南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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自分の目で確かめて買うべし!(4Kテレビ)

先日の「ハイレゾ対応」のいやらしさを書いた時に、4Kテレビのことをフと考えた。以前のAV関係のエントリーにも書いているし、もう少し掘り下げて見ようかなと思う。自分に合ったテレビは何か?ちなみにウチのは2Kの47インチである。

 

まずは「4Kテレビとは?」だね。ちょっと調べればたくさん出てくるし、今は誰もがスマホを持っているから解像度の話しは理解できるんじゃないかなと思う。

kotobank.jp

 

んで、まずは「人間が認識できる解像度とは?」について書こうと思う。真っ先に浮かぶのがiPhoneのRetinaディスプレイ。確か謳い文句は「ピクセルの細かさを人間の網膜では認識できないディスプレイ」であった。ネットを色々と探してみると、実際に人間がこの「ピクセル」を認識できるのは概ね300ppiとされている。iPhone 6/6sの解像度は326ppi。もう目をくっつける程にディスプレイを見てもまだ余る。

 

じゃあ、今のフルHDとか4Kテレビはどうだろう?と考えると、これには視聴距離の問題が出てくると思い当たる。スマホはすぐ近く・・40cmくらい?老眼の僕だともう少し離すかも。(^_^;) 

テレビの視聴距離で良く言われるのは「テレビの縦の長さの1.5倍」。ウチのテレビは47インチだから大体縦が60cm。つまり1.8mの視聴距離が最適だとされているわけだ。でも、これには異論を唱える人も多くて「もっと離れて見なさい!」と親に言われた子供の頃をちょっと思い出す。ちなみにウチはソファに深く腰掛けた状態で約2.5m。個人的にはこのくらいなかなと思っている。

 

さて、じゃぁ、この距離をppiで考えるとどうなるのかな・・と考え、どうやって計算すれば良いのか調べている途中でドンピシャなサイトを発見。

news.mynavi.jp

これを見ると、50インチ以下のテレビでは認識できる解像度に差が出ないことが分かる。実際に50インチ程度までは必要無いとして、どのくらいの家庭に50インチを超えるサイズのテレビがあるのか?これもちょっと調べてみたけれど、イマイチ分かり易いデータが無い。というのは。「50インチ以上、60インチ未満」という区切りが多いからで、こうなると大体の想像しかできない。まあ、少なくとも47インチを2.5mで見ているウチは4Kは関係ないってことで。なんか「4K」って言葉だけが一人歩きをしていて、完全に商戦のキーワードになってしまっているのがちょっと気持ち悪いなと思って。これが先日書いた「ハイレゾ」にも通じるわけだ。

 

さて、テレビの画像を美しくするための技術は解像度だけじゃない。昨年中盤辺りから注目されている技術に「HDR(High Dynamic Range)」がある。

trendy.nikkeibp.co.jp

まあ、4Kを「時代遅れ」と評するのもどうかと思うけれど、これは名前の通りダイナミックレンジを向上させることだ。分かり易く言うと、黒はもっと黒く、光はもっと明るく。つまり、階調表現が豊かになり、映像のリアリティが増す。今後はこの辺りも重要になってくる。また、それ以外にも2Kを4Kにアップコンバートする技術とか色々とあるけれど、今回の趣旨はそこじゃないのでこの辺で割愛。

 

さてさて、テレビを買う時の決め手は?と訊かれたら、価格や大きさ以外に「使い方」を思い浮かべませんか?

 

普通に放送されている番組を見る人、僕のようにほとんどBD/DVDしか見ない人、ホームビデオの鑑賞に使う人、PCディスプレイに使う人・・色々と用途はあると思うし違うものだろう。ここは基本的に僕のパターンで行こう。「BD/DVDで映画鑑賞を主として使う人」である。

 

映画鑑賞に必要な技術として、解像度とHDRには触れた。それと同等に大切なことは、映画は「動画」であると言う点だ。ここで大切なのは一般的に言う「倍速駆動」と「フレーム補完技術」であると思う。最近はこれらの言葉はメーカーや、メーカー内でも機種や世代によって言葉を変えているのでちょっと分かり難い。この辺は統一して欲しいところでもあるが、きっとその技術要素にも微妙な違いがあるのだと思う。

 

では映画はどうか?映画は24fps(1秒間のフレーム数)、テレビは29.97fpsである。

この辺に理由が紹介されている。

studyingmovie.blog75.fc2.com

 

僕が若い頃、会社の研修で「『動画』と言えるのは30fpsからである」と教えられた。その是非はともかく、テレビに比べて劇場で観る映画が微妙に動きに弱いことが分かる。これは実際に認識している人はかなり多いだろう。テレビだと人や物の動きは割とスムーズに流れるのだが、劇場で観る映画は速い動きには付いてこられず、残像のようにコマが見える。これをテレビで更に高速にしたものが「倍速駆動」や「フレーム補完」だ。つまり、動きがもっとスムーズでヌルヌル?した感じになる。素早く空を飛ぶ宇宙船や格闘シーンなどは実に滑らかになる。

しかし、倍速はこれだけじゃない。映像的には止まっていても、実際には画面内の映像は微妙に動いているものである。うまく言えないが、これにも大きく影響されて、例えば細かいものの解像度が数段上がったように感じる。役者の皮膚感、建造物の質感などである。これがとてもリアルになる。額から滴る汗、表情の細かいシワ、髪の毛1本の質感の向上である。これを最初に見せられた時には驚いたものだ。

 

では、倍速は良いことづくめなのか?

 

と僕が問われたら、「好み」だと答える。これはあくまで僕の感想だけれど、「映画っぽさがなくなる」感じがある。人によっては「ハンディカムで撮ったような映像」と言う人もいる。なのでこれはもう実際によく観る映画のタイトルを持って行き、量販店辺りで試聴してみるしかない。

 

ちなみにウチは「倍速駆動」を利用している。最初は違和感があっても、この状態でいつも観ているとそれが普通になる。安っぽさも感じないし、スピード感のあるシーンでもコマ送りしたような動作がない。この状態で倍速を切って観ると、確かに昔懐かしい映画っぽさは出るのだけれど、古くさい映画を観ているような気分になる。俳優の細かい肌の質感もボヤけてしまう。だからウチは「好みとして」倍速駆動を使っている。

 

最近、4Kテレビが非常に安価になってきた。8Kが噂されたこともあるが、思った以上の早さで低価格化が進んでいる。普及速度も一気に伸びるだろう。だが、個人的には価格で決めてしまうと後で絶対に後悔すると思う。自分の利用用途をよく認識した上で、できる限り自宅にいるのと同等の環境で同じソースで画質なりサウンドなりを何度も試してみることが必要だと思う。

4Kテレビがまだ高価格だった頃、安価な4Kテレビを買ってDVDを観て「やっぱり4Kはキレイだ!」と言っていた人がいた。その機種にはアプコンも何も付いていない。確かにその他の要素でキレイだったのだろうが、4Kである必要は何も無かったわけである。その頃にはいくつかの規格も整備されておらず、その後に早期の買い替えになったんじゃないかなぁ・・と想像したりする。

 

先日の「ハイレゾ」というキーワードに沸き立つオーディオ業界と同様に、4Kも商機としてのキーワードなのだろう。だからこそ、ものを見極める力と情報を集める能力、そして実際に試聴を繰り返して根気よく「自分の使い方に合ったものを探す」努力が必要なのだと思う。