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南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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古き時代劇特撮映画:恐怖の「大魔神」を侮るなかれ

映画

先日、「ガメラ」について書いたのだけれど、その時にも少し「大魔神」にも触れた。どうにも懐かしくて久し振りに観たくなり、三部作を一気に観た。

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見た通り、これも北米版である。元々が日本語の映画なので、英語の字幕を切れば普通に楽しめる。なにより価格が安い。画質はどうか?と思えるのだが、現状で日本版を持っていないので単純に比較はできないのが、今の高画質映画に慣れた目でも、「時代劇である」という背景を考えるとむしろ丁度良い感じの画質に仕上がっていると思う。時代劇があまりに鮮明でもどこか違和感がある。

 

公式らしき動画が見当たらないので動画は貼らないけれど、色々と探してみて欲しい。今見てもチャチな感じはまったく見られない。大魔神の堂々たる姿、そしてカメラアングルが大魔神の神聖でありながら絶対的な恐怖を見せてくれる。悪・・というよりは、神に背くものに対する圧倒的な「天罰」としてその破壊力を見せてくれる大魔神。普通のヒーロー映画なら、どこかでヒーローのピンチが訪れたりするものだが、大魔神には一切そういった描写が無い。とにかく圧倒的な強さ・・というよりは怖さなのだ。

細かく凝っている要素として、その表情がある。普段は埴輪を模したと思われる柔和な顔が、怒りと共に腕を下から上に顔を隠すように上げられ、憤怒の表情に変化する。この動作が小学校の時に流行ったのはプチ思い出でもある。また、この「憤怒の表情」がメチャメチャ怖い。昨今のように恐怖の表情は色々な種類の映画で見られるが、正に「神の憤怒」と言えるのはこの大魔神くらいじゃないだろうか?正直、当時子供の僕には、夜中に思い出して外に出られなくなったり、夢に出てきたこともあるくらいの怖さだった。

 

ちなみに、大魔神の身長は4.5m。思ったよりも大きくないのが良い。これは画面でのリアリズムを考えて決められてようだが、そのおかげか、特撮がまだ出始めた頃にしては画像の違和感が少ない。また、舞台が山などの自然、または城下であったこともあってこの身長が周囲の建造物や自然とのマッチングが良く、全体的なリアリティを上げていると感じる。そして、そこが恐怖のポイントにもなっている。とにかく、「作りモノ感」やチープな感じがしないのは、入念に作られた大魔神の大きさなどの造型と、背景などの構造物のリアリティ、そしてストーリーを真面目に作ったおかげであると思う。時代劇という慣れた舞台を設定したのも功を奏しているのだろう。

 

このシリーズは1966年に大映が三部作として作成されている。悪しき権力者に虐げられる農民、そして彼等が命を落とし、神に祈りを捧げる。更に調子に乗った権力者たち神をも冒涜し始める。そしていよいよという場面で今まで「動かぬただのシンボル像」だった大魔神が動き始めるのだ。

1966年といったら僕は3歳。おそらくリアルタイムでは劇場で観ておらず、テレビ放映かビデオだろう。調べてみるとビデオ化がされているのが1981年、多分見ているとしたらずっと前なのでテレビ放映なのだと思う。ただ、調べてみてもいつ放映があったのかはすぐに分からなかった。

 

僕が初めて劇場で観た映画は「STARWARS」である。もちろんその驚きと感動は今もシッカリと残っている。だが、例えば、先日の「ガメラ」、ハリウッドにも進出した「ゴジラ」、小粒ではあるが「妖怪大戦争(1968年)」もかなり見応えがあった。昨今の「映像さえ美しくてハデであれば・・」みたいな映画に比べたら、何十倍も楽しめる作品だと思う。ここのところガッカリさせられる映画が多いので余計にそう思うのかも知れない。まあ、時代劇を見慣れている僕らの世代の方が取っつきやすいのは確かだとは思うが。是非、この「大魔神」の恐怖をご堪能あれ。