南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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ポータブルオーディオはスマホでも充分アリだね(iPhone SEの音質を6sと比べてみた)

今年も桜の季節がやってきた。東京に来てから26年目。毎年この時期には新宿御苑に桜を観に行ったものだ。大きな木に満開に咲く桜。そして一気に咲いて儚く散る桜。独特の風情を持った不思議な、特別な花だと感じる。それは年度替わりの時期であり、特に子供は新年度や新しいクラス、学校、または社会に出る時期でもある。桜は誰にとっても特別な花なんだろうなと思う。

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さて、前回と同様、iPhone SEが発売されたので音質の比較をしてみた。

ただ、正直なところ、あまり意味は無いかもなぁ・・という思いが先にあった。結論から言うと、それは外れていない。音質はもちろんDACチップだけで決まるものでも無いし、アンプの性格やアナログ回路部分の構成によっても変わる。プレーヤーでも違うのは、標準ではないプレイヤーアプリを使っている人ならご存じだろう。ただ、DAPの音質の違いはイヤホン/ヘッドホンの違いに比べると微々たるものだし、以前にも何度も書いているが音質はやっぱり「好み」であるのだから。ウォーム系が好きな人からソリッドなクールな音が好きな人もいる。良いとか悪いとかの話しではない。でもまあ、せっかくだから・・ということで聴き比べてみた。どんなことにおいても実験は大好きなので。

 

で、とりあえずiPhone SEと家人のiPhone 6s、後は手持ちのiPad mini2とついでに第6世代のiPod nanoもたまに使うことがあるので全てで試してみた。ちなみにShuffleも持っているのだが、こちらは既にほぼ使っていないので比べていない。

 

イヤホン/ヘッドホンは前回と同じで「カナルワークス CW-L15」と「Sennheiser MOMENTUM」だ。他にも色々と試してみても良かったのだけれど、この2個があれば充分かなと思ったので。まあ、これを書いた後で、せっかくだから「BOSE SoundTrue Ultra」も試してみれば良かったかなと思った。これ、本当に付け心地が快適で、最近出番がとても増えている。

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iPhone SEのDACはiPhone 6sと同じシーラスロジックの「338S1285」。本体が5sと同じなので6sとは色々と違うと思えるが、iFixitの分解記事を読むと、多くの部分でほぼ6s/6s Plusと同じと書いてある。まあ、アンプ部は専用のアンプでは無いと思われるので6sと同等のマネージメントシステムであるのなら、後はアナログ回路部分の違いだろうと思われる。

ここから想像できるのは「ほぼ6sと同じ音」なんだけど、実際に聴いてみた。

 

結果、僕の耳では大きな違いは感じられなかった。52歳(というかそろそろ53歳か・・)の耳なので信憑性に疑問を持つ方もいるだろうが(^_^;)、何度聴いても違いを感じ無い。そういう意味もあってiPad mini2も用意してみた。こちらは「338S1213」を積んでいる。

 iPad mini2 TearDown

https://www.ifixit.com/Teardown/iPad+Mini+Retina+Display+Teardown/19374

こちらはiPhone 6の時と似た感じで、少し低音がユルイ感じがする。精細感が足りない感じだ。iPhone 6のDACは「338S1201」である。ただ、これはBAドライバのカスタムIEMで聴いた時にほんの少し分かる程度で、MOMENTUMだとほぼ分からない。というか、そもそもiPhone 6/6s/SEでも何度も繰り返し聴き比べてみてどうか?って言う程度の違いしかない。解像度に大きな差がないのなら、後はアンプを加えて味付けを好みにするか、もっと解像度や大きな変化が欲しいならDAC/アンプを含めて多段にする方が良いだろう。もっともあまり多段にすると「ポータブル」と呼べるか?というのはあるし、個人的にはあまり好きじゃない。

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では、割と個人的に気に入っている「iPod nano 6th」はどうか?こちらはDACはAppleのチップ内だろうか?申し訳ないのだが、この辺、あまり詳しくなくて。

iPod Nano 6th Generation Teardown 

https://jp.ifixit.com/Teardown/iPod+Nano+6th+Generation+Teardown/3563

ただ、こちらはハッキリと違いが分かる。iPod Touchの時にも感じたのだが(これもまた違うDACのようだが)、音が少し痩せて、エッジの立った音がする。iPhoneに比べるとクールな音だと感じた。ただ、これはこっちの方が好きだという人もいるだろうと思う。 なんというか・・ハッキリとした音で分かり易い。既に彼方の記憶だけれど、これを高精細にするとCayin N5みたいだなと思った。あくまで「個人の感想」であることをご容赦願いたい。CW-L15だと少し痩せているのが気になるが、MOMENTUMでもボリュームを上げれば充分な音で鳴る。「こんなに小さいクセに・・」とつい口に出てしまう。だから好きで今でもたまに使っているのだが。

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最後に今更こんなことを言うのもナンだけれども、結局、DACの違いはiPhone5s以降ではそれほど違わない気がする。iPhoneは3GSを除いて最初の3から使っているが、5sになった時にとても良くなったと感じた。その後は聞き比べをしなくてもそれほど大きな差を感じないでいたからだ。そもそも専用機でないiPhoneの今の高い音質レベルに不満があるのであれば、専用機を買う方が良いだろう。それなら大幅に変わる。事実、僕はFiio X5 2ndに惚れて購入したわけだし。ただ、iTunesの恩恵をそのまま引継ぎたいのなら、iPod/iPhoneにDAC/アンプを組み合わせるのも充分「アリ」だろう。個人的に、それほどこのエコシステムは優れていると感じている。だからこそ、X5 2ndでもiTunesを使う工夫をしているわけだ。もちろんそうすると重く嵩張るわけで、せっかく薄くて軽量のスマホを買ってもその恩恵は受けられないだろう。

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しかし何と言うか・・スマホでもこれだけの音が出るのなら多くの人は充分じゃないかなぁ・・と最近は思う。高精細で立体感のある音や良質なバランス駆動やGND分離を知ってしまうと専用機が欲しくなるかも知れないが、その場合には当然イヤホン/ヘッドホンもそれなりのものにしないとあまり意味がない。少ない手荷物で充分良質な音楽を聴く。そういうコンセプトはしっかりと守られているし、それを管理するシステムも良好なものがあるわけだ。市場で求められているのはこれが大体数だろう。今では更にストリーミングへの移行組も多くいる。

 

そうやって考えると、ここまでくると正直なところ「どのイヤホン/ヘッドホンを選ぶか」に重点を置いた方が良いのだと思う。それだけ、耳に近い部分を変えることが一番劇的に変わることだから。今は良いイヤホン/ヘッドホンも多数あるし、選択肢は多いだろう。ただ、どうも高騰化し過ぎてるのがなぁ・・と思うのは、DAPも同じかな。まあ、趣味はその満足度とコストがバランスしているのなら文句を付けるのはヤボってもんだが。

 

ということで今一つうまくまとまらなかったと言うか、新しい情報は無い点はご勘弁を。お互い、良い一週間を送りましょう。