南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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越谷レイクタウンの「VR Center」でVR体験

VRが脚光を浴びてからどのくらい経つだろうか?初めての体験は、たしか、ディズニーランドだった気がするが、おそらく20年ほど前のことだと思う。当時は、シートが20席くらいだったのだけれど、その効果に驚愕したものだ。だが、現在ではスマホで簡単にVRを体験することができる。もちろん、それは視覚効果によるものだけなので、越谷レイクタウンにある「VR Center」でもう少し設備の整ったところで試してみた。

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実は、最初に行って感じたことは「え?ここもスマホでやるの?」である。まあ、近年、仕事で色々と試していたOcurus Riftの経験もあって、スマホでもそれなりにVR体験ができることは知っている。これに体感設備(例えば動くシートとか)があれば充分なVR体験ができるとは思っていたが、この施設が設置された時の宣伝を見ていて、もっと大がかりな設備を想像していたのが肩すかしをくらった感じ。

ただ、体感設備やモーションをトレースできるコントローラーがあれば、それなりにVRになるかもなぁ・・と考え直した。ということで早速試してみた。

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メニューはこの11種類。全部試してみる・・という感じも無かったので(トシだし)、いくつか試してみた感想を書こう。

最初はこれ。VRを感じたいのならまずはこれだろう。「落下体験」。

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似たものでこんなのもあった。

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実は、冒頭に書いた20年ほど前に体験したVRもこれに似たようなものだった。ただ、設備はもっと大がかりで、かなりの満足度だったことを覚えている。それをもっとお気軽に試せるというのが近年の実情でもあるだろう。

実際の動画を載せられない・・というか、体感Gが無ければあまり意味がないが・・のが残念だが、それなりに「落下感」を感じられる。時間は1分半ほどだが、もっと短く感じたのはVR体験が良質だったのだと思う。初めての人はビルの谷間に落ちていく自分の身体への錯覚に驚くかも知れない。これは、視覚効果もそうだが、それよりもシートの動作、送られる風の影響が大きい。流石にリアルなジェットコースターほどではないが、雲上からの落下なんて普通には体験できないだろう。それに、これはある程度子供でも体感できることを想定し、恐怖感を抱くほどのリアリティは意識的に下げているのだと想像する。

しかし、やはり人間の「錯覚」というのは面白い。結局はG(重力)と空気の流れがあれば、それを実際の「落下」と認識できるのだから、もっと整った設備であれば、更に複雑でリアリティの高い体験もできるだろうと思う。そういった可能性も充分に想像できると言う意味では、それをお手軽に体感できるこういったアミューズメント施設は面白いと思う。

他にもいくつか試してみたが、気に入ったのはこれ。

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真ん中のブースに立ち、コントローラーを両手に持って「銃」と「剣」を使い分け、モンスターと闘うというものだ。これは、普通のゲーム機でもそれほど違わないものができるように思うが、立体的で広く、閉鎖された視野がリアリティを上げている。武器の使い方もコントローラーの動作によって「銃」になったり「剣」になったりして、個々の創意工夫が求められる。これは何度かやってみたいと思ったし、もっとレベルが高い、長時間のプレイや、異なる敵や武器を想定したシチュエーションもたくさん揃えると面白いと感じた。おそらくPlayStationVRなんかもこのレベル・・いやもっと上かな?にあるに違いないと想像する。

残念なのは、どのアトラクションも「体験」というレベルであること。これ、もっと本格的にすれば良いのになぁ・・と残念な気分も。それに、アトラクションによっては普通に3Dビデオを観ているのと変わらないなと感じたものもある。例えばこれとか。

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正直に書くと、これなら自宅でデキの良い3Dホラーの方がずっとリアルで恐い。昨今、市販ソフトの3D版の評判が今ひとつのようだが、僕的にはちょっと残念だと思う。機材の問題か、個々の感性の問題か分からないが、自宅でもシッカリとした設備(音響も含めて)で3D映画を観ればかなりの没入感を得られる。それも「シッカリ」とは書いたが僕の自宅の設備だってアンプとスピーカーでトータル20万円くらいだ。どうも市場は4Kや8Kの台頭と共に斜陽の雰囲気があって残念でならない。「4Kなら3D並みのリアリティ」とのコピーを見たことがあるが、とんでもない、まったく違うものだと言いたい。この辺は市場原理も働いているのだろうが、もっと安価で良質な3D版の映画もたくさん出て欲しいと切に願うところだ。

さて、まとめてみると、ここはあくまで「体感の場である」と感じた。ガッツリとVRで遊ぶというよりは、ちょっと気軽に体験してみたい・・そんな設備だろう。確か、常設されて一年ほどだったと思うが、平日とは言え、人はまばらだった。逆に言えば、一般客が求めているのは、「もっとガッツリとしたVRの世界」なんだと思う。まあ、これも行ってみなければ分からないわけで、それなりに楽しい時間を過ごせたと思う。皆さんもお近くの方はちょっと体験しに行くのも良いんじゃないかな?