南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

日常生活で思うこと、電子ガジェット、オーディオ、映画、小説を紹介するサイトです。

【ネタばれ少しあり】こんな未来世界は来るのだろうか?(映画:GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊)

昨日、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」を観てきた。実は、原作は読んだ?観た?ことがないし、どういう話しなのかまったく知らない。つまり、前知識ゼロで臨んだ映画である。その物語に内包されていたハズの背景を知らないことから、的外れな部分があったらご容赦願いたい。

時は近未来。事故により、脳以外を「義体」と呼ばれる機械の身体にした(された?)「少佐」が、サイバーテロ集団との闘いを描く。少佐の前に立ちはだかる「クゼ」とは何者なのか?彼女はその「義体」を使ってサイバーテロ集団に立ち向かう。そして少佐の過去とは・・?

最初に感じたことは「カネがかかってるよなぁ〜・・」である。いや、陳腐な感想で申し訳ない。技術の進歩による映像のディテールの完成度はスゴイなと素直に思う。ただ、どことなく漂う「ブレード・ランナー」の雰囲気。街の様子がなんとなく似ていると感じた。この映画を観たあとに、家に帰って「ブレード・ランナー」を見返してみた。「ブレード・ランナー」は1982年の作品である。そのためか、時代の変遷と共に「近未来」を示す小道具の多くが「GHOST IN THE SHELL」では現代寄りになっているのは当然だろうが、所謂「未来の世界」的な雰囲気は未だに「ブレード・ランナー」の方が強く感じる。この映画が多くの未来映画の先駆として影響を与えていることがよく理解できる。ディスプレイがCRTであったり、当時に考えられた「未来」が今の時代だと「古い」と感じてしまう部分は至る所にある。それでも、雨が降り続けるダークな街、街行く人たちの無国籍感、こうなるであろうと想像する衣服やクルマ、退廃的な建物などの環境が、光と影の使い方の巧さも加え、「ブレード・ランナー」を未来というか異世界であることを際立たせている。その場の「臭い」すらしそうだ。

しかし、今回の「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」がダメかというとそうじゃない。現代は現代なりに考えた「想像する未来」がシッカリとリアリティを与えるように描かれていると思う。街並みしかり、ロボットしかり、そして少佐のボディもしかり。つまり、その世界感自体は充分に巧いと感じた。

ストーリーは、シンプルに言えば公安とテロ組織の闘い、そこに個人としての過去が内包され、現在の少佐の活動に影響を及ぼしている・・という感じだろうか。スカーレット・ヨハンソンは「アベンジャーズ」でも見せたキレを持ち、それでいて女性を感じさせる魅力がある(もちろんファンであるが)。今回はそこに、物語の中の「迷い」というか、過去の感情に影響を受けている「少佐」個人の感情が揺れるように表されている。相棒のバトーも強く頼もしく、そしてその人間性が良い感じに溢れていると思う。こういうコンビの映画は好きだ。

逆にカネがかかっているだろう、ロボットたちに今ひとつ魅力がない。突入してくるテロ組織はモロに「ヤクザ」だし、終始、日本語を貫き通すビートたけしの演技が妙に浮いて見える。アジア映画を観る際にいつも思うことだけれど、自身がアジア系であることから、「非日常」を描かれてもそれが自身の知っている「日常」と同じアイテムを使って、それでいて体験したことの無いシチュエーションを与えられると妙に違和感を感じる。「作り物」だと感じるのかも知れない。あくまで個人的な感じ方なのだけれど、今回のビートたけしにもそれを感じてしまった。普段、テレビで観る「ビートたけし」を知っているが故に、どうにも映画の一要素として捉えられない。

ところが、終盤で出てくる桃井かおりは逆で、見事に映画に溶け込んでいる。単に英語で話しているからだろうか?彼女の演技力なのか?それとも、別の顔の桃井かおりをあまり知らないからか?おそらくその全てがトータルとしてそう感じさせる要因なんじゃないかと思う。

クゼとの関係、原作の主人公である「草薙素子」の要素を最後に盛り込んでいるのだが、それも原作を観たことがない僕には元々知らないことであって、ストーリーの一部分と捉えるとシンプルで分かり易いと感じた。

映画として高評価!・・とは僕には言えないけれど、それでも垣間見た「未来の世界」を味わったと考えればこの映画は悪く無いと思った。そもそも、未来のことなんて誰にも分からないのだから、制作側が考えて「想像されて」映像化した未来のリアリティが良い感じだ。「ブレード・ランナー」の舞台となったのは2019年、つまり2年後だが、例によってクルマは空を飛びそうにないし、人間と見分けが付かないようなヒューマノイド型のロボットもできそうじゃない。逆に考えれば、それは「想像する夢としての未来」がそこにあって、物語を通じてその「世界」を感じることができた・・という点でこの映画は評価したい。

また、こうなると元となる原作も観てみたいなぁ・・と思ったりもした。まあ、こういうものは観ない方が良いのかな?原作との時間枠を考えると、どうしても書き切れない部分が多いのがこういった映画の常だとも思えるし。まあ、後で考えよう。とりあえず、こういう映画は好きだし、充分楽しめましたです、はい。