南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

AT-PHA31i

モバイルでiPodを使う時には、荷物が多くなるのはナンセンスと思っていたので、今までポータブルヘッドホンアンプはあまり試したことは無かった。買ったこともあるけれど、結局かさばるので使わなくなってしまったのだ。

そういう点では、この AT-PHA31i はiPhoneのドックコネクタから挿せるし、ケーブルもそれほど長くなく、リモコン感覚で使えるので気にはなっていた。でも、今まで使っていたヘッドホンで試聴してみても、どうも違いが分からない。少なくとも1万円近いお金を払って買うほどの効果は感じていなかったのである。

で、今回 BOSE IE2 を買ってみて、たまたま量販店でこのポタアンを試してみたところ、意外に良い感じだったので思い切って買ってみたのである。

まずは取り回しから。コード長は50cm。それでもイヤホン側のケーブルが1.15mあるのでそれなりに長い。それでも、その長さの差はそれほど致命的という感じは無い。むしろ、IE2のコードは短めなので、長身長の人ならちょうど良いと感じるかも知れない。本体は小さく軽い。これで本当にアンプなの?単なるリモコンじゃないの?と知らない人は思うだろう。それくらいにコンパクトにまとまっている。ケーブルは少し太めで固さがあるので、取り回しが良いというほどでは無いが、そもそもケーブルが短いのであまり気にならない。これはリモコン部分をどこに付けるかにもよると思う。僕はリモコン部をズボンのベルトホールに留めて使っている。これが中々具合が良い。本体を見なくても操作ができるし、外れることも無い。iPhoneをズボンのポケットに入れているので、ポタアンもイヤホンもコードがちょうど良い長さになる。ただ、クリップは少し強さが足りないように思う。あまり強くすると破損の心配が出てくるが、もう少し・・そう2割程度くらいは強い方が良いかなと思った。

リモコン部のボタンは押しやすい。隣のボタンとの距離もあり、干渉することなくブラインドで操作ができる。物理的なボタンはともすれば野暮ったい印象を受けるかも知れないが、使い勝手が良いことを考えると、良く検討されたものだと感じる。

残念なのはドックコネクタ部分が結構大きいこと。幸い、僕の使っているSuicaが入るケースの場合はそれほど干渉が酷くないが、ケースによっては使えないものが多そうだと感じる。ここがもう少しスマートになって欲しい。

さて、肝心な音質について。IE2は高いインピーダンスであり、そもそも僕のソースが90dBとゲインを下げているのでポタアンが無いと音量はMaxに近い。しかしこのポタアンを使えば、半分程度にすることができる。余裕があるというのは精神衛生上にも良い。IE2をiPhoneに直接接続して使うと、音が少々元気の無い感じを受ける。しかし、ポタアンを通すと中音の音圧が上がり、かといってボヤケること無く良い感じでバランスされる。今まで試してみたポタアンは、音量が上がるものの、なんか不自然な感じでバランスが悪くなると感じていたので、これは好印象。低音も若干量が増えていて、初代に比べて低音が軽くなってしまったIE2には良いバランスだと感じた。とにかく音圧がハッキリと違う印象。その分、音場は少し狭くなったような気がするのが残念。しかし、そもそもIE2はオープン型でとても抜けが良く、音場が広い。なので、実はそんなに気にならない。音色としての味付けは薄味だけれども、ハッキリと変わることが感じられるし、何よりIE2と相性が良いように感じる。試しに他のヘッドホン/イヤホンも試してみたが、ほとんど変化が無いもの、ブーミーになって悪化するものなど様々だった。中ではSONY ZX700が結構良い感じで鳴るなと感じた。今までは低音がスカスカで聴くに耐えなかったのだが。

ということで、現在はIE2 + PHA31iの組み合わせで楽しんでいる。ネットを見ると両方ともあまり良い評判を見つけられないが、僕の耳には中々の組み合わせだと感じる。どんなジャンルの音楽を聴いても、実に気持ちいい。人によってはコストパフォーマンスが納得いかない人もいるだろうけれど、僕には十分満足できる買い物だった。