これは最初から除外しておこうと思う。あまりに今更感があるからだ。

  • エイリアン(1979年)
  • STAR WARS・シリーズ
  • GODZZILA(2014年)
  • バック・トゥ・ザ・フューチャー
  • 猿の惑星(1968年)
  • アバター
  • ダークナイトシリーズ
  • ゼロ・グラビティ
  • アイアンマン(2008年)
  • ターミネーター・シリーズ

上記の作品は、これから紹介される作品を含んでもお勧め映画だと思っている。というか「僕が好きな作品」で良いだろう。ただ、あまりに色々なところで既に紹介されているので、必要ないと思ったので除外してみた。

また、アニメはまた別のジャンルとしていずれ紹介してみたい。それから上記やこれから紹介する映画にも、「SFファンタジー」「SFアクション」「SFコメディ」みたいに細かく分けるとどちらに分類したものか?というのもあるが、それは今回は区別しないことにした。

それから、既に紹介済みのものも除外した。参考までにリンクだけ。

blog.rei1963.net

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オーロラの彼方に

現題は「Frquency」。真っ先に紹介したいのがこれだ。

物語は下記。

太陽フレアの異常により、ニューヨークでもオーロラが発生する。若き刑事のジョン・サリバンは抱えた恋人との問題、難事件の問題などに悩んでいた。ある時、幼馴染みのゴードンの息子が、30年前に倉庫火災で殉職した消防士の父親、フランクの遺品のアマチュア無線機を見付ける。色々と煮詰まってしまったジョン。部屋で遺品のアマチュア無線の電源を入れる。するとそこから生前の父親、フランクの声が流れてくる・・。

これもある意味、タイムリープものだ。だが、届くのは声だけ。原因は不明だが、30年前と同様の太陽フレアによる異常気象によるものだと思える、時空を超えた父親との交信。会話だけで過去の悪夢を解決し、同時に複雑な難事件に巻き込まれていく親子の姿が良い。ファンタジーでもあるテイストを持っているが、凝った仕掛けが無駄なく、不自然さもなく配置されているのが良かった。この作品もBlu-ray化して欲しい作品の一つだ。個人的にかなりお勧め。

この作品、未だにDVDなのだが、ちょっと面白いというか、ムカつく話しもある。最初に発売されたのはどうやら2001年らしい。その後に2006年、2007年に再販されるが、日本でのテレビ放送は2003年の12月のことだ。その時にこの映画のファンになったのだが、2010年頃にまた観たくなってDVDを買おうとしたが、その時には中古品しかない上に値段が高騰して1万円に届く価格設定だった。もちろん「それだけの価値がある」と言う人のための値付けだと思いたいが、これも足元を見ているようであまり気分の良いものではない。幸い、2014年に再販されたが特典映像は削られた。これも売り方の一つだとは思うが、まったく残念なことだと思う。

しかし、映画は素晴らしいと思う。機会があれば是非ご覧になってみて欲しい。

クローバーフィールド

 次ぎはこちら。

 物語の概要は下記。

アメリカ国防総省が保管している記録映像として個人が録画したハンディカムの映像が説明される。これは、ある夜、日本へ栄転することになった兄へのサプライズパーティーをハンディカムで記録するところから始まる。突然の爆発音と停電、そしてその原因となる巨大生物の姿が徐々に明らかになる・・。

このハンディカム(ちなみに「ハンディカム」はSonyの商標で、「カムコーダー」というのが正しいらしい)で撮影する映画は「POV(Point View Shot)方式」と呼ばれ、割とたくさんの作品がある。有名なところだと「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「パラノーマル・アクティビティ」「クロニクル」辺りだろうか。POVムービーはどうしても「この異常事態でハンディカムを回すか?」とも思えるし、実際にこの映画もそうなのだが、逃げ惑う人たちの臨場感は否が応でも高まるというポイントがある。この映画もそういうところを非常に良く使っていると思う。また、巨大生物をチョイ見せしつつ、個々人の人間を追う描写が秀逸だと感じた。

面白いのは、特定映像として3種類のエンディングがあることが分かる。個人的には実際に採用されたものが一番良いと思うが、それぞれの背景やその後が微妙に変えてあって面白い。

バトルシップ

次ぎはこれぞSFアクションという映画。「バトルシップ」である。

物語は以下。

太陽系外に向けて交信を試みるアメリカのプロジェクト。しかし、呼び出しに応じたのは侵略者だった。ハワイ海上を基点に、下調べの斥候として送られてきたと思える地球外生物。彼等は圧倒的な戦艦と武力を持ち、本星から後続部隊への呼びかけを行うため、着陸の際に失った「通信艦」の代わりに、ハワイ島の無線基地を使おうとしていた。その侵略に立ち向かう、アメリカと日本の軍事演習部隊。果たして異星人の侵略を止められるのか?

人によっては「なぜ宇宙船なのに飛ばないの?」とか「斥候部隊がどうして着陸早々通信艦」を破壊しちゃうの?」言われそうでもあるが、それらの理由も異星人側の問題であるし、この物語の欠点とは感じ無い。様々なアイディアを使って闘うアメリカと日本の演習部隊。そしてそこに参加する退役軍人たちが最高にカッコイイ!ちなみに、日本人として、「マイティ・ソー」にも出演している浅野忠信氏が出ている。割と好演していると思う。

Always

1989年の映画であり、オードリー・ヘプバーンの遺作となった作品である。主演は「グッバイ・ガール(1977年)」でアカデミー主演男優賞に 輝き、「未知との遭遇」でも存在感たっぷりの演技を見せたリチャード・ドレイファスだ。

 例によって物語の概要から。

森林火災の消火パイロットのピート。彼は腕は抜群だが、無茶をすることで有名だった。そして彼は仲間の命と引き替えに、自らの命を落とす。彼は天使のハップの使命により、新しく消火パイロットの育成のために現世に残る。そして、ピートの死によって一人残された恋人のドリンダ。彼女はピートの死といつまでも決別できないでいる。消火パイロットの育成をしつつも、ピートもドリンダのことを忘れられない。そして苦悩した彼が出した決断は・・。

どうしても「ゴースト/ニューヨークの幻」と比較してしまうが、「ゴースト」は1990年の作品、こちらは1989年の作品である。どちらも良い作品であり、どちらが先か?なんて言うのはどうでも良いことだが。この作品は基本的にファンタジーである。幽霊となってまで彼女や後輩を守ろうとするピート。しかし、彼は彼女を見つめることと、ホンの少しだけ、生きている人たちにささやくことで行動に影響を与えることしかできない。ピートの苦悩、ドリンダの悲しみ。それらが昇華して行く姿が涙なくしては観られない・・そんな映画だと思う。

余談だが、現役でも活躍しているジョン・グッドマンが、この映画でもコミカルな演技を披露し、暗くなりがちな物語の良いスパイスになっていると思う。また、DVD化されていないが、リチャード・ドレイファスの「この生命(いのち)誰のもの」も是非もう一度観たいと思ってる。

宇宙人ポール

次ぎはなんと「SFコメディ」だ。どうもあまり人気が無いような気がするが、個人的に大好きな映画である。 

 まずは物語から。

コミコン(アメリカで開催されるオタクの祭典って言ったら良い過ぎ?)にはるばるイギリスから来た青年、グレアムとクライヴ。彼等はコミコンだけではなく、レンタルしたキャンピングカーでアメリカにあるUFOの名所を回るが、途中で交通事故現場に遭遇。そこで彼等の旅に新しく加わった仲間は「ポール」と名乗る宇宙人だった。そして彼の目的を遂行するため、彼等はルースという女性を加えて行動するが、そこには政府機関の過激な追っ手がくるのだった・・。

この映画の面白さはグレアム、クライヴ、ルース、追っ手、そして宇宙人ポールとの掛け合いにある。個人的に「サイモン・ペッグの出る映画にハズレ無し」なのだが、今回も絶妙の面白さを見せてくれる。多くの海外コメディ映画は、言葉の壁でなかなかその面白さを味わうのが難しかったりするのだが、この映画は誰でも知っている「異星人の姿」や、様々な逸話、他の映画のオマージュと息つく暇も無いほどの「笑いの衝撃波」が来る。言葉が若干下品でそこは「Ted」を思い出す人もいるだろうが、こちらの方が笑いの質が良いと感じる。しかし、最後の組織のラスボスに彼女をもってくるかよ・・って言うのも楽しめるところである。お勧め。

ちなみに、サイモン・ペッグとニック・フロストは個人的な友人でもあり、様々な作品で共演している。最近のイギリス映画は面白いものが多いが、コメディではやっぱりこの二人の作品が抜きんでていると思う。

ジャンパー

 さて次は、若干B級映画扱いなのが残念な「ジャンパー」だ。

 物語から行こう。

いじめられっ子だったデヴィッド。彼はある日、イジメの末に氷の湖に落ちてしまう。もがく彼だったが、気が付くと彼はなぜかびしょ濡れで図書館にいるのだった。そう、彼は「テレポーター(瞬間移動能力者)」であったのだ。最初はその能力を使って世界中を駆け巡り、悪事も働きつつ優雅な生活を送っていた。しかし、テレポーターは彼だけではなかった。そしてそのテレポーターを「狩る」組織、「パラディン」が古代から存在していた。パラディンに追われつつ逃げるデヴィッドと、途中で知り合う同じテレポーター、グリフィン。彼等の運命は?

「ジャンパー」の主演、ヘイデン・クリステンセンがこの映画に出演するのは「スターウォーズシリーズ」の後だ。こういった大作の後はそのイメージが上手く払拭できないものだが、この「ジャンパー」では割と良い感じの存在感があると感じる。これは、グリフィン役のジェイミー・ベルの好演も合わせてであると思う。

面白いのが「ジャンプ」する瞬間の映像の作り方、そしてそれを阻止しようとするパラディンの装置や武器がなかなか凝った造りなこと。違和感を感じることもなく、テンポ良くVFXアクションの良いところを楽しめる作品であると思う。

最後に出てくる母親役のダイアン・レインとの再会シーンで次回作への期待をにおわすが、現時点で作られているという話を聞かないのが残念な作品でもある。是非、次回作を観てみたい。

おわりに

個人的には割と有名でない作品を集めたつもりだけれど、映画好きな人はみんなご存じかなとも思う。ただ、僕自身がBlu-rayを買ってまで何度も観る映画ばかりなのでお勧めしてみたいなとこのエントリーを起こしてみた。気になる方はとりあえずレンタルでも良いので観てみたらいかがだろう?こういう「大作に隠れた面白い作品」に出会う・・それも映画の楽しみでもあると思うから。他にも「リアル・スティール」とか「アビス」とか「ザ・コア」も紹介したかったのだが、長くなるのでこの辺で。

 

追記

改めて見返すと、「Always」はSFじゃないくてファンタジーですね。まあ、好きな映画ではあるので、このままにしておきますがご勘弁を。そもそも「SF」は科学的空想の物語ってことなので。