南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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【ネタばれあり】4DXのシート、デカ過ぎ(映画:ローグ・ワン 〜スター・ウォーズストーリー)

予告編を観て気にはなっていて、それでもこれはサイドストーリーであってジェダイナイトが出ないものは「スター・ウォーズ サーガ」じゃない・・ということで、観ようかどうしようか思案していた。が、家人が「観に行こう」ということで観てきた。

 時は帝国軍と反乱軍が戦うなか、帝国軍が新たな兵器の開発のために科学者であるゲイレン・アーソを無理矢理引き入れ、「デス・スター」の開発に着手する。ゲイレンの娘であるジン・アーソは帝国軍から難を逃れたが、帝国軍とも反乱軍とも敵対するソウ・ゲレラーに育てられる。しかし彼女はゲレラーのやり方に不満を抱き、ゲレラーの元を離れ帝国軍に収監の身。そんな中、反乱軍のキャシアン・アンドーは帝国軍の新兵器の情報を得るため、ジンと接触する。ゲイレンは兵器開発をしつつ、こっそりその弱点も織り込んだ兵器を作っていた。なんとかその弱点の情報を得るため、ジンは反乱軍に進言するが受け入れられず、両親の敵である帝国軍に抵抗するためにキャシアン、ボーディ、チアルート、ベイズ、そしてドロイドであるK-2SOと共に帝国軍の内部に潜入する。果たして新兵器の情報は得られるのか?

予告編を観た人には分かるのだが、これはエピソード3と4の間のサイドストーリーである。確かにエピソード4でレイアが、「反乱軍の戦士が命をかけて入手したデス・スターの弱点だ」と説明していたが、その情報を奪取したのがこのメンバーということになる。そして今回は、予告編を観てその空中戦の激しさもあることから4DXの劇場を選択してみた。

さて、まずはストーリーから。正直なところ、前半は話しが入り組んでいてちょっとスローな展開で眠くなってしまった。ジンの背景、メンバーの招集、そして帝国軍と反乱軍の現状を伝えるためには必要なシーンなのだが、どうしても展開が遅い。眠い。しかも、前述したようにサイドストーリーであることから僕自身は「スター・ウォーズ サーガ」の一話とは見ていないこともあって、どうも集中できない。

しかし、後半から物語りは一気に流れ始める。昨今のVFXの出来の良さもあって、リアル(というのも変だが)な戦闘シーン、ジーンの仲間たちの個性がそれぞれ良い感じで浮き出て非常に良いチームが出来上がっている。特に良かったのは盲目のチアルートの神秘的な動作、それと何と言ってもユーモアもありつつ超有能なドロイド、K2-SOの存在が大きい。むしろ、主役たちを完全に食ってしまっている。ストーリー展開もスピードを増し、最後は怒濤の結末まで一気に観させるだけのチカラがある。「あぁ、これもやっぱりスター・ウォーズなんだなぁ・・」と思ってみていた。

もちろん、キャラクターが今までのスター・ウォーズとダブるとこもあることも要因だろう。ここ、ちょっとシビれた。マジで。ダース・ベイダーのマスクを換装したダークサイドに落ちたアナキン、ピーター・カッシングが演じた帝国軍のラダス提督ターキン総督(コメントいただき、間違っていることに気が付きました。ありがとうございます。)があまりにソックリでビックリしたのだが、これは別の俳優が演じ、CGで似せたのだそうだ。そして幼きレイア姫を引き取ったオーガナ議員、更にさらに、レイア姫にデス・スターの情報を渡すところで終わるという、マニア垂涎の構成になっているのも見所だ。ちなみに、C-3POとR2-D2もほんの少しだけ登場する。

 

しかし、見所はストーリーそのものよりも、最後の空中戦の迫力だ。近年でこれに勝る空中戦はちょっと思い浮かばない。技術の進歩、構成の見事さ、そして4DXのおかげだと感じた。4DXは最初は「ベイ・マックス」で観たのだが、その頃よりもシートの挙動や水滴、ビームが通り過ぎる際の耳元の風などの効果が大きくなっている。ただ、序盤のように個々のストーリーが展開している中で使うと、どこにその4DX効果の主体があるのか分からない・・というよりは、別々のタイミングで様々な場面に使われていて返って映画に集中できない。時には宇宙船に、時には銃撃にと細かく移動してしまうので酔ったような感覚になる。これはハッキリと良くないと感じた。これならむしろこういった特別な効果は邪魔なだけだ。もう少し使う場面を感じた方が良いと思う。

だが、最後の戦闘機が交錯する空中戦では非常にダイナミックに生きる。迫力が段違いだ。最後のVFXが大迫力だったのもこれによる影響が大きい。使い方によってはまだまだ改善の余地があるが、タイミングと主体を間違えなければ非常に楽しく映画を「体感」することができる。

問題は、その「シートの大きさ」だ。凄く大きい。もちろん僕が162cmと小さいこともあるのだけれど、膝を折った状態だと背中に10cm以上の隙間ができる。この状態で椅子を揺らされるとどんどん前に身体がズレて行く。「これ、シートから落ちる人がいるんじゃね?」と思ったら、僕は気付かなかったが、家人の斜め前の女性がシートから落ちたようだ。結構高さもあるし、笑える話しじゃない。もちろん全ての体格に合わせるのは無理だとは思うが、それにしてもデカ過ぎると思う。ここは大きく改善の余地がある。映画館の関係者がこれを見ていたら、是非、一考して欲しい。あれは危ないよ。僕も落ちそうになったし。

これで今年の劇場鑑賞も最後。そろそろ今年のBest5くらいを決めようと思う。毎年恒例だしね。だけど、今年はあまり劇場に足を運んで無いんだよなぁ・・。まあ、そこはなんとかしよう。しばしお待ちを。

 

追記

そうそう、僕と家人は普通の3D映画を観に行く時には自宅で使っている自前の3Dグラスを持っていく。二人ともメガネを掛けているので、その上から掛けるタイプのは重いんだよね。まあ、IMAXは専用だからダメだけど。

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