南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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10proリモールド、到着(だから家人のだって)

前回からまたもやだいぶ日が経ってしまって申し訳ない。割と日常に余裕が無いのが原因だけれど、はてさてこんな状態は何年前からだろう?・・なんて思ってる暇があったら「書け」と。

さて、前回の記事では家人の耳型を取ったことを書いた。当然その次にくるのはその耳型を使ってのカスタムIEM作成となるわけである。
そもそも今回、カスタムIEMをオーダーしようと思ったのは、家人の誕生日のためである。何が一番喜ぶう・・?と考えた結果、2人とも音楽を聴くのが好きで、且つ、イヤホン/ヘッドホンが好きだってことがある。彼が欲しがったのは須山のMH334だけれど、これだと15万円以上かかるわけでとても無理。じゃー、他に・・と考えて、一時期は最近人気を博している1964earsのシリーズを考えてもみた。試聴したところ本人もいくつかのモデルを気に入ったようだけれど、それでも代理店を通せば10万円くらいはかかるし、本国に直送しても600ドルくらいはかかってしまってやっぱり無理。

さてどうしたものか・・今更ユニバーサルを買ってもな・・と思ったところに手持ちにUE10proが余っているのを思い出した。ネットで調べても10proのリモールドはそこそこ評判が良いし、できあがった場合の音を想定してみてもおそらく好きな音になるのは想像できた。しかもこれなら2万円程度でできるのである。

と言うことでリモールドに出したのが4月の上旬。2ヶ月ほどかかると言われてたが、結局1ヶ月半で手元に到着した。

これが完成品だけれど、思ったよりもシェルは美しい。クリアを選択したせいもあるが、特に気泡もなく、表面はなめらかでデコボコもない。クリアのシェルから見える元10proのBAドライバもなんか「それらしさ」があって高級感がある。当初はフェイスプレートの追加オプションはしないつもりだったけれど、やっぱりそれくらいは付けても良いかなと思い直し、結局、メタルプレートを選択した。

インプレッションを作成した際に、家人の外耳道は外側で一旦細くなり、奥になって再度広がっているのが確認できた。シェルのノズルは思ったよりも長めで、その分、インプレッション通りに先っぽが膨らむ形になった。これが音質の変化にどの程度影響するのか分からないが、音場が少し狭くなるのかも・・と言う推測程度。僕の耳にもはめてみたが、結局このノズルの太さのせいかはまらなかったのがとても残念である。いや、まあ、僕のじゃないのだけれど。
遮音性は、家人に言わせると「何も聞こえなーい。」だそうだ。よく言われるのはカスタムIEMでも30dB程度で、Complyと同等かちょっと良いくらいらしいけれど、実際に家人の話を聞くと「ずっと静か」らしい。今回はRoothでのリモールドだけれど、シェルは耳のどこも痛くならず、ちょうどいい感じにできあがっていた。本人はこの「パカッと入る」のがとっても気持ちいいようだ。

ケーブルは純正のものを買った。普通の2ピンのもので、埋め込み式になっているためか、他に市販されているケーブルがそのまま使えるかどうは分からない。ピンは間隔や長さを見ると10proと同じように見える。実はこのピン部分が細いのか、それともシェル側が広がっているのか分からないけれど緩いようでケーブルが抜ける。仕方がないのでピンの先端部分を少しつぶしてみたら、大した力を入れていないのにあっさりと折れた。どうもかなり柔らかいみたいだ。折れた長さは1mm程度だったので影響は無かったのだけれど、やっぱり気持ち悪いので新しいものをもう一つ買う羽目になった。交換したものも微妙に緩い気がしたけれど、最初のよりはよっぽどマシで、今度のものは簡単に抜けるようなことはなくひとまずこれで妥協することにした。

ケーブルは縒り線で、柔らかい。色は白(シルバー?)を選択したが、日光に当たるとキラキラと美しい。クセもあまり付くタイプでは無いので、リケーブルにありがちなクセが取れずに取り回しが悪くなることはない。そう言う意味でも扱いが楽なのが良いと感じる。長さは1.2mのようだがちょっと短いかな。身長が162cmの僕が短いと思うのだから、普通の人はもっとそう思うのではないだろうか。まあ、最近のケーブルは1.2mが多いので、本音としてはもう10cm長いものが欲しい。ただ、ケーブルは7千円するのでとびきり高価ではないが、安くもないことを付け加えておく。

さて、肝心の音だけれど・・今回は家人用なので、僕が試聴するのには耳に押し当ててノズルをできる限り耳の奥に入れて聴いてみた。もちろん試聴中は手で押さえておく必要があるため、これが純粋に評価できるのかどうかは分からない点をご容赦いただきたい。

一聴してみて感じたことは、10proの良さが出ている・・と言うか想像以上に好きな音だった。10proをお持ちの方は分かると思うけれど、10proは思ったよりも高音も低音も出るわけではない。そもそも僕は既に50代で超高音が聞こえている自信は無いが、それでも高音のきらびやかさはオリジナルよりも延びている。今まではイヤーチップや筐体で吸収されてしまっていたのだろうけれど、10proよりもずっとキラキラした感じがある。低音も以前よりも量が増えたけれど、BAらしい締まった低音はそのままで他の帯域へ影響していないというか、量も増えた割にはシャッキリとした印象がある。個人的にはダイナミック並みなウォームな包み込まれるような感じの低音も好きだけれど、この歯切れの良さはクセになる気持ち良さだ。
また、元の10proは中音部分が引っ込んでいる感じでボーカルが後ろに下がっている雰囲気を感じるが、そのボーカルが前に歩み寄っているように感じる。ボーカルも明瞭で、全体的にクリアでスッキリとした音。濃厚な音のシャワーではないけれど、聴いていても疲れず抜けの良いクリアさはとても気持ちが良い。

ただ、悪い点もある。音場が狭くなっている点だ。10proは音場が広くて有名だったのだけれど、ボーカルが近くなったせいか音場が狭く感じる。それはボリュームを大きくしていくと顕著に現れるが、それもかなり大きくした場合なので普段の常識的なボリュームではまったく問題がないと思う。まあ、狭くなったとは言え、それでもユニバーサルのshure辺りと比べても十分に広い。僕がshureを選択しないのは、音が近くて固まっていると言う印象があるからだが、今回のリモールドは狭いと言ってもあくまでオリジナルよりも狭いと感じるだけで、十分広いと思う。
最近のロックやポップスにはよく合うと思う。試しにハイレゾのクラシックを数曲聴いてみたが、ボリュームを極端に大きくしなければこれも良い感じ。バイオリンの弦の響きがとても精細で、聞こえなかった音がたくさん聞こえる。これはお気に入りのSennheiser MOMENTUMでも表現できなかったものだ。ただ、どうしても分析的に聞こえてしまって、音楽をホールで楽しんでいるような感覚は今一つ。こちらは当然だけれどヘッドホンに分があると感じた。

総じて感想を言えば、
・オリジナルよりもキラキラ
・低音は締まっているがボリュームが増加
・音場は若干狭くなってる
・抜けの良さとスッキリ感は大好物
と言う感じだろうか。

とにかく何度も書くが「スッキリ」している。このスッキリな感じはとても好みで、最近試聴したいくつかのカスタムIEMよりも好きな音だ。音質は善し悪しではなく、好みなわけで、僕が良いからと他の人も良いと感じるとは限らないけれど、これはこれで1個手元に置いておきたいと思わせる音だ。

こうやって聴いてみると、自分用にも10prodリモールドが1個欲しくなる。手元には左のドライバが壊れて片側しかない10proがあるだけ。ディスコンになった関係か、今は新品でも3.5万円ほどするしオークションで出ているようなものは本物であるか分からない。そう考えると3.5万円にリモールド費用を追加するのもちょっと選択できないかなぁ・・と言うのが正直なところである。

おまけ

今までイヤホンを使っていてもあまり「乾燥」については深く考えたことが無かったが、家人のカスタムを見ていて、これって中に湿気が入ってカビたりしないのかなぁ・・とフと心配になった。と言うことで最初は普通にスーパーなどで販売している乾燥剤を買って使っていたのだが、どうも今一つ心配がある。雑菌の繁殖なども考えると紫外線が照射できるものが良いのかな?でもそれであれば既にそれ用のものが売っているだろうと考え、検索してみたが適当なものが見つからない。

と言うことでこれを買ってみた。補聴器用なのだが、そもそも補聴器みたいなものだろう。実物が届くまではサイズが少々心配だったが、実際に使ってみるとジャストサイズ。ちゃんとケーブルまで納めることができる。

最初は乾電池で使っていたのだが、毎日使用すると一週間ほどしかもたない。しかも動作時間は20分ほど。調べてみると専用クレードルを使うと1時間ほどの動作時間だし、電池の心配もすることが無いということで後から追加でクレードルを買った。興味がある方は最初からクレードルがセットのものを買った方が、値段的にも若干安いのでお勧めする。