南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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ウクレレのデッドスポットについて考える

僕のコアロハには、3弦5フレットにデッドスポットがある(つまり、同様に2弦1フレットにも)。これが結構強烈で、大きな音が「ボンッ!」と出てサスティーンがほとんど出ずに収束してしまう。これはなかなかのストレスだ。色々と弦を変えたり、ナットやらサドルやら弄ってみたがあまり効果もなく、楽器店の店員さんには「こういうものです。」と言われ、ネットを徘徊してみると「個体を変えるしかない」なんて言葉まで見つけてちょっと落ち込んでた。

で、このままだと僕の性格上、とても面白くないし、そもそも弾いてて楽しくない。ということで、まずは音の発生からちゃんと考えようと、情報の多そうなギター、スピーカー、ホルムヘルツ共鳴あたりで検索していて興味深いページに行き着いた。

ギターボディー 振動の力学

デッドスポットについては9ページ辺りからの実験/考察になる。これは、スピーカーのヘルムホルツ共鳴やら制動やらと照らし合わせると的を射ていると思う。つまり、僕のコアロハは

  • ボディが良く鳴る
  • 音の立ち上がりが早い
  • その音で弦に制動がかかる

ということだ。そう言われてみれば、夜中に小さい音で鳴らしている時には音の詰まりを感じることはない。つまり、この部分をある程度解消・・「ある程度」と書いたのは、上の2つはコアロハの魅力でもあるから・・すればデッドスポットは軽減できると考えた。

同じような悩みをお持ちの方が、既に色々と試しているのもネットで見ているが、要は、ボディの鳴りを少し抑えること、ボディ内の空気の流れを変えてやることが必要で、サウンドホールからボディ内にタオルなどを突っ込んでいる方はそれなりに効果があると思うし、実際に自分でもやってみたが音は少し小さくなるものの、たしかに効果がある。

他にも考えると、例えば、カーオーディオなどで使うデッドニングと同様に、制振させるアイテムを使うのもアリだと思う(地震の時のビルの振動を抑えるのと同じアレ)。ただ、何度も書くが、コアロハの表板の鳴りの良さを抑えるのは捨てがたい。それなら、表板以外の部分で、ボディ内の空気の流れを変えるためにブレーシングに手を加える、またはボディ内の空気の制振を考えてみるのが精神衛生上良い気がする。

その他には、弾き込んでいくうちにボディの鳴り自体が変わることもあるかもとも思うし、例えばブリッジの位置や形状を少し変えるとデッドスポットの位置も変わるだろう。

また、ブレーシングを弄ることやサウンドホールを弄るのは効果が高そうだが、これは手間がかかるし、場合によってはボディを割らないといけないので流石にちょっと怖い。

というわけで、とりあえず、ボディ裏板の部分の空気の流れを変えるという意味で、こちらもカーオーディオのデッドニングで使われる制振材を内部の裏板側に貼ってみた。ひょっとしたらブチルゴムが貼ってある鉛のヤツでも良いかも。まあ、ある意味ではサウンドホールにタオルを突っ込むのと同じだけど。(^_^;)

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ちなみに、耳で確かめるのも良いけれど、ある程度目に見える形で波形を確認したいので、iPhoneアプリで波形を確認してみた。

まずは対策前。

次に対策済み。

波形上でも少し改善している・・というか、デッドスポットの周波数減衰が抑えられているが(対数なので、数値以上に聴感は大きい)、代わりにちょっと下の周波数の音が混じっている。これはこれで良くないのだけれど、聴感上はもっと良い感じ。すごく強く弾けば聴感上も大きくは違わないが、あまり現実的でもないだろう。これなら弾いていてもストレスはあまり感じない。「これでも十分かな・・」と思ったのだけれど、表板の振動は、他からも発生することも考えた。こちらはデッドスポットでネットを徘徊している時に知ったのだけれど、ネックからの振動だ。

こちらは色々とアイテムまで出ている。で、こちらも試そうとヘッドに色々と貼り付けてみたのだけれど、よく分からないので、手っ取り早く専用アイテムを買ってみることにした。コストはかかるけど、実験だと思うと面白いので。

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ギター用なので、ヘッドの厚さが足りずスペーサーを噛ませて付けてみた。結果、音が少しスッキリとしたと思えるが・・あまり変わらない。ただ、これは問題もあって、当然ながらヘッドが重くなってウクレレを持った時のバランスが悪いし、なにより見た目がよろしくない。こちらは、対効果で妥協するかどうかはその個体によるだろうから、効果が高ければ我慢、あまり変わらなければ無い方が見た目も良いだろう。

ここまでやってみて、現状であまりストレスを感じなくなった。っつーか、これなら十分弾くのが楽しい。しかし、このデッドスポットはこのコアロハの設計上の仕様から来ているものだと考えると、他の個体でも木材の違いによって大小はあれども発生しているとも考えられる。また、弦の振動の制動だと考えれば、弦によってはこの制動を最小限に抑えることもできるだろうから、色々な弦を試してみるのも良いかも。ちなみに僕は、色々と試した結果、何を試してもORCASのライトゲージに戻ってきている。これが音色も好きだし、弾きやすいし、デッドスポットもあまり気にならなくなる。逆に考えると、細い弦は振動の余韻が少なく音が響きにくいため、音色の豊かさには欠けるんじゃないかと思う。ただ、この弦はその細さから予想できないとても豊かな音を出すところが好き。また、細くて振動が少ないためか、他の弦の共振が少ないため、スッキリとした音を出す。

しかし、こうやって色々と試しつつ考えてみると、デッドスポット自体は無くすことは無理なんだろうなと思う。ただ、それ自体を演奏する帯域から外す、軽減させる、またはズラすことはボディの工夫でいくらでもできるように思う。今はまだ無理だけれど、安いウクレレをバラして、アレコレ試してみたいなぁ・・と、違うところの熱を感じてきている今日この頃である。まあ、その前に「もっと練習して巧くなれよ」・・もっともなんだけどね。