南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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ATH-IM50

audio-technicaのATH-IM05は、コストパフォーマンスに優れた良いイヤホンだと思う。

実は先日、ヨドバシカメラのポイントがかなり貯まっていたので、audio-technicaのIM50をポイントで購入?してみた。
実はこれ、ヘッドホン祭りの時に聴き逃していたのだった。正直に書くと、イヤホンはある程度価格に比例した品質であると思う。まあ、他のものもそうではあるのだが、個人的なボーダーラインは下限を1万円と考えていたのである。なので、この機種は試聴する必要が無いと思っていたのだった。

ところが先日、家電量販店で何の気なしに聴いてみたら結構良い。正直、「え?」と一瞬思ったくらい。確かに上から下まで綺麗に出ているとも思わないし、高精細だとも思わない。だが、音場が豊かで聴き疲れが少なくとてもバランスの良い機種だったからだ。以前のaudio-technicaの印象と言うと、音が中心に集まって近いと言う感覚で、あまり・・と言うかまったく好きではない音だった。
ところがIM50は音場が広く、それも縦にも横にもバランス良く広がっている。音も少し遠めで僕が好きな音であったわけだ。

と言うことで購入?にいたる。

まずは外観から。
これ、格好良くない?いや、僕は好きだ。shure掛けは人によって合う合わないはあるけれど、耳で大きめの筐体でもしっかりとホールドできるので僕は好き。ワイヤーの入っている部分とケーブルの部分もしっかりと区切られて美しく仕上がっていると思う。この辺は日本製品ならではだろう。例えば、10proは良いイヤホンだが、標準のケーブルはワイヤー部分がすぐに延びてしまうし、その部分に穴があいてしまうことがあった。コネクタ部分もチープだったし。しかしIM50はケーブル自体の高級感は無いものの、交換式であることも含めてポイントを押さえていると感じる。

筐体デザインは耳に収まった状態で収まりが良く、筐体内のスペースを確保した作りと言うことなのだろう。ただ、この大きめの筐体は人によっては耳に当たる。軽く当たっていても長時間の接触は耳が痛くなるだろう。事実、僕の場合もイヤーチップによっては収まりが悪くて耳が当たっていた。今のチップは良い感じに浮いているのかどこも当たらないのでこれに落ち着いたと言う実状もある。

ケーブルは1.2mのY字。shure掛けのせいもあってこれは短いと思う。上着のポケットにDAPを入れるのなら良いのだが、ズボンのポケットに入れると首を回すと引っ張られる感じがある。いくらお腹が出っ張っていても162cmの僕でこれなのだから、長身の方にはハッキリと短いだろう。
ケーブルは左右チャネルが平行に分かれたタイプ。若干のチープさは否めないが、コストを考えれば仕方がないだろう。個人的にケーブル音質に与える影響はあまり大きくないと思っているので問題とは考えていない。むしろ一時期流行った「きしめんケーブル」に比べれば、扱いやすくて良い。

さて、肝心の音質である。
先ほども書いたけれど、音場の作り方が巧い。と言うか好き。縦にも横にも広がっており、ボーカルは若干遠め。低音が割と豊かなせいもあって音楽に浸ることができるタイプだと思う。音はそれほどエッジが効いているわけではなく、高精細でも無いのだが、とにかく音場が豊かで穏やかに聴くことができる。これに比べるとPhilips S2はエッジが硬く、人によっては耳障りと感じることもあるだろう。各楽器の再現性はS2の方が上だと感じるが、S2もIM50も良いわけではない。手持ちでは10proが一番生々しく聴かせてくれると感じる。
低音は量も十分で下品さもなく、聴きやすい。ただ、音源自体のゲインが高いケースだと少々潰れ気味でもある。比較するのもナンだが、MOMENTUMはこの点がとても素晴らしくそれに比較するとやっぱりチープだと思う。

ただ、何度も書くけれど、音場が豊かで包み込まれるようなこの感覚は、高価なイヤホンでもなかなか感じることができない。音が遠いのも個人的に凄く好きなタイプだ。これでもう少し高精細であればなぁ・・と思ってしまう。まあ、その場合にはIM50ではなく、IM03やIM04を選択する方が良いだろう。しかもIM50は5千円以下で販売しているところもあるのだから、冒頭に書いたように非常にコストパフォーマンスが良い。

さて、とても良い機種だと思うのだけれど、もう一工夫すればもっと良くなると思う。もちろんポータブルアンプを間にかませればさらにパフォーマンスアップなのだが、この機種を使う層にポータブルアンプは考えにくい。それならと言うことで、プレーヤーを手持ちのONKYO HF Playerにしてみた。現在は曲によってイコライザを調整し、更に好みの音になっている。

これから春を迎え、夏が近くなってくると徐々にオーバーヘッドのヘッドホンでは暑さで不快感が増える。いくらイヤホンよりもヘッドホンが大好きな僕でも日によってはヘッドホンが選べない。そのためにお気に入りのイヤホンを揃えておきたいところだ。資金に余裕があれば須山技研のMH334が、妥協点としてはIM03が良いと現時点で思っているが、価格と音質のバランスの良いこの機種は使う場面も多いだろう。とりあえず付属イヤホンからのステップアップをと考えている友人に勧めたい機種である。

追記
実は、この後に家人からIM70をプレゼントされ、結局そちらを使っている自分であった。(^_^;)