南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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CW-L15、2ヶ月経過と悩ましいDAPとアンプ選び

CW-L15が届いて2ヶ月が経過した。ここまでで総視聴時間は230時間ほど。「もう必要ねーだろ」と言われそうだけれど書いちゃう。

 
すっごく良い感じになってきた。もちろん耳が慣れたというのはあるだろうね。自分でも控え目に行っても8割くらいはそうなんだろうなと思う。だって他のイヤホン/ヘッドホンを使うと今までと感じ方が全然違うから。とにかく他のものを使うとシャリシャリしてる。ハイハットが凄く前に出て主張してくるのが徐々に不快になってきた。
 
L15は相変わらずフラットなんだけど、以前よりも若干高域の明瞭さが増えて、今まで感じていた「正しい音」という印象が更に強くなっている。上記のハイハットを例に取れば、裏で淡々と「チャッチャッ」とリズムを刻んでいる。それでもシンバルが「シャーン!」と響く時にはソリッドな音が返ってくる。スネアもビシッとイッパツでキレの良い音が出る。ギターも緩さがなくてシャープで気持ちイイ!
この後に今まで使っていたMOMENTUMを持ち出すとどうも高域と低域が主張してしまっていて、音楽全体としてのバランスがいまひとつ。聴いていて楽しい曲も多いけれど、ボーカルの声が高域と低域に埋もれてしまっている曲もたくさんある。
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ただ、音場はまったく敵わないね。この「音に包まれている」ヘッドホンの感覚も捨てがたい。こういう時にカスタムIEMというかイヤホンの限界を感じてしまうけれど。ということもあって、たまにMOMENTUMも持ち出すけれど、意外なことに手持ちではオンイヤーの安いSENNHEISERのヘッドホンが良い感じに鳴るなと思ったりもするが。
 
ド・フラットな性格はやっぱり刺激は少なくて、例えばMark Ronson の「Uptown Funk」辺りを聴いても超ノリノリって感じじゃないけど、歌としてシッカリ聴けるというかノレるというか、サビだけじゃなくて全体として曲が楽しめるって感じ。ただ、今まで1964ears Qi とか聴いてた人にはやっぱりヌルく感じるんだろうなぁ・・とは思う。
 
良い感じになってきたのはアンプの恩恵もあると思う。個人的にアンプもあまりエージングを信じてはいなかったけれど、こちらは明らかにバリの取れたような全体の落ち着き、それと高域のキラキラした感じが加わってきた。この価格帯だとマニア?にはバカにされるかも知れないが、この安価な組み合わせはなかなか相性が良いと思う。そう感じたのは、とにかく、音楽を聴くのに1曲単位じゃなく、アルバム全体で聴くようになったことがある。今までは好きな曲ばかりを集めて、その時の雰囲気に合わせたプレイリストをいくつか作っていたけれど、最近はアルバムをまるごと全部聴くのが楽しい。これは今までに無かった大きな変化だと思う。
 
もうひとつ。僕は元々ボーカルが近いのが苦手だったのだけれど、今の組み合わせはボーカルが良い。近すぎないというのもあるのだけれど、明瞭な「人の声」が聞こえると感じる。今までのはなんだったんだ?って言うと大袈裟だが、明らかに違う。
これに関係するのか分からないが、容量の関係で圧縮しているMP3のソースを192kbpsから320kbpsにした。今までは違いが分からなかったが、今はハッキリ分かる。なんかデジタルっぽいバリのある輪郭が不自然な音で、ボーカルが妙に不自然になる。きっともっと高級な機種を持っている人はずっと同様のことを感じているのだろうなと思うと羨ましくもあるが、ここもハッキリと変わったところのひとつだ。10proリモールドは何でもキラキラとキレイに鳴らしてくれたけれど、L15はそういうキャラじゃない。穏やかに、滑らかに、正確に。おかげで1,000枚以上のCDを再リッピングする羽目になったが、全部終わるのはいつのことやら・・。更に一部はハイレゾのものも買い足したりして。
 
難点を上げるとすれば、以前にも書いたが楽器間の距離感だろうか。分離が悪いわけじゃないが、もう少し距離が離れていた方が音場が広くて良い気がする。その分、この何とも言えない滑らかさが損なわれるような気もするのだが。精細感は必要十分・・というか、これはX1のラインアウトの性格によるものだろうけれど・・なんだけれど、耳が慣れてくるとやっぱりもう少し音数が欲しくなることもたまにある・・と、正直に書いておこう。
 
また、DAPも少し悩み始めた。試聴でX3 2nd 、X5 2nd を聴いてみてもラインアウトに大きな差は感じなかったが(ちなみに、フォンアウトはそこそこ違った。個人的にはX3 2ndの方が好み)、ひょっとしてDAPを変えたらどうかなぁ・・とか、思い切って大きさと重さを犠牲にしてもっと違うDAPやアンプにしてみようかと、つい考えてしまう。なにを買っても同様に慣れたら別のモノを・・というのがスパイラルなんだろうけれど。
アンプも家人がHA-2のグランド分離が素晴らしいなんて言うもんだから、アンプもまた違うものが欲しくなってみたり。でも買う気満々でDAPもアンプも試聴しに行くとやっぱり良い変化を感じられなくて何も買わずに帰ってきてしまう。似たような組み合わせで使っている人がいたら意見を聴いてみたいもんだなと思う。
 
さて、L15についてはこれを最後にするかな。また弄ったりしたら別だけれど。
 
しかし、こうやって使い込んできて印象が変わると、また別の機種もシッカリと自分のシェルで作ってみたい誘惑と戦うのが割と大変だな・・が素直な気持ち。キリがないね。まあ、それも楽しみのひとつかな。