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南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

日常生活で思うこと、電子ガジェット、オーディオ、映画、小説を紹介するサイトです。

YAMAHA NS-F500を迎えて300時間

ホームシアター

なんか「母を訪ねて三千里」みたいなタイトルだなぁ・・なんてことを思ったり。今日もどうにもハッキリしない天気で、同時に花粉が徐々に減りつつあることを感じる朝。花粉症の、いわゆる「モーニングアタック」も最近は無くなってきた。やっと苦しい季節からの開放である。

 

さて、フロントをSony SS-CS3からYAMAHA NS-F500に変えて約300時間鳴らしてみた。そろそろ感想を書いても良いかなぁ・・と思い始めたので書いてみることにする。

利用用途

SS-CS3の時にも書いたのだけれど、その利用用途である。ウチでは基本的に映画が全体の8割くらい。音楽は2割くらいである。それはまずは映画をたくさん観ること。家人も含めてウチは二人とも働いているので観られる時間は限られてくる。それでも、年に400本くらいは観る。逆に言えば音楽をかけているのはBGM的な要素の方が多く、ジックリと聴くのは休日などに僕が使う場合くらいである。音楽は基本的に外で聴くことが圧倒的に多いのである。そのためにポータブル機器にはそれなりにお金をかけてあって、今回買ったF500よりも使っているイヤホンの方が遙かに高額だったりする。

一応構成を書いておくと以下。

  • フロント:YAMAHA NS-F500
  • センター:YAMAHA NS-C210
  • リアサラウンド:YAMAHA NS-F210
  • リアサラウンドアップ:YAMAHA NS-B40
  • サブウーファー:YAMAHA-SW210
  • AVアンプ:YAMAHA RX-V575

これを見ても分かると思う。基本的に全体としては低価格製品でバランス良く映画を観ることを主眼に置き、音楽はF500をアンプの「DIRECT」モードで2ch再生するようにしている。

ではまずは映画を観てみる

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正直なところ、7.1chで映画を観る分にはCS3と大きな違いを感じ無いと当初から思っていた。実際に、同じ位置にポン置きしCS3で使っていたセッティングをフラットに戻しただけだと映像に集中する要素の方が大きくて、ハッキリとした違いを感じはするものの、映画視聴そのものがワンランクアップ!みたいな感じはない。

逆に言えばCS3の時にかなり試行錯誤してセッティングを詰めた経緯もあるのだけれど、そもそも役者の声のほとんどはセンターが担っている。フロントが格上げになったこともあって、センターをアンプ設定で切って再生してみたが、やっぱり格安でもセンターを使った方が音場が綺麗に広がった上で言葉を拾いやすくなる。まあ、センターも安物であるが故にフロントに合わせたセッティングにしてあるのだが。まあ、この辺は以前に書いたエントリーでも紹介しているのであまり細かくは書かないが、サラウンドもそれぞれ「個々のスピーカーが主張しない安定した音場」を目指してセッティングしてあったからだ。それが今は微妙に崩れているのを感じる。ここはこれからの作業だろう。

それでも「差」そのものは感じる。背景に流れる音響効果のリアリティが上がっているのが分かる。ただ、それ以上に感じるのは映画全体を漂うように流れる音の質が上がっている方が大きい。まあ、それも映画への集中を解いて耳を澄ませば・・ということなんだけれど、映画の質の向上としては大きな要素だろう。

そう言えば、ピアニストの故羽田健太郎さんが、「映画における音楽の効果」という実験的なコンサートがあって、聴きに行ったことを思い出した。映画が発する個々の「物の音」とは別に、BGMとして流れる音楽がいかに重要であるかを、実際に映像に自分のピアノの伴奏を付けて紹介してくれた。伴奏が変わるだけで映像そのものの雰囲気があまりに変わることに驚愕したものだ。今回はその精度が上がったということだろう。つまり、問題は僕の家の環境に合ったセッティングだ。

最初に戻るが、映画を観ている限り、CS3と大きな差はないと感じる。ただ、これは観る映画にもよる。SFなどでドカドカ音が至るところで飛び跳ねるような映画だと差はあまり感じ無いが、静かな情景をジンワリと楽しむようなシーンだと映画全体の「場」の雰囲気が映像に即した良質なものに変わり、結構な違いを感じる。また、ミュージカルなどでも違いはそこそこ顕著だ。まあ、これは当たり前でもあるのだが。

ここまでで感じたのは、エージングもほどほどになったし、これから全体のバランスを重視することを考え、もっとF500のセッティングを詰めるべきだと言うことだろう。それはおそらくCS3でやったことと同じような作業を繰り返していくことだ。セッティングはスピーカーの配置が特に重要だが、こちらには部屋の制約がある。後は個々のスピーカーの繋がりを良くするためにイコライジングと左右の音量の微調整、先日のサブウーファーの件もあるので、配置も動かせる配意で色々と試してみている。特に低域の調整はかなり難しいなと先日痛感したこともある。映画での音場は低域の質がとても重要であることも同時によく分かった。これから細かくセッティングを始めるが、楽しみでもあるのは間違いない。

音楽を聴いてみる

映画では大きな差は感じなかったが、音楽は一聴してまったく違った。もちろんエージング前は低域が固くて量が少なかったのが、とにかく透明感の高い高域、明瞭な中域が曲にかかったベールを2〜3枚剥がした感じだ。CS3はこれが弱かった。なのでついアンプのエフェクトをかけたくなったものだ。これに大きく貢献しているのは、ユニットそのものもそうだろうが、スピーカーのキャビネットなのではないかと思う。

YAMAHA フロアスタンディングスピーカー NS-F500の特長

http://jp.yamaha.com/products/audio-visual/speaker-systems/floorstanding-speakers/ns-f500_black__j/

奥行きが長く、高剛性のキャビネット、内部でスラントパーティションが余計な共振を抑えているとサイトに説明がある。これが「音の濁り」を低減させているのだろう。

300時間経ってみると高域のエッジは解像度はそのままに若干丸くなりバリ付き感が減り、中域の明瞭さは落ち着きを加え、低域の量感はかなり増した。それでも量販店で何度も試聴したものよりは低域の量感は少ないと思える。だが、足りないということはなく、むしろこのくらいが好みだ。これは量販店でのアンプや試聴環境によるものでもあるだろう。個人的にはこれ以上はいらいない。NS-F700を選ばずにF500にした理由はここにある。僕にはF700はブーミーに感じてしまうのだ。

ここまで良い感じで鳴ると専用のプリメインアンプを試してみたくなる。今使っているAVアンプのこのシリーズには音楽ソースを聴く時に、不必要な回路への電流の流入によるノイズを低減させる「DIRECT」モードがある。それでもおそらく同価格帯の専用のプリメインアンプに比べたら落ちることは容易に想像できる。まあ、試してみないと分からないし、それよりも部屋そのものの影響の方が大きい気もするが。

想像通り、音楽を聴くとCS3とは雲泥の差がある。YAMAHAらしい柔らかく繊細な音。ピアノや弦楽器は実に美しい。パーカッションや金管楽器類などは他の高級機には敵わない印象があり、Jazzなど個別のジャンルを上手く鳴らすスピーカーならもっと高額で良いものがあるのは承知しているが、この価格帯でオールラウンドに別々のジャンルを高いレベルでこなせるのはちょっと凄いと思う。

「音は好み」である。それはポータブルオーディオ機器を語る時にいつも言っていることだけれど、僕と家人はこの「YAMAHAの柔らかくて優しい音色」がとても好きだ。

設置について少し

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実際にものを見てもらえば分かるが、奥行きが約35cmと、かなりある。ちなみに横幅は22cmだ。それは音質のためであることは理解しているが、これを床に置いて、リアにあるバスレフポートを考慮して壁から離すにはそれなりに拾い部屋がいる。現在設置している部屋は8畳間だが、ちょっと狭いと感じるくらいだ。これは買う前に一番悩んだ点でもある。まあ、とりあえずポン置きの時にちょっと試してみたが、最低限2.5mの視聴距離を稼ぐのにギリギリだった。自宅は8畳間の二つをぶち抜いてあるので、ソファを少し後ろ(隣の部屋にズレ込む)に設置し直してギリギリ。音楽や映画の専用の部屋を持てるような家であれば良いが、狭い部屋で使うのには勿体ない・・というか、現実的ではないだろう。

おわりに

前にも書いた通り、本当は最初からこいつが欲しかった。ただ、部屋の事情と当時のフトコロ事情があって、その上でSony SS-CS3を視聴した際に思ったよりもずっと良かったこともあってCS3を購入したという経緯がある。その時にもとりあえず自宅ではあまり音楽を聴かないよね?と家人と同意してである。まあ、その家人も丸一日使って色々な機種を試聴し、F500が良いねとは言っていたのだが。

結局、1年はCS3でと思っていたが、実際にセッティングを詰めると思った以上にCS3は良くて、なかなかF500を買わなかった。あくまで映画を観る上でではあるが。特に、CS3は音場が広がって「スピーカーが鳴ってる」というのをあまり感じ無い。そういう意味でも映画向きだろう。値段を考えると用途は限られるがとても良いスピーカーだと思う。もちろん音楽重視の方には勧めないが。

F500は、ずっと価格コムと睨めっこ。古い機種であるからこれ以上はあまり下がらないと思いつつ、新機種の発表と在庫切れ(これで何度悲しい思いをしたか)とのタイミングで価格が下がるポイントがある。これは白物家電でも同様だと思う。結局、今のグラフを見てもタイミングを間違って無かったと思う。買った価格は書かないが、今の価格コムの最安値よりも更に安かったタイミングで買えた。今では映画と音楽の割合は、映画6割、音楽4割くらい。映画はいつものペースで見ているので、音楽を鳴らすことが増えた結果だ。そう、家でゆったりと音楽を聴く時間が増えたことを実感できる。良い製品だと思うし、だからこそ息の長い製品だとも思う。

追記

しかし、どうして量販店のYAMAHAの店員ってあんなに対応が悪いんだろう。ほとんどいないから試聴したくてもできないし、たまにいるのを見つけても挨拶もしないし、スピーカーの接続を変えてもらえませんか?と頼んだら、裏に回る際に「チッ」って。帰る時に「お手数をおかけしました。ありがとうございました。」って言ったら無視。

結局、他の量販店に行った時に、例によって店員不在だからって、他社の方があれこれ設定を変えてくれて購入を決めた。どうにかした方が良いと思うよ、YAMAHAさん。それと、下位機種をこき下ろして高いのを買わせようとするのもやめて欲しい。せっかく製品は良いのに。