南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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CD化超絶希望! 山口美央子〜月姫〜

世の中に埋もれた名曲はたくさんあって、それが世間にウケてなくても強烈に心に残っているってのはある。僕の中ではそれが山口美央子の「月姫」なのである。

 
1983年当時は「和風テクノポップ」と言われ、矢野顕子に似ているとか彷彿されるとか言われていたが、僕の中では山口美央子は山口美央子。独特な楽器の使い方や言葉の選び方がやっぱり「山口美央子」なのである。当たり前のことだけれど。僕と同年代であれば、化粧品のCMに使われた「恋は春感(しゅんかん)」のメロディを聴けば「あ、聴いたことがある」って人は多いんじゃないかな。
 
僕の感じ方では、歌詞がとても情緒的で音使いが和風。そこにシンセを織り交ぜたポップ調の曲もあれば、静かに穏やかに心に染み込んで来る曲もある。特に僕のお気に入りは「夕顔〜あはれ〜」
誰か思いを寄せる人がいる人になら、聴かせてみたかった。春雷から始まり、穏やかなピアノに載せて切なく一途な思いが言葉となって心に直接流れてくる。失恋でもしてたら涙が溢れちゃうんじゃないかな。つくづく良い音楽は人の心を時には癒し、時には爽快に、時にはダークにと酔わせてくれるなと思う。
 
実を言うと僕は山口美央子は「月姫」しか聴いてない。というか、この頃僕は邦楽をほとんど聴いていなくて、この「月姫」も叔父が持っていたLPレコードを貰ったものであった。最初は「恋は春感」を聴いて、「あ、CMの曲だな」と思ってそればかり聴いていた。それが徐々にアルバムの曲全体を聴くようになり他の曲も好きになっていったという経緯がある。
面白いと思う曲なら「さても天晴、夢桜」なんかではコーラスのかけ声や、和楽器、他の曲とは違うちょっと演歌調?みたいなノリの良い曲もあるし、レコードのタイトル曲「月姫」はライトなポップでかぐや姫を思わせる。ちょっと、最近の映画「ジュピター」的な少女感を思い出したり。
 
ところがこれ、CD化がされていない!売り上げが良くなかったことが要因だとは思うが、これだけの名曲揃いの(個人的に)アルバムがCDになってないなんて・・と思ったのが数年前のことである。今でもたまにヤフオクにあがってるようなんだけれど、時折思い出すので見逃してしまっている。
 
で、最近になってまた思い出して実家にあったハズのLPレコードを探しても無い。確かカセットテープに落としたものがあったハズだが見当たらない。こうなるともう飢餓状態の動物みたいなもんで、ネットの中古LPを扱うサイトを探しまくってみたが未だに見つかっていない。
 
当時売れなかったものをCD化してくれなんて虫が良いにもほどがあるが、CD化超絶希望!なアルバムなのである。
 
追記 2016/01/31
すっかり忘れてた。正月に実家に帰省し、このレコードを発見!無事にデジタル化しました。詳細はブログ内の以下のリンクをご覧下さい。しかし、記事内にはありませんが、レコードの音質が素晴らしいことに気が付きました。根強いファンがいるのも頷けます。