南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

Beyerdynamic DT-1350

ちょっと間が空いてしまった。その間にいくつか買い物はしているので、追々書いて行こうと思う。

一ヶ月ほど前にBeyerdynamic DT-1350を購入したので、感想を書いてみる。

DENON AT-D1100を購入してから、オーバーヘッドは基本的にアラウンドイヤーだと決めていた。大きくは音場の関係だけれども、その後にBOSE IE2とSRS iWOW3Dの組み合わせが思いの外良かったので、しばらくはそれを利用していた。いや、その組み合わせは今でも静かな環境の時には使っている。しかし、僕のメインの利用シーンは電車。一度D1100を使ってみたところやっぱりその静寂さに感動。出戻っていたんだけど、DT-1350の価格が下がったこと、 iWOW 3Dを新たに購入したことで試しに試聴したところ、中々良い!ってことでオンイヤーながら購入してみた。

まずは外観から。僕はこのデザインは好き。メタリックで機械的な無骨さがとても硬派な印象があり、ガジェット心をいたく刺激してくれる。本体が小さくて軽いというのも魅力。マイナスな面としてはイヤーカップの厚みが意外にあって、装着していると顔の輪郭から張り出しているのが若干格好悪い。それと、可動部にスムーズさを感じられず、無造作にバッグに突っ込んだりすると壊れそうな気がするのがマイナスポイント。コードが片出しなのと、ケーブルがそれなりの太さを持っていることは安心できる。ただ、僕の身長だと少し長いのが気になるくらいか。

iPhoneのイヤホンジャックから素のままだと、80Ωと高いインピーダンスのせいか音がとても薄っぺらく、正直、聴くに耐えない。なので、ちょっとだけ音質のチェックをしただけで以後はiWOWを常時接続している。

この状態だとアンプの設定に左右されるが、低音の量が多く、それでいて膨らまない感じが中々好み。これを暫く聴いた後にD1100に移ると、D1100はだいぶボンヤリとした低音に感じる。このボンヤリ感は、音に包まれる感覚を演出するのには効果があるけれども、シャープな音に慣れてしまうと少々辛い。まあ、D1100はDT-1350の半額くらいなのだから仕方が無いのかも知れない。

高音は個人的にはもっと丸い方が好み。ネットの評価ではクリアさが足りないと見たことがあるが、僕的には十分。と言うか、IE2、 D1100に比べたら遙かにクリア。ただ、音源によっては刺さると感じることがあり、思わずヘッドホンを外したくなることがある。稀ではあるけれども。
中音は十分出ているし明瞭。個人的にはもう少し音が遠い方が好みだけれども、イヤホンみたいに近いわけじゃないので十分及第点をあげることができる。
音場は横に広がる感じ。思ったより前後の立体感は無い。しかし、似たようなオンイヤー機に比べれば広いほうだと思う。ただ、これはiWOWの影響もあるだろう。
音質を全体的に評価すると、明瞭さ、音圧、楽器の分解と悪いところがなくとても優等生な気がする。手持ちでは一番好きな音を鳴らしてくれるので、今は常用している。D1100に明瞭さがあれば、多分、そちらの方が好みだろうが・・。あぁ、そういう意味では同じDENONのD2000が大好きかも。さすがにあの大きさのヘッドホンを電車で使おうとは思わないが。

装着感としては側圧が強い感じ。これは遮音性に寄与しているのである程度仕方がないだろう。それでもHD25のように極端では無いので好感が持てる。イヤーパッドはソフトだが若干厚さが薄い。そのため、側圧とパッドの大きさ/厚さの関係からメガネをしていると煩わしさがある。この季節にメガネを外し汗を拭うと、一度ヘッドホンを外さないといけないのが面倒臭い。ヘッドバンドは頭の形に沿った形状をしていて、どこかが痛くなることは無い。ただ、若干作りが安っぽく、そのうちに頭頂部のパッドが取れてしまいそうな予感がある。これはマイナス。

総合的には、現在常用していることからも、もっとも気に入ったヘッドホンである。デザインも好きだし、音の傾向が好き。特に低音の締まり具合が絶妙な気がするし、楽器もチープでない鳴り方をすることに好感が持てる。季節は夏。それでもこのサイズなら暑さも軽減されるし、今のベストバイだと思う。これが3万円以下で買えることに感謝したい。