ここのところどうも体調が下降気味で、臥せっていることが多くなった。今日は雨は降っていないし、午後には少し散歩に出てみようと思う・・あくまで今の時点ではだけど。
今日のエントリーは、MotoGP第2戦アルゼンチンGPである。今シーズンはやっぱりタイヤが変わったことが大きかったなぁ・・というレースでもあった。
今回のレースのポイントは以下だと思う。
- 雨上がりの濡れたポイントが残るコースコンディション
- タイヤトラブルにより、マシンの乗り換えが必須となった
ブリジストン撤退の影響
どうもブリジストンに比べるとミシュランへの乗り換えはまだまだスムーズではないように思える。シーズンスタートの初戦はともかく、この2戦目でも各車、マシンの挙動が大きいことはコースに濡れた部分が多かったことを差し引いても余りあると見える。特に立ち上がりでのスライドコントロールに各車が苦戦しているのがありありと見える。激しく挙動が乱れているからだ。
ミシュランはその昔、2003年にブリジストンが参戦するまでは上位は全てミシュランという状況だった。
上の記事にもある通り、ミシュランはスペシャルタイヤをトップライダーに与え、上位を独占していたこともある。これにブリジストンが参戦して早12年。最初は「雨は速い」と言われつつも苦戦していたブリジストンだが、早くも2007年にケーシー・ストーナーのライディングによって結果を出す。それ以来ブリジストンの躍進が始まるわけである。
で、今回の第2戦を見ていると、各車の挙動もそうだが、レースディスタンスをトータルで考えると各車の差が詰まっているように見える・・というよりは、各車、まだその挙動に慣れていないのと、性能と性格に大きな開きがあるのだろう。それほどタイヤの差というものは今まで大きかったことを裏付けてもいる。逆に言えば、ワークス以外のマシンにはチャンス!とも言えないこともないが、それは転倒の危険をはらんでいることを忘れてはいけないだろう。
ただ、これも上の記事の最後にあるが、前後ともにドリフトさせてマシンを操るバランス感覚を持ったマルケスにはあまり関係が無いようだが。
雨上がりのレース
そして、今回のレース。コンディションは雨上がりでコースのいたる所が濡れている。それはMoto3から始まって、MotoGPまでに徐々に回復しつつあるのだが、それでもラインは極めて狭い。競り合いの中で相手の前に出るためのポイントが非常に絞られる上に、ミスでラインを外すと即転倒の危険が伴うレースであった。
結果的にカメラ映像を見る限り、ロレンソが掴まり、ビニャーレスも(なんとこの時3位を走行中!)、Ducatiの2台も共につぶし合うという最悪の結果を招いてしまった。ビニャーレスについては「とうとうSUZUKIの表彰台なるか!」と興奮してみていたが、上空のカメラ映像を見るとブレーキングで奥に突っ込みすぎ、ラインを膨らませて濡れた部分を踏んだと思ったとたんにスリップダウン。「あぁ〜・・・」思わずため息がもれた。
しかし、ビニャーレスのパフォーマンスを見せつけるには第1戦も含めて充分であっただろう。次戦が期待できる。というかしたい。
印象的だったのはステディな走りのロレンソのフロントからのスリップもそうだが、上位を走るDucatiが同チームでつぶし合ってしまったことだろう。ラストラップの終盤、ドヴィツィオーゾの前に出ようとインに飛び込んだイアンノーネが転倒、ドヴィツィオーゾを巻き込んでそのままコースアウト。その後にDucatiの関係者が頭を抱えたことは想像に難くない。写真を載せたいところでもあるが、流石に遠慮しておこう。これ、いつもブログを書いていてもどかし部分でもある。写真などはそれぞれで検索していただけるとありがたいです。はい。
マシン交換
これはフリープラクティス中にペトルッチのリアタイヤが走行中に剥離。というか表面がバラバラになって飛び散るという事象が起きた。これを重くみたFIMは、9〜11周目の間でマシン(というかタイヤだね)の交換である「フラッグ・トゥ・フラッグ」を義務付けた。これは2013年にコースを再舗装したばかりのオーストラリアGPでも同様に行われた措置である。マシンの乗り換えによっては、大きなタイム差になる。
- 乗り換えの巧さによるタイム差
- 乗り換えた後のマシンのフィーリングの差
辺りがキーになる。実際に、マルケスは乗り換えた後のマシンのフィーリングが良く、みるみるうちに後続を引き離す。ところがロッシは逆にジリジリと後退し、3位グループに飲み込まれることになったのだ。結果的にロッシは、ビニャーレスの転倒とDucatiのつぶし合いで2位を得たが、ロッシにとっては不利な要素となってしまった。
それにしてもタイヤが新しくなったこと、コースコンディションの悪さでも安定した走りをするマルケスの技術は驚嘆に値するだろう。おそらく、以前にも書いたようにドリフトコントロールが並外れているからだと思う。(でも、昨シーズンのことがモヤついているので、今でもマルケスは好きじゃない)
ちなみに、結果は以下のサイトが簡潔にまとめられていると思う。
もちろん本家のサイトも情報は豊富だ。これはファンなら頻繁にアクセスしていると思うが。
Motogp Official Site
日本人ライダーの結果
Moto2の中上選手は予選4番手。期待が高まったが、スタートで中盤に飲み込まれた。 上位陣が崩れるなか、粘りの走りで9位を得たが、本人にとっては不本意な成績だろう。ただ、予選を見る限り昨シーズンのような不調も見られず、今シーズンはもっと上が狙えることと思う。
Moto3はなんと、「出光ホンダチームアジア」のマレーシア人ライダー、K.パウィ選手が初優勝!僕の記憶にも日本人以外のアジア人が優勝しことは覚えが無い。初めてじゃないだろうか。そして上位陣がまたもや悪い路面コンディションで崩れる中、尾野選手が6位入賞を果たした。僕が走っていた頃は一線で活躍してた岡田監督が表彰式に出てくるところでちょっと感動。今度は尾野選手で同様のシーンを拝みたいものだ。
おわりに
序盤戦とは言え、コースコンディションやらトラブルが多くて、レースとしての楽しみは半減したってのが本音だったりする。まあ、これは例年、シーズン序盤はマシンとライダーの熟成中でありよくあることでもあるのだが、早く熱いレースを観たいものだと思う。ヨーロッパラウンドに移る辺りかなぁ・・。まあ、その前に次ぎのアメリカGPがある。ワクワクドキドキのレースを期待したい。