南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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仕事が楽しいという幸せ(オートレーサーの我が叔父)

昨日実家に帰省して本日。久し振りに高速道路を延々と運転したら流石に疲れた・・というか、アクセルを踏んでる右足が筋肉痛ってどれだけ運動不足なんだ?ってな感じではあるのだが。

 

ということで、本日は実家で親孝行。とは言え、僕だって既に50代ではあるのだが、やはり「親はいくつになっても親」であるわけだし、父を亡くした時に「親孝行は生きているうちにしかできない」というのを痛感したというのもある。田舎の空気に囲まれてノンビリ・・これはこれで悪くない。ヒマだけど。

 

そんなゴールデンウィークの実家で、昨日、下記の記事を読んだことを思い出した。

getnews.jp

あぁ、みんな考えてることは似たようなとなんだな・・とその時に思った。その時はそれだけ。そうそう「仕事を楽しめる」なんてのは少ないし、あっても短い期間なのが現実的大多数だろう。まあだからこそ、残りの人生が少なくなってきた自分が慌てて現実的な「人生」を考えるにいたるわけだが。

 

そして、今日。母親が嬉々としてオートレーサーの実況番組を見ている。あぁ、そうだ。今日は叔父のレースがある日だったよな、と気がつく。叔父は60代にとっくに突入している。元SMAPの森且行選手が芸能界を引退してオートレーサーになり、そして世界GP250で活躍していた青山周平選手もがオートレーサーとなった頃に話題になってテレビでも取り上げていた。そう言えば、最高齢のオートレーサーである谷口武彦選手が昨年テレビで紹介されたこともあったっけ。 

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谷口さんを僕は幼い頃から知っている。もちろん、叔父の先輩にあたるからだが。先日もテレビで見た時に、とても73歳とは思えない溌剌とした様子を見て少し嬉しかった。

 

で、今日である。叔父は最近は怪我の影響もあってそれほど成績は良くない。今日もあまり良い結果では無かったのだが、その時に母親がポツリとひと言。

「走るのが楽しくてしかたがない」って言ってたからね。結果はあまり気にしてないみたい。

と。それは知っていたけれど、母親のこのひと言で、「そんな思いで仕事ができている人がどのくらいいるのか?」と思った。同時に収入もそれなりに高い。正直なところ「羨ましいな」とも思った。

叔父は僕が若い頃に「オートレーサーの試験、受けたら?」とよく言っていた。僕は背が低く、当時は普通体型で体重も軽かった。バイクレースもしていたし、子供の頃からバイクがいつも近くにあった。もちろん今でも大好きである。つまり条件が良かったのでもある。ただ、その時には既に勤めていたし、その勤め先もいわゆる「超安定企業」でもあったから、悩みはしたものの誘いには乗らなかったのであった。

 

そして今。そろそろ潮時かなぁ・・と退職の日が近付くにつれ、あの時に叔父の誘いを受けてたら違っていたのかもな・・とも思う。タラレバは愚かだと思うし、その時の選択が今の自分と環境を作っていることは理解も納得もしている。今は今で幸せだと思うから。それでも、母親のこのひと言で叔父の走る姿が輝いて見える。僕が届かないほどに。

その叔父も「趣味を仕事にすると辛くなる」と言いつつ、今の仕事は拘束時間も少なく、空いた時間とそれなりに豊かな経済力で楽しく人生を送っている。なかなか手に入れられないものを、叔父は既に持っている。この先、僕にもそういう瞬間が訪れるのだろうか?

まあ、訪れるよう無理しない程度には頑張らないとな・・と思うゴールデンウィークでの実家のひと時である。