南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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荒川土手を初めて歩く(カメラを持って出掛けよう)

医師から「もっと歩くように」との指示が出ていて、まあ、足を庇うこともあってあまり出掛けられないでいたわけだが、そうもいかない。たまたま今日は、用事で早朝の赤羽駅に降り立った時に、フト「あぁ、東京に来てから荒川土手を一度も歩いたことが無いなぁ・・」と思いつく。

ということで、その前にせっかく赤羽駅に降りたのだからと「赤羽自然観察公園」を見て、そのまま荒川土手を歩いてみようと考えた。幸い、今日はカメラも持っている。

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案内図はこんな感じ。思ったよりも広くは無いが、園内に「農家探検館」というのがある。これにちょっと興味があった。父の実家を思い出したからだ。

外から見るとこんな感じ。流石に父の実家は藁葺きでは無かったが。

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で、中。これがねぇ・・父の実家がちょうどこんな感じだったんだよね。土間があって、板の間と畳の部屋があって。広さもこのくらい。暗さも。ここには展示用の灯りがあったので思ったよりは明るかったのだが、こんな雰囲気を持っていたのを覚えている。この歳になると最近のことはあまり覚えていないのに、昔のことはよく覚えている。

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釜。ご飯もこれで炊いていた。これ以外にも「五右衛門風呂」というのをご存じかな?釜の大きなものが風呂だったんだ。ただ、底は鉄板なので熱い。だから板を下に敷いて入ったものだ。もちろん板は浮いてしまうから浮かないようにシッカリと乗ってね。懐かしい。まだ僕が小学生の頃だ。

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管理のおばさんが掃除をしていたので、光の加減などはあまり調整する余裕が無かったので、少し不自然に写っているかも知れない。

軒の藁はこんな感じ。流石に僕が小学生というと・・40年以上前のことだけれど、板張りかスレート、または瓦だったので、この光景には馴染みが無い。しかし、このなんとも言えない懐かしさと温かさは何だろうね?今の家がとても無機質で冷たいもののように感じてしまう。

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さて、ここはこれくらいにして、荒川土手を歩いてみよう。コースは比較的自宅に近い場所を選んだのでこんな感じで。本当は荒川日ノ出町緑地があるところを歩きたかったのだが、流石にそこまで出掛けるのも大変。ということでここを選んだ。帰宅するのにも丁度良い。

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4.6kmというと、僕が中学生の頃、自宅から中学校までが4.2kmだったハズだ。そこは自転車だが、それよりもちょっと長い。予想時間は1時間ほど。ただ、今回は「杖無しで、ユックリと歩く」ことを目的にしている。これは、「僕がちゃんと自分の足で歩けるうちに踏破したいから」ということである。人が多いところだと歩きスマホやら混雑やらでぶつかる人が多いので杖は必須だ。しかも、平日の土手なら人は少ないだろう。この足も今は杖だが、そのうちに杖の補助だけでは歩けなくなるだろう。その前に歩きたかったのだ。自分の足で。そのため、足への衝撃を考慮しつつユックリと歩いたので、実際には2時間近くを要した。

今日を選んだのは気候のこともある。曇りでそれほど気温が上がらない。熱中症の心配も少ないし、汗でグシャグシャになることもない。寒くも暑くもなく、直射日光が当たらない今日は、歩くのにはちょうど良いと思ったからだ。

ということで「初荒川土手」。微妙にウキウキ。

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遠くに川口市の高層マンションが見える。こうやって見ると川口市も「都市」の様相だよなぁ・・と感じる。

まあ、ただ慎重に歩いていただけでもなく。周りの自然も楽しみつつだ。

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これはススキの一種?微妙に開いているのもあるが、それは見た目「ススキ」だ。

そう言えば、鳥が凄く少ないし、虫もあまりいないな・・都心に近いから?と気が付いて探してみると、テントウ虫を見付けた。

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小さい頃にはこうやって虫を探したり追いかけたりしたものだが、最近はどこも都市化が進んだせいか、めっきり虫を見なくなった。ゴキブリさえ見ない。

テントウ虫はしばらく眺めていたら飛んで行ってしまった。

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この小さな綿のような花・・というか種か。これはなんだったろうか?タンポポだともっと大きくてこんな感じだし。

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そんな感じで約2時間、やっと橋に到着。そう言えば橋を自分の足で渡るのも初めてだよなぁ・・と、途中で立ち止まってしばらく眺めていた。

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実家近くには「太田川」という川がある。地元では校歌になっているほどの有名な川だ(当たり前だが)。(^_^;)

太田川に掛かる橋は700mだったハズだ。川は同じようにそれほど幅は無いが前後に荒川と同じようなグラウンドがある。その風景を「何となく似ているな」と感じつつ、昔は木々が生い茂り、カブトムシを探しによく入ったよなぁ・・なんてことを思い出した。昔のことはやっぱりよく覚えている。

で、流石にそれよりは長いよなぁ・・と思って調べてビックリ。519m。そう言えば、太田川橋もしばらく足で歩いてない。今度帰省した時に歩いてみるかな?と感じた。

しかし、水流は濁ってあまり綺麗じゃないな。でもきっと、これでも以前よりは綺麗になったんだろう。流れを見ているとそれほど深く無いのは分かる。太田川と同じくらいかな?深いところで2〜3mという感じだが。しかし、ちゃんと調べてみると、3m以上の深さの部分がかなりある。泳ぎが得意でも、場所によっては川の流れはなかなかの速度と圧力がある。

 

と言うことで、早朝に赤羽駅に降りたってから自宅まで約6時間。休憩を数度入れたがほとんど歩きづめの一日であった。でも、足の痛みはともかく、こうやって人のいない、風が水の匂いを伴って流れる場所は良いね。杖も使わないで自分の足で歩けたという確かな満足がある。しばし都会の喧噪も忘れてリラックスした時間を過ごすことができた。まあ、明日、筋肉痛で起き上がれるのか心配ではあるが。