南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

2015年を振り返って

気が付けば大晦日。時間は人生の総時間に対する割合と考えていて、そうなると歳を重ねるごとに時間の感覚は短くなるものだと認識している。いやはや、それにしても一年は早い。こういうブログを読んでいるのは比較的若い方かなと思うのだが、自分が50代をとうに超えていることに実感がないというよりは、違和感がある。特に今日のように実家でのんびりとしていると。

さて、今年一年をいくつかのジャンルで総括してみようかなと思う。大晦日らしく。まあ、あくまで個人的な感覚ではある。

オーディオ


今年も昨年同様、ポータブル系に偏った一年であった。今までは「イヤホンはどうやってもヘッドホンには敵わない」と思っていたが、音場を優先するか、細かい音を拾うか辺りで感覚が違うだろう。もちろん可搬性の問題もあるが、今年はカスタムIEMに集中した一年であったと思う。僕にとっては安い買い物ではなく、最初は10proリモールドから始まって色々な機種を試聴し、結局カナルワークスの「CW-L15」を購入した。昔はドンシャリが好きだったのに、結局、フラットな機種を選択したのも自分の中では興味深い。
カスタムIEMを使うようになると、耳に押し込むカナル型イヤホンは煩わしいだけの存在になり、唯一BOSEだけを購入しただけだった。実際、BOSE SoundTrue Ultraは素晴らしい。

DAPも色々と試した時期でもある。最初はDACアンプ、アナログアンプと色々と使ったけれど、電源管理の問題、嵩張ること、音質や使い勝手で「 Fiio X5 2nd」での単体運用に落ち着いた。ちなみに音には妥協していないつもりである。高額なDAPよりも個人的に「好きな音」を選んだ結果である。

家のAV環境も今年はかなり色々と変わった。テレビも32インチから47インチへ、静止画の美しさよりも動画の美しさで4Kは選択しなかった。いつも書いているが、倍速とフレーム補間の優秀さを選んだのである。
AVアンプは映画がメインであることから柔らかい音のYAMAHAの7.1chが使えるものに、スピーカーもフロントにはSonyを備え付けたが残りは全てYAMAHAに統一した。ちなみに、フロント、サラウンドはトールボーイだ。とにかくアンプとスピーカーのセッティングに時間がかかり、最終的なカタチに仕上がるのに半年以上を費やしたが、今はとても気に入っている。

ミュージックシーン


正直これはもう自分の趣味なので、実際に社会全体がどういう動きなのかはあまり関係ないのだろう。「ハイレゾ」という新たな商機を見出した各種メーカーが活発な動きを見せているが、実際にはこの流れが主流になるのはまだまだ先である。何しろちょっと前までというか今でも「音質はYouTube程度で充分」だというレベルである。
更に機器とソースの極端な高騰化。明らかに売り手は一般ユーザーの動きを読み間違えている。むしろ低ビットレートの低価格ストリーム配信がしばらくは主体となっていくだろう。ハイレゾも高級DAPやイヤホン/ヘッドホンを使うのはまだまだ一部のアーリーアダプタだろう。
日本の音楽シーンはアイドルが席巻し、まったく興味がない。歌手に個性が消え、歌とは違うところに商機がある。つまらないものだと思うのは僕の年齢によるものも大きいだろうが。今やカネを生み出すのは音楽そのものではないというのが悲しい現実だろう。ライブに一部移行しつつあるのがせめてもの良心のように思う。
洋楽は相変わらずヒップホップ、EDMが主流。だが、少し流れが変わりつつあると思う。Clean BanditやThe Weekend、PENTATONIXなどの新しい流れ、ADELのように歌で魅せる歌手がシッカリと生き残っているのが洋楽の良いところだろう。まあ、チャートの上位はやっぱりアイドル色があるのはどこの国でもある程度仕方がないが、音楽としての質には大きな格差がある。ヘタクソはチャートに上がれないのは正しい世界だろう。

読書


今年は古い作品を読み返すことが多かった。ここ数年、遠ざかっていたこともあるのだが、宮部みゆきさん、真保裕一さん、貫井徳郎さん、藤原伊織さん、貴志祐介さん、大沢在昌さん、伊坂幸太郎さん・・挙げるとキリがないか。この中では貫井徳郎さんの「乱反射」が最も心に残っている。
悪意の不在。個々の日常的なホンの小さなルールや道徳の逸脱が大きな事故に繋がる。誰も持たない責任意識。今の時代を象徴していると感じた。
ちなみにコミックもそれなりに読んでいる。その中では「宇宙兄弟」が頭抜けて面白いと感じた。他にも「ちはやふる」「僕だけがいない街」などや吉田秋生さんの作品が好きで昔のものを読んだり「海街ダイヤリー」も読んだ。
象徴的なのはKindleで購入した作品が圧倒的に多いことだ。もちろん電子化に反対されている小説家の皆さんも多く、それらは紙の書籍を仕方なく買ったのだが。

デジタルガジェット


今年PC系ってなんか買ったっけ?と考えて、Mac miniを買ったのを思い出した・・というくらい興味が無くなっているというか、それよりも使い勝手に集中した一年であったと思う。
元々ガジェット好きなので新しいものには常に興味はあるのだが、スマートウォッチは今の所期待外れ、タブレットはiPad mini2を買い換える必要性を感じず、iPhoneは大きいものは嫌いなのだが前のが壊れたので仕方なく6sを購入したというくらいだろうか。
買ったものの中で一番使っているのは当然iPhoneなのだが、便利に使っているガジェットというと「Microsoft Universal Mobile Keyboard」だろうか。キーピッチも、キーのタッチも素晴らしい。可搬性も蓋がそのままスイッチになっているしスタンドにもなる。ちなみにこのエントリーもiPhoneをこのキーボードに立て掛けて書いている。
そういう意味も含めてPC離れに拍車がかかっていることもある。多くの人はタブレットスマートフォンで充分なのだ。今更高額なPCを作っても使うのはハイスペックを要求するゲームかビジネスシーンくらいだろう。特にタブレットは買い替えサイクルの問題で販売数自体の動きはスマートフォンほどではないが、明らかにPCの立場を変えていくように思う。

自宅での日常生活


これはもう圧倒的に新しい家族が増えたことだろう。子猫が2匹。既に8ヶ月に育っていて、今は先住のルナ(5歳)よりも大きくなっている。ルナはとにかく手のかからない子で、人間の普通の生活リズムに合わせてくれる。それに比べると子供達は自由奔放。朝夕に大運動会をするし、人間などお構いなし。ゴミや机の上に置いた小物を取り出して遊んで無くしてしまったり、とにかく大変。
もうひとつは家人の転職だろう。あまり多くは語れないが全職場とのイザコザもあり、その後に退職。自分のやりたいことはなんだ?に悩み、考え、そして介護/養護の仕事を選択し「人のためになりたい」といういかにも家人らしい性格を貫くことになった。様々な訓練、資格取得の一年だった。新しい職場は年明けからとなる。さて、どうなるやら・・。
僕自身のことは、とにかく健康に悩まされた一年だろう。足の不具合から過度のストレス。結局、他人と触れ合うことに恐怖と怒りのコントロールができなくなり、今はしばらく休暇中である。このまま年度末まで持ち越してそのまま辞職するか、復帰するかで悩んでいるが、結局は自分のその時の身体の状態に寄るとしか言えない。健康状況は、まあ、年齢相応だろう。各種検査結果も悪くも良くもなく。他者より著しく劣るのは足の不具合だが、これはまあ致し方がない。嘆いても治らないのなら、悩む必要はない。
ただ、不思議と不安はない。結局、自身のスキル自体には自信もあるし、不肖の息子もそれなりに活躍している。家人もやっとやりがいのある仕事をスタートさせるのだ。良い材料の方がむしろ多いのだから不安に思う必要もないだろう・・と自分に言い聞かせている部分も微レ存。(^_^;)

社会に対して


なんかこれはとりあえず書き尽くした感がある。帰省で田舎に戻ってきてその思いを強くしているくらいだ。とにかく自分のできることを真面目に実行する。これだけだろう。自己中心的、近視眼的、情動的、この世知辛さが今の自分が感じている社会だ。何度も書いているが、社会は経済と宗教と個人の多くの奔放さで動いている。イチイチ心を痛めていたら身がもたないし心も病む。多くの人が「相利共生」に向かった未来づくりを意識した社会になることを懇願しているし、自分自身もそうやって律することだろう。
今思うのは、来年になって仕事を辞めるかどうするか。とりあえず年度末で辞めるつもりではいるが、どうも仕事の仕組みを変える動きが出ていて(上司が頑張ってくれてる)、それによってはもう少しいても良いかなとも思い始めている。収入が減るのはやっぱり困るしね。

国際社会や経済について


実は僕はブログでは書かないようにしている。興味がないわけじゃないというか、どちらかと言うと興味津々ではあるのだが、どうも僕のブログに合わない気がしていて。国際社会の動きというとあまりに幅広い。最近であればテロの頻発、格差社会、ユーロ圏の経済破綻の兆し、アメリカの弱体化による中国とロシアの動きだろうか。いずれにしろ鍵を握るのは中国だと思っている。来年も中国の動きを中心に追っていこうと思っている。
問題を日本に限定すれば少子高齢化に尽きるだろう。経済を世の中の中心と捉えても少子高齢化は国体の弱体化を意味する。対応策は苦笑するようなものまで様々なものが提案されているが、それぞれの権益やら団体との調整、他国との利害調整、僕になにか改善案があるわけではないが問題は山積している。まずは経済の活性化が大きな問題であり・・いやまあ、その辺はたくさんのサイトにあるからこれくらいで。

来年の目標

「戻らない過去に囚われない、分からない未来に不安は抱かない、全ては己の脳内での出来事であり、自身でコントロールが可能である。至誠に悖る人生を送らないために進み続けること。」だろうか。非常に抽象的ではあるが、要は個人でできることは実行する、できないことにクヨクヨしないということだ。
その辺を念頭に一年を過ごして行こうと思う。皆さんにとっても良い一年になりますように。