南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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これは米国版「渡る世間に鬼はなし」? Netflixオリジナルテレビドラマ:グレイス&フランキー

相変わらず映画が好きで、最近観た中では「帰ってきたヒトラー」や、今更ながらだが「グッバイレーニン」がなかなか良かった。こちらはいずれ感想を書いてみようとも思うが、最近ハマってるのはNetflixオリジナルドラマの「グレイス&フランキー」だ。

要約すると、「2組の家族のそれぞれの夫がゲイであり恋人同士であることを告白し、結婚したいので妻たちに離婚を迫り、それによって起きる家族たちのドタバタ」というところから始まる。これだけ読んでもイロモノっぽい感じがしてしまうが、見ているうちに引き込まれて、気が付けば今はシーズン3まで見ている。もともと海外ドラマはその生活習慣や文化的な違いからストーリーに入り込めずイマイチ敬遠気味だったのだけれど、これは面白いと感じてるみたい。LGBT問題が世相を反映しているとか、ちょっとブラックで下ネタ満載なジョークはそれはそれで面白いのだけれど、何より家族や友情、人の絆を時にあっけらかんと、時にシットリと描き上げているのがなかなか好み。タイトルにも書いたけれど、一話1イベント、家族ドラマってところで、どことなく日本のドラマ「渡る世間に鬼はなし」を思い出す。あれに比べればとってもコミカルなんだけど、毎回起きるイベントやそれに対するトラブル、そして人としてどう対処するか?などがワクワクドキドキで楽しんでいる。展開的にちょっとありえないかな・・ということも多々あるけれど、非日常なドラマだと思えば気にならないし。

そもそも、どうして見始めたかと言うと、「後期高齢者でもこんなに人生は楽しめるしやり直せる」が一つ。そして「ジェーン・フォンダが普通な感じで出てる(表現が変かもだけど)」ってところかな。フランキー役のリリー・トムリンは「9時から5時まで」でも共演している多才でちょっとおどけたキャラ。そして何より好きなのは、ブリアナ役のジューン・ダイアン・ラファエル。その毒舌っぷりと微妙な間の取り方が最高に面白い。

LGBTを取り扱ってはいるが、そこはとてもアッサリしていて、どちらかと言うと舞台装置というか性格設定程度だと感じる。実際、マーチン・シーン(がゲイ役ってすごく違和感 (^_^;)とサム・ウォーターストンのカップルはイマイチ、ゲイには見えなかったりして。ただ、老齢を迎えた夫婦、しかもゲイも含めたその在り方みたいなものは、今まで描かれていなかったせいか(正直、「オッサンズ・ラブ」は違和感が強くて)、主役のグレイス&フランキーの生活を見ていても自身のこれからの人生を考える上でとても考えさせられる点が多い。また、フランキーの子供たちが養子で人種の多様性も色々と凝っていて興味深い。

ということで、たまにはこんなドラマも良いかな・・と感じた作品である。Netflixは月額料金も上がったこともあって、「見なきゃ損!」みたいな強迫観念もあったりするけど、そのおかげで良作にも巡り会えている。これなら充分、元は取ったかなぁ・・なんて考えてもみる。テレビドラマみたいにやたらと長くて多いCMが無いのも良いかな。さて、今日はこのくらいで。この先の展開がとても楽しみなドラマであった。