南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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【結果あり】MotoGP 第9戦 ドイツ ザクセンリンクGP

いやぁ、この結果を誰が予想したろうか?そういうレースだった。

レース前の福田充徳さんの紹介で、マルケスがここまで6年連続のポール・トゥ・ウィンを達成していることを紹介。そう言われてみれば・・確かにドイツGPに強い印象はある。そして今回もポールポジションからのスタートだが、コースコンディションは生憎の雨。7年連続は見られるのか?

 

雨のコンディションでもやっぱりロッシは速い。スタート直後から快調に飛ばす。そして数周目になんとペトルッチがトップ!いやぁ、最近、ペトルッチが頑張ってるね。しかしそのペトルッチも雨のコースコンディションにフロントをすくわれて転倒。このコンディションはマシンパワーの少ないと思われるペトルッチのチームには勝負どころだったと思うが、残念な結果になってしまった。

そして上位につけていたマルケスまでもが11周目になんとコースアウト。しかし、あのスピード、しかも雨のコンディションでランオフエリアで転倒せずに戻ってくるバランスの良さに驚愕。いやぁ、普通、転ぶでしょ。あれ。

 

そしてドラマはここから起きる。徐々に乾いてくるザクセンリンク。まだまだ濡れている場所はあるが、マシンが通るラインに乾いた一本の線が見えてくる。この場面でマルケスが早めにスリックタイヤのマシンにスイッチ。これ、コースアウトして順位を落としていたことも無関係ではないだろう。あの順位だからできた思い切った作戦だと思う。同時に、スリックでもマルケスの驚異的なマシンコントロールが、ラインを外さない、または外しても簡単には転ばないと判断したピットの采配もあったことと思った。

加えて、トップグループが5台の接近戦を演じていたこともマルケスに有意に働いたのではないだろうか。あの状態でピットに入ることは躊躇するだろう。結果的に彼等は敢えて勝負に出たジャック・ミラーを残し、終盤でロッシ、バルベラ、ドヴィツィオーゾ、クラッチロウが4人揃ってやっとマシンをスイッチ。しかしロッシのチームが選択したインターミディエイトは乾いた路面でペースを上げることができない。結果的にマルケスの爆走を追うことは誰にもできない状況に陥った。

結局、ミラーも最後にマシンをスイッチをせざるを得ない状況(なにせ1周で4秒以上のラップタイムの差があった)に追い込まれ、狭いドライのラインを驚異的なスピードで周回するマルケスのぶっちぎりのレースとなった。

 

しかし、コースアウトして9番手まで後退、その後にマシンをスイッチして14番手。そこからトップを奪うなど誰が想像できただろうか?マルケスの速さはやっぱりひと味もふた味も違う。他のマシンとは明かに異なる次元のスピードで快走。他のマシンを抜くシーンなど、まさに風神の如く。最終的には20秒以上の大差を付け、最終ラップではタイムを落とす余裕のゴールイン。

 結果的に、トップはマルケス、2位には「走る闘魂」の異名の通りの走りを見せたクラッチロウが最後まで果敢なアタックを見せた。3位は今シーズン、やっと彼らしい走りを見せたドヴィツィオーゾが入った。

 

それにしても雨は荒れる。ロレンソはここのところ雨を不得意としているのか、そもそもポイント圏外を走行。結局、上位陣の転倒離脱で15位を得るが、不本意なレースであっただろう。ペドロサも地上波ではマシンをスイッチした場面は見られなかったが、6位で入賞したところを見るとマシンをスイッチしたのだろうが、その後はあまりペースを上げられなかった。福田さん同様、ペドロサファンの僕としてはこちらも不本意な結果に終わった。

個人的には勝負に出たマルケスはもちろん、結果的に失敗に終わったとは言えチャレンジを見せたペトルッチとミラーに拍手を送りたいところだ。また、クラッチロウもやっとその攻めの走りが見られたことがとても良かった。波瀾万丈のレースだったが、面白いレース。これだからMotoGPは止められない。

 

さて、Moto2は好調な中上貴晶がポールポジション。雨の中、レースを引っ張るカタチでトップを快走していたが、彼も雨のコンディションにフロントをすくわれて転倒。再スタートをし11位でフィニッシュ。リタイアせずにここでポイントを得たことは後半戦に向けて堅実、且つ、攻めの姿勢を表したことにもなる。ここからサマーブレイクで約一ヶ月の休暇に入るが、ここのところマシンもライダーも調子を上げている中上選手に期待「大」だろう。

 

しかし雨の難しいレースコンディションの中、各ライダー/チームの判断が生んだ結果であると同時に、久し振りにファイト溢れる走りを見せたクラッチロウが今回はとても印象に残ったレースであった。

 

おまけ

僕は福田さんの「今週のダニ・ペドロサ」の密か?なファンである。いやぁ、あんなシャイなライダーがあんな笑顔を見せてくれるとは。福田さん、Good Job!