南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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質の良い笑いは年代を越える(メルブルックス 大脱出)・

先日「ポセイドン・アドベンチャー」がBD化されているのを発見。即買いして観てみたが、良い作品は時代が変わっても色褪せないね。で、同一時期に「メル・ブルックスの大脱出」も観て、こちらもやっぱり良い映画だと感じた。で、どっちについて書こうかなぁ・・と思ったのだけれど、あまり知られていない?と思われるこちらにした。っつーか、これ、大好き。

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舞台は第二次世界大戦下のポーランド。その戦時下に劇場を続けるメルブルックス一座が、ドイツ軍のポーランド進行の前に否応無く巻き込まれていく・・そんな映画だ。メル・ブルックスをご存じ無い方だとどんな映画かそのテイストが分からないだろうけれど、軽妙なコメディに風刺的なスパイスが効いた映画である。
昨今の日本だと「笑い」は他の人をこき下ろしてみたり、下ネタだったりで見ていて辟易する。そんな番組が増えたことも僕がテレビを見なくなったこと理由でもある。下品だと思わない?
 
劇場での劇中の笑い、ちょっとした会話や行動のネタ、それに加えてドイツ軍スパイによるポーランドの地下組織の危機も加わって、シリアスな場面もある。コメディなのにハラハラドキドキ。それでいてクスリと笑えて爆笑も。侮るなかれ、ただのコメディー映画ではない。
 
演技陣も素晴らしい演技だと思う。メル・ブルックスアン・バンクロフト夫婦の息の合った演技。アン・バンクロフトの他の映画を知っている人にはちょっとビックリかも知れないが、実にコメディセンスが高い。個人的には名バイプレイヤーのチャールズ・ダーニングが素晴らしい。この人、本当に演技の幅が広いし巧い。刑事役や大統領役が多いので「強面」な印象が強いだろうし、実際に顔が少し恐い。(^_^;)
でも、「トッツィー」でジェシカ・ラングのパパ役もあれば、「テキサス1の赤いバラ」では軽妙なステップでダンスまで披露してくれる。この映画ではアカデミー賞の助演賞にノミネートされているのだけれど、日本では未公開。もちろんDVDですら発売していないのが悔やまれる。とにかくだ。このダーニングの演技は観る価値が十分ある。ちなみにこの大脱出でも助演賞にノミネートされている。
 
シリアスな場面も豊富だ。ドイツのユダヤ人迫害に対する強いメッセージのシーン、脱出の歳に大勢のドイツ軍兵士を見て足がすくんでしまう老婆。その迫真の演技に強い感銘を受ける。ただのコメディーではないのである。
 
久し振りに観て、改めて良い映画だと思ったしよく笑った。なぜか先日書いたイアン・マッケランの「私はブルースクリーンの前で演技をするために俳優になったのではない」を思い出した。残念なのはこの映画、BDが発売されていない。個人的には「ヤングフランケンシュタイン」はともかく、真っ先にこの映画をBD化するべきだろうと思うのに。
 
いやー、映画って本当に面白い。今度の週末は「ジュラシック ワールド」と「ミッションインポッシブル」を予約してある。楽しみな週末である。
 
追記
チャールズ・ダーニングというと「スタンドアローン」という映画を思い出す。今はVHSですら見付からないが。きっと彼には戦時中の辛い記憶を呼び起こされるような映画だったんじゃないかな。ちなみに彼は2012年のクリスマスイヴに天に召されている。