南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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3D VRヘッドセットを試してみた

昨夜は今一つ寝付かれず、結局、Appleの発表を見てしまった。で、このエントリーを書いているのだけれど、もしiPhone SEにしたらもっと小さい画面になるんだよなぁ・・と思うと少し悩ましい。

 

確か、Ocurus Riftの開発者バージョンを買ったのは、発売が開始されてすぐの2013年。その時から何度か同僚が色々とテストしていたのを使って評価したくらい。

当時からサイドバイサイド方式だったけれど、今はスマホを使い、簡易なVRゴーグルが安価にたくさん販売されている。正直なところあまり興味が無いのだけれど、あまりに安価(3,000円くらいで買える)なので買って試してみた。

買ったのはこれ

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スマホをベースにするというだけで、後は特別な条件は無かったこともあってこれにした。僕があまり興味を示さなかったのは、画像だけをVRにしても「体験」として考えた場合にはかない物足りないと思ったからだ。バーチャルリアリティと言うのであれば、視覚意外に身体に感じるG(重力)やその他、五感に訴える必要があるだろう。なぜか最近はVRビューワーばかりに焦点が当たっているのは、「そこに商機があるから」だろうが。

実際にスマホを入れてみるとこんな感じ。見て分かる通り、iPhone6sだと少し小さい。6plusが手元に無いが、実際にはもう少し大きい画面サイズの方がシックリくるだろう。実際、見ていると両脇にiPhoneのホームボタンや隙間が見える。

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サイドバイサイド方式なので、Youtube画像などの場合にはこういった感じで画面が表示される。アスペクト比が違う画像が多いので、適したものを選ばないと間延びした感じになる。

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また、もう既に終わってしまったようだが、ホンモノに近いVRを「体感」するのであれば、こういうイベントもあった。

pc.watch.impress.co.jp

ただ、単にビューワーとしてみたのなら、ゲーム用途や単なる動画鑑賞などにはある程度期待にそぐえるものができるだろう。しかし、Sonyが以前に出したヘッドマウントシリーズは画素数、視野角ともに不足していて「20m先に750インチ相当の大画面」と謳われたものの、実際に3D映画を流してみても「大画面」という感じは無かった。やはりゲーム用かなぁ・・と思ったものだ。事実、今回発表された「PlaystationVR」はゲーム特化型として考えて良いだろう。OcurusRiftとの棲み分けがどの程度されるのかは疑問だが、少なくともPS4を使う方には魅力的な製品に見える。ただ、発表会においてはシネマモードにも触れており、今後に期待だろうか。SonyはHMZシリーズの頃から音響も同時に熟成を進めているのも強みだろう。まあ、これも試してみないとなんとも言えないが。

www.jp.playstation.com

av.watch.impress.co.jp

映画館のVR

他にも映画館に導入されているVRシステムもある。

www.cinemasunshine.co.jp

www.tohotheater.jp

MX4Dは実際に試したことが無いのだけれど、シートの動きなどの各要素が豊富なようだが。ただ、4DXの方が熟成されているのか、映画のシーンとのマッチングは上でないか?という意見を友人から聞いた。

個人的にだけど、こういったVRシステムは映画の場合はその種類を選ぶと感じた。ある意味当たり前なのだが、アクションならアリ。それでも、座席が揺れた瞬間に映像をしっかり観られなくて、僕自身は映画にそこまで必要あるのか?と疑問を持つ。遊園地のアトラクションやゲームならともかく、映画は今のIMAXで充分に思う。VRは没入感を高めるものなのに、現時点でのこれらの仕組みはまだそこまで到達していないと感じる。返って映画から意識が外れることの方が多い。しかも、値段がかなり高いこともある。シート数が少なく、仕掛けにかかるコストもかかる仕方がないが、現時点の品質ではそこまでコストを掛けるメリットはあまり感じなかった。

VR用ビューワーアプリ

さて、このビューアー用の動画に話しを戻そう。Youtubeだと「yt3d」で検索するとサイドバイサイド方式の動画が出てくる。ただし、これを楽しむだけだとあまり面白く無い。実は、Android版のYoutubeアプリには普通の動画をサイドバイサイド方式に変換する機能がついているのだが、iOS版にはないのも残念だ。メーカーのライバル的なものもあるのかも?と疑いたくなってしまうが、これも近いうちに対応されると信じたいところだ。

 

で、肝心のiOS側のアプリだけれど、いくつか試してみたが、以下を選んでみた。

geo.itunes.apple.com

これ、お試しは無料でできるが、時間制限がある。実用的に使おうと思うと課金が必要になる。「Ultimate Edition」だと720円。おそらく240円の「Micro Player」でもできるのかも知れないが、それほどケチる額でもないかなと思うのと、これから色々と実験するのならと「Ultimate Edition」を選択した。

使い方はFacebookやYoutubeにもあるので参考にして欲しい。画面の形状や3Dの方式、スペクト比、360度の場合のホームポジションなども細かく設定できる。まだまだ試していない設定もあるので、それはこれから徐々に試してみよう。

 

これの良いところはBlutoothなどのコントローラーが無くても設定などの操作ができる点だ。視点の中心にカーソルがあり、それを設定アイコン等に移動させることによって機能を選択できる。この手のヘッドセットはいちいちスマホを取り出すのはかなり面倒だ。このプレイヤーを選んだのはこの点にある。もちろん、ゲームをするとなるとコントローラーが必要になるとは思うのだが、その場合は今の時点であればAndroidの方が選択肢があるだろう。

また、こういったタイプのヘッドセットの場合、3D動画を作成するのにはPC用のソフトが必要になる。今のところMacでは良いソフトがなく、Windows版が実用的だと思われる。僕の環境は基本的にMacなので、この辺はもう少し待ちたいところだ。

ちなみにこれ、2Dでの動画も鑑賞できる。つまり普通に映画を観ることもできる。ただ、視野角90度程度で何百インチと言われても、昔のSonyの機種のようにピンと来ない。家の47インチのテレビと同等かな・・という印象だ。画面が視野からはみ出るくらいにすれば結構な大画面だが、映画を楽しむのなら画面が切れているのはマイナスだろう。

ただ、もちろんメリットもある。試聴ポイントと言ったら良いだろうか。頭の方向の先に画像が来るようにあらかじめ設定できるところだ。正面だとか斜め上だとか。これによって寝転びながらでも動画が観られる。これはなかなか便利だと思った。まあ、2Dだともっと簡易なものでも可能だとは思うのだが。

とりあえず1時間ほど触ってみて

現段階でもちょっと遊ぶには面白い。ただ、CGなどのジェットコースター画像はすぐに飽きるだろう。この手のガジェットは「コンテンツありき」であることを改めて感じる。まあ、3千円ほどの安物でもあるし、実際にPS4のVRヘッドセットやOcurusRiftに比べたら雲泥の差がある。ただそこは、「何に使うのか?」に寄ると言って良い。ゲームをやるのなら、まだ未経験だがPS4 VRヘッドセットだと予測が付く。何しろコンテンツとの連動、コントローラーとのマッチングを考えたらそれ以外の選択肢は今のところないと想像する。また、価格なりのところもあって、これでも3D酔いはする。というか、2Dでも長時間の視聴には向かないという印象だ。これはスマホの画面サイズの問題なのか、設定の問題なのか、それともスマホのフリッカーレート?のせいだろうか。単純に自宅で3D映画を楽しみたかったら、3D Blu-rayで観た方が映像も滑らかだし、3Dの度合いも高くて見やすい。まだまだ試すことは多そうだ。

ただ、ちょっと試してみたい・・そういう向きにはこのヘッドセットはなかなか良くできていると感じた。それから、ダンボール製のものも多く出ているが、視点の調整、目の感覚の調整ができないものは選ぶべきではないというのが実感だ。今回、実際に使ってみて、その辺がしっかり調整できていないとあっという間に「3D酔い」を起こす。

まあ、まだまだこれから製品でもある。色々と試してみつつ、成長を見守るべきなのであろう。