南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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こんな後味の悪いレースは人生二度目だ

2015年のMotoGPシーズンも最終戦を控えたのみ。

今日は録画してあったひとつ前のマレーシアGPを観戦したが、非常に後味の悪い結果だった。人生、30年以上レースを観ているけれど、1988年最終戦のカピロッシがヘアピンで故意としか思えない特攻を原田哲也に敢行した最悪のレースに次ぐ。

この時はポイント差で前に出た方がシリーズチャンピオンというレースだった。どうしても前に出られないカピロッシはヘアピンにあり得ないスピードで突っ込み、先行する原田に接触・・いや、衝突して原田を転倒させた。結果的に裁定がひっくり返ることもなく、最低のレースだった。スポーツマンシップの欠片も感じ無いひどいエンディングだと感じたものだ。

 

 今回のレースはそれに次ぐ。マルケスの転倒シーンだけ見ればロッシがアウトに誘導して転ばせたように見える。でもそれは一部の見方だ。ロッシとロレンソのポイント差、ロレンソがマルケスをパスするシーン、その後の執拗なロッシへのマルケスのアタック。正直に言って、こんなのアタックじゃない。

 

ロレンソがパスした後にマルケスはラインを遠目に取り、後ろを振り返る。「先に行かせた」ように見える。そしてロレンソ追うことはしない。しかし、その後にロッシが迫って来た時には執拗な攻撃(競り合いとかアタックとは言いたく無い)、ロッシへの執拗な絡み方は走ってるものから見れば、妨害に近い行為だ。個人的には走路妨害だと言っても良いと思う。強引にラインを塞ぐフロントをねじ込んでロッシのマシンに接触したりラインを塞いでみたり。ラップタイムを見ればそれが見て取れる。

ロッシはマルケスに一度警告、それでも治まらないマルケスに二度目のケースでマルケスが転倒。この場所、アウトにはまだラインがある。ロッシにしても転倒までさせる意図は感じ無いし、そもそもレースを熟知しているロッシがそういう結果を想像してまですることではない。それでもマルケスはインにラインを被せつつ接触。

ロッシがマシンを蹴っているように見えるのは単純に近付いたものへの反射的な行動のようにも思える。ビデオを何本か見てみたが、ロッシの足がステップから離れるのは、マルケスが既にフロントが切れ込んで転倒状態になってからのように見える。

 

レースを長く観ているが、最終戦に近いレースでポイント差が離れているライダーがトップ争いのライダーにこんな絡み方をするのも初めて見た。似たようなケースでブラックフラッグが出たこともあったのではないか?

 

素直に書くが、僕はロッシのファンじゃない。凄いライダーだとは思っているが、ライディングとしてはロレンソの走りが好きだし、闘争心丸出しで技術的にも誰にも使えない技術を使って走るマルケスの感性には驚愕している。長くレースを観ている僕としては125ccから活躍しているペドロサがライダーとしては一番好きだ。だから、だれかを贔屓しているつもりはない。緊張感があり、激しいレースは好きだが、それはギリギリのところでスポーツマンシップが存在しているからだ。

 

なんか一気に冷めてしまった。

ロッシを擁護するつもりはないが、もうマルケスを応援する気持ちもない。今シーズンが最悪なシーズンになってしまった。