南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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ちょっとだけSony NW-ZX100を試聴してみた

足が悪いからって家にジッとしているのも良くはない。ということで、ブラリと秋葉原へ。JH13proを今まで試聴したことが無いってのもあって、13proの試聴ついでにZX100も聴いてこようと思った次第である。

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パッと手に持って思ったのは、「あぁ、これならポータブルだよなぁ。」である。重さも昨今のスマホと同じくらい。細長くて思ったよりも厚みがあるのは好き嫌いが分かれるだろうが、やはり片手で気軽に持って操作できるのがポータブルと言えるように思う。隣にあるX5よりも20gほど軽いが、下部が少しファットになっているせいか、持った時により軽く感じる。

ただ、その状態でボタンを押そうとすると若干ボタンが下に集まっているのがちょっと気になる。微妙に押しにくいからなのだが、ボリュームボタンは逆に右上にあったりして、特に右利きの人だと操作しづらい感触だった。

 

質感はSonyらしいと言っていいだろう。値段が値段ということもあるが、安っぽさは感じない。一体成形らしいボディは美しいなと思う。ボタンもそれに応じてデザインされたものだろうが、位置もそうだがその形状には少し疑問が無いわけではない。

タッチパネルが良いのか物理ボタンが良いのか好き好きだろうが、僕は物理ボタンが便利だと思っている。以前に使っているケースのことについても書いたが、ケースの上からでも本体を出さずに操作できるからだ。これは使い方にもよる。

他の人はどうか分からないが、僕は、最初に電源を入れ、聴きたいプレイリストを選んだら後は再生/停止、早送り/巻き戻しのボタンしか押さない。音量も基本的にゲインを揃えていることもあって触ることはない。ロックからクラシックへ・・みたいな時には最初にボリュームを触ることがあるが、その時にはケースのジッパーを少し下げてボタンを数回押すだけだ。あぁ、そうか。ちなみに現在常用しているのはFiio X5 2ndである。

 

ZX100のボタンを僕の使い方で考えると、物理ボタンの方向キーがパネル状になっていて、押しにくいなと感じる。まあ、これは慣れの問題もあるのだろうし、ケースを使う人はやっぱり操作するたびに本体を取り出すのだろう。それであれば問題は無いのかなと思う。

 

詳しいスペックなどはSonyのページや商品発表会のリポートを参考にして欲しいと思う。

av.watch.impress.co.jp

 

さて、音質へ。ここで一つ失敗。カスタムIEMしか持って行かなかったから。今更ながら手持ちのヘッドホンも持っていけば良かったと思った。なので、ヘッドホンをメインに聴いている方はあまり参考にならないかも知れないことをご勘弁願いたい。

 

まず、「DSEE HX」や「Clear Bass」はオフに。イコライザもフラットにしたんだけれど、最初からやたら高域に振った設定にしてあった。前の試聴者なのか、販売店なのか分からないが、こういうのは戻しておいて欲しいなと思う。

試聴の際にはやはり同じソースでと言うことでmicroSDにリファレンス曲を入れたものを入れる。すぐに認識動作に入るが、これは割と時間がかかる。まあ、どの機種も似たようなレベルではあるが、それは分かっているので2GB程度に収まるよう曲も選択しておいた。

 

とりあえずMaroon5の「V」から「Feelings」を選択。単純に直前まで聴いていたからだけど。(^_^;)

聴いてすぐに思ったのは柔らかい音だなと言うこと。精細感はそこそこ。高域は伸びるがエッジが強いわけではなく、低域も主張しない。特に何のエフェクトもかけてないのだからというのもあるが、素直な音だなと感じた。ただこれは、X5 2ndを直前に聴いていたことでかなりバイアスが掛かっている気もする。X5はエッジの効いたクリアな音の傾向を持つからだ。

もちろんそれを加味しつつも、ライトな感じって言えば良いだろうか。ZX1やZX2よりは好みの音。ただ、値段を考えたらもっと精細感は欲しいかなと思う。そのせいか定位も微妙に曖昧で音の緩さを感じる。それと、これはWalkman全体に言えることなんだけど、どうも音が薄いという軽いといか。聴き疲れしなくてこれはこれで良いんだけれど、Clear BassをONにしてみても低域だけ異様に音をデカくしただけでその印象はあまり変わらない。もちろん、こういう音が好きな人も多いだろうなと思うが、値段を考えるともう少し音の粒が明瞭であって欲しいかなと思う。

 

正直なところデジタルアンプにはあまり良い印象が無いんだけれど、特にホワイトノイズらしいものは感じないが、X5の無音とZX100の無音ではX5の方が音の立ち下がり?が早いというか、楽器の余韻の後に一瞬にして静寂になる。ということは若干のノイズはあるのかな?と想像してみたが、もちろん五月蠅いわけでもなく、聞き取れるという感じではない。「感じる」という程度のものだ。

 

ボーカルは少し遠目に感じる。そのせいか、音場は広め。X5が立体感では圧倒的なのに対し、音場についてはZX100が立体感は薄いが広く感じる。あぁ、ヘッドホン持ってくれば良かった・・と思った瞬間でもある。カスタムIEMだとこの辺の表現があまり巧くない。

 

イコライザを使わない人もいるだろうが、ちょっと弄ってみた。+10から-10の幅を持っているので割と変化が多いのかな?と感じるがそうでもない。その分、歪んだ感じもしないのだが。いただけないのは5バンドしかないことだろう。せめてその倍は欲しいと思う。必要なところだけを上げ下げできないもどかしさを感じそうな気がする。

「DSEE HX」も一応試してみた。アップサンプリングなのね。ホームページ上に「圧縮音源もCD以上の音質に」と書いてあるのを読むと少々萎えるが、実際に入れてみてもあまり違いが分からない。というか全然分からない。年寄りの耳には関係ない機能だろうか。ちなみにソースはハイレゾではなく、MP3の320kbpsで試してみた。

 

あまりX5とばかり比べてもいけないだろうから、今まで持っていたり試聴したものを総合して考えると、少し値段に見合っていないかな・・という印象を持った。この価格帯ならDSDネイティブ、バランス接続などの機種もあるし、今でもCayin N5、PAW5000、AK Jr、X5 2ndなどがあるのに、それに加えてこれからPioneerとONKYOの新作が同価格帯に控えているのである。もちろんこちらはまだ未試聴なのだが、競争相手との比較を考えた場合、ある程度の推測も踏まえると大きなアドバンテージはバッテリーだけのように思える。ただ、そのアドバンテージはかなりの差があるが。

 

ポータブルで考えた場合にバッテリーが長時間もつことは大きなメリットだろう。もちろん、その人のライフスタイルを考慮すれば短い時間でもより高音質を求めることも十分に検討の余地があるが、少なくとも音質とバッテリーを天秤にかけるくらいの音質は持っていると思う。そう言う人にはとても魅力的ではないだろうか。

 

まあ、「音は好み」だと散々言っているわけで、買いのお勧め判断もできはしないし、結局は本人が聴いてみて気に入れば良いのだけれど、とりあえず思ったことを書いてみた。僕はあまり好きな音ではないので買わない・・というか、X5 2ndを買ったばかりで予算もないのだが。(^_^;)

 

おまけ

今までJH13proってなんとなくフラッグシップではないし(3〜4ドラが好きだといつも言っているのでナンだが)、フラット系だし、その他にも色々と聴きたいものがあったから試聴してみなかったけれど、今日、初めて聴いてみたらなかなか良いなと思った。フラット?というには少し低域が多い気もするけれど、クリアで好きな音だった。これも次ぎの候補かな。