南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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やればできる!最初の一歩と理解ある伴侶の成功(映画:ワン チャンス)

昨日のアカデミー賞授賞式で、昨年のレディ・ガガのパフォーマンスを見て感動。彼女って活動の幅が広がってるね。今年のパフォーマンスも素晴らしかったけれど、新たな扉が開いた・・そんな感覚を受けた。 

 

さて、今日は映画「ワン チャンス」について触れたい。

この映画、公開が2014年3月で、もう2年が経過しようとしているんだね。以前から気になっていたんだけど、どうもインパクトに欠けるような気がしていて観ていなかった。で、今回、やっと観てみたがなかなか良かった。

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まずは映画の概要を説明しよう。

この映画は、子供の頃からずっといじめに遭い、何もかもパッとしない冴えない人生を送っていた青年、ポール・ポッツが「オペラ歌手になる!」という夢を追いかけ続ける映画である。これは、2007年のイギリスのオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で「誰も寝てはならぬ」を歌って優勝したポッツの実話である。その後彼は一躍スターダムにのし上がり、そしてこの映画化ということになった。個人的に感じたテーマは「夢を追い続ける」こと、そしてその「苦難を共に歩んでくれる伴侶の素晴らしさ」を伝える映画だと感じた。

 

主演は「はじまりのうた」の好演が大好きなジェームス・コーディン。特典映像や色々なサイトの情報や共演者などの評価を読んでみて、すごく好青年であるらしいことが分かって割と好きな俳優である。まあ、演技とは関係の無い部分だが、この人の「見ているだけで何となくホンワカする」魅力は人間性によるものなんじゃないかな?そんな気がする。

そうそう、「はじまりのうた」も「ワン チャンス」も2013年の制作映画。イギリスとアメリカと現場は違ったのだろうけれど、2つとも音楽関係。それもジャンルが違うが音楽に縁があった一年だったんだろうなぁ・・と思う。

 

さて、この「ワン チャンス」。何と言うか・・創作の部分はないのかな?というくらい主人公が絶妙のタイミングで不幸が訪れるというかドジるというか。実際のところは分からないけれど普通だったらこれだけで挫けていると思う。彼が最終的に成功を得たのは、偶然ではないし、一見すると弱い人間だが実は根底にある「強さ」を感じる。こういう粘りというか折れないことは実際にはかなり難しいことだし勇気のいることだ。

また、それを後押ししてくれた女性、「ジュルズ」の存在はかなり大きかったことだろう。彼女がいなければこの夢は実現していない。オペラ歌手になることに両親を含む様々な人、なんとパバロッティ(もちろん映画はそっくりさん)にさえ否定されてしまう。ここから立ち上がるのは並大抵のことではないだろう。

逆に言えば、彼は「ラッキー」だったんじゃない。多くの努力を積み重ね、自ら起死回生の一発を放ち、勝ち取った幸せなんだろう。タイトルは「ワン チャンス」だけれど、本当はそこまでの道のりがあったこそ彼はその「ワン チャンス」を生かすことができた。そういう意味で人生を無駄に過ごすこと、一攫千金を狙うことの愚かさを感じる。

 

ジェームス・コーディンは、この役作りのために実際に発声や口の開け方などの訓練を受けたらしい。ただ、映画の中で歌うシーンはポッツ本人が歌ってはいるが、同時にコーディンも実際に歌っているとのこと。役者が役になりきるのは、お年寄りの役を演じるために歯を抜いてしまった役者さんもいるし、楽な仕事じゃないなと改めて思う。

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「ワン チャンス」。後味の良い、素晴らしい映画だと思った。同時に、自分も自分の生きたいままに生きたいし、そのための努力はやっぱり必要なのだと強く感じた映画である。