南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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【ネタばれあり】強い女性は輝くのだ!(映画:ワンダーウーマン)

感想から書くと、なかなか良かった。以前に「バットマンVSスーパーマン」ではいまひとつな感想を抱いたんだけど、こいつは良かった。

女性だけの戦士の島で育ったダイアナ。外界が第二次大戦時のある日、島に飛行機で不時着したスティーブから外界の様子を聞く。そこに天界を追われた戦いの神、アレスの関与を感じ、彼女は島を出てアレスを倒すことを決意する。初めての外界、悲惨な戦争を見、そして自身の出自を知り、戦闘の神として彼女は覚醒するのであった。

「ワンダーウーマン」、または「アマゾネス」という言葉は僕の年齢(54歳)においてでさえ子供の頃に耳にした程度。スーパーマンの女性版かな?というくらいの認識だったし、なんとなく女性を商売のネタにしている気分もしていてあまり興味を抱かなかった。先日の「バットマンVSスーパーマン」では突如の出現に戸惑ったファンも多かったんじゃないかな?今の日本の若者に「ワンダーウーマン」と言っても知らない人がほとんどじゃないかと想像するが。

しかし、黒髪に黒い瞳、ロンドンにあってエキゾチックな魅力を放つダイアナはかなり魅力的だ。しかもギリシア神話にある戦いの女神だ。舞うように闘う美しさ、しなやかさは男性ヒーローにはない魅力がたっぷり。いきなり出してしまった「バットマンVSスーパーマン」の前に映画化した方が良かったんじゃないの?と細かいところを思ったりもしたけれど、初めての「人間の住む外界」への戸惑い、率直で真剣な平和への思いが彼女の容姿や立ち振る舞いに出ていてチョーカッコイイ!

アレスとの戦いにおいて、ダイアナの出自(ゼウスとアマゾネスの女王ヒッポリタとの子供)、そして戦争を続ける人間の愚かさを説き、自らの仲間への誘う甘言を一蹴し、自らの信じるものに従って闘うダイアナの真の力が解き放たれる。「ワンダーウーマン」の名に恥じない彼女の活躍は一見の価値があるだろう。

それと、すっかり「スター・トレック」のカーク船長のイメージが定着したクリス・パインだが、いや、カッコ良すぎでしょ?彼が見せた世界を救うための自己犠牲(この言葉は好きじゃないが)、いや、彼女への愛を示した自らの戦いの姿だろうか。この映画だけでシリーズから退いてしまうには惜しいデキだったと感じた。実は、カーク船長のイメージを見事に受け継いだ彼だが、その他の映画ではいまひとつな印象を持っていた(Black&Whiteは面白かったけど)クリスの新たな印象が追加された感がある。

映画のストーリー展開として見ると、細かい詰めの甘さみたいなものも感じないではないが、そんなものは吹き飛ばすほどのアタック感がある。

実は、この映画、あまり期待していなかったので、たまたまショッピングモールの抽選会で当たった無料券で観に行ったのだけれど(^_^;)、これならIMAX辺りで見たかったなぁ・・と思った。好きです、これ。