南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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カスタムIEM作成 〜インプレッション採取〜(ちなみに僕のじゃない・・)

イヤホン好きなら一度はカスタムIEMに手を出したいと思うものだろう。不幸?にしてまだ予算を捻出できていないのだが、将来的には一つくらいは作ってみたいと思う。

ところで「リモールド」と言うのをご存じだろうか?作成過程はカスタムIEMと同じ。ただ、ドライバは自分で用意し、シェルを作成してもらうサービスだ。当然安く作成することができるわけだが、いくつかのショップではリモールドサービスを受け付けており、日本にも販売代理店があり、受け付けている。手元に10proがあったので、今回はこのリモールドを試してみることにした。

ただし、これは自分用ではなく、家人用である。ちょうど家人が誕生日を向かえたこともあるのだけれど、そもそも僕はBAの硬い音よりもダイナミックの少し緩いが包み込むような音色が好きだということもある。なので今回は家人用に作ることにした。

まずはインプレッション(耳型)の作成が必要。カスタムIEMは作成したインプレッションを使い、より、自分の耳の形にマッチしたイヤホンを作る。その存在を知らない人でもミュージシャンがライブで耳にピッタリと収まったイヤホンを見たことがあるだろう。そのための耳型採取である。
今回は蕨駅近くにある「ボイス補聴器センター」さんに作成を依頼した。普段、このような作成はやっていないとのことだったのだけれど、以前にも一度依頼されて作ったことがあるとのことで、快く採取に応じてくれた。担当された技術者の方も非常に気さくな方で色々と解説を交えて親切に対応していただいたことをとても感謝している。しかも価格が安い!都内の有名ショップのホームページでの解説を読むと、だいたい5千円くらいはかかるようだが、この補聴器店では4千円だった。

インプレッション作成を手順を追って紹介しよう。
最初は耳道に異常がないか、おおよそどんな形なのかを確認してもらった。技術者によると、家人の耳は奥の方で一度広がっているとのこと。そのため、インプレッションの材料がしっかりと硬化してしまう前に抜き出す必要があるらしい。そもそも補聴器を作る際にインプレッションを作る作業自体は数多くこなしているわけで、全体の手順や解説は非常にスムーズ。こういう点はとても安心できる。

次に鼓膜の保護のために、粘土状の材料が中に残らないよう紐の付いたスポンジを挿入する。そう言えばイヤホンショップのホームページに掲載されている完成したインプレッションの先にはスポンジがくっついている。「あぁ、そういう意味か」と納得した。

スポンジで保護をした後はインプレッションの素材になる材料をシリンジ(注射器のようなもの)で注入していく。素材は2種類の粘土状の材料をよく捏ね、シリンジに入れて慎重に注入する。材料の名称を訊き忘れたが、この2種類の材料が合わされると固まるのだろう。家人に言わせると「冷たさにちょっとビックリ」だそうだ。違和感はそれほど無いが、耳が完全に聞こえないととても不安だと言っていた。実際に技術者も、両方を一度にやってしまうと不安がとても大きいので片側から実施します・・と説明があった。なるほど。

固まるまでの時間は5分ほど。先ほども書いたように早めに抜くとのことだったが、実際に5分程度待ってから抜いた。イヤホンショップのホームページを読むと「口を開いて採取して下さい」とあるが、他のショップでは「口を閉じて」と書いてあるところもある。この辺が作成にどういう影響を与えるのか試してみたいところだが、同じものを2個作るわけにもいかず、実際に依頼するショップのページ解説に従い、口を開けて固まるのを待つ。

で、これができあがったインプレッション。色々なところでアップされているのと同じようなものができあがった。ちなみに、イヤホン用のインプレッションは通常の補聴器よりも採取範囲が広い。シェルが耳にしっかりとはまりこむためなのだが、通常の補聴器の場合はもっと狭い範囲で採取するらしい。

材料を抜いた後に耳の中の状態をチェック。人によっては素材による拒否反応で赤く腫れ上がってしまうらしい。家人は特に異常なし。これで無事にインプレッション採取は完了。説明の時間を入れても20分程度でできあがった。なんだ、簡単じゃないか。そんなに高くないし。

と言うことで、このインプレッションをイヤホンショップに持参し、リモールドの依頼をしてやっと今日で2週間ほど。海外にオーダーすることもあり出来上がりは2〜3ヶ月かかるとのことで、今はワクワクしながら待っているところである・・って僕のではないのだが。

できあがったらレビューをまた書いてみるつもりでいる。お楽しみのほど。