南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

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ウクレレの品質って?(3台目になったDCT DUS-310M)

実は、ウクレレに興味を持つようになってから都内のいくつかの楽器店を行脚したりしていた。その中のとある店の店員さんに言われたひとこと。

「ウクレレに完璧を求めてはいけないと思います。曖昧で、ユルくて、気軽に手が伸びて、それで癒される。そんな楽器なんです。」

これは、音の詰まりの話題になった時に言われたのだけれど、なるほど、そういう風に捉えれば良いんだなぁ・・と、妙に納得した覚えがある。

しかし、先日のエントリーで紹介した、新しく買ったウクレレは流石にちょっとウンザリした。

購入したのは都内の某大型楽器店。散々試奏してとても気に入った音を出してくれる一台に出会えて、めでたく我が子?となったこれ。「DCT DUS-310M」。詳しくは前のエントリーをご覧いただくとして、今手元にあるのは初期不良を経て3台目になる。いやぁ、「完璧を求めるな」は納得していても、流石にこれはちょっとなぁ・・と。

まずは1台目。週末に購入して自宅で弾いてたらあることに気が付いた。

「・・あれ?これ、ブリッジが上(左)に寄ってね?」(写真を撮っておけば良かったかな)

と。ハイフレットになると4弦が妙に指板の端に感じて、チョーク気味に指を当てると指板から弦が落ちる。マジマジと指板で見ると、弦がちょっと左に寄ってる。もしかしてとブリッジの中心と指板の中心を合わせてみると、ブリッジが3mmほど左に寄っている。購入した時に気がつかなかったのは僕自身の落ち度だ。けれど、その店舗は「一台一台入念に検品した品質の良い楽器を提供しています。」とホームページにもデカデカと謳っている店である。ちょっとガッカリというか。

まあ、ここは自分のミスかなと思いつつも、初期不良であることは間違いないので店舗に相談に行った。しかし、店員さん、なかなか認めてくれない。何度も指板の位置を定規で測ったりしながらウーン、ウーンと唸ってばかり。結局は認めて交換を受け入れてくれたものの、なんか納得いかない。

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で、2台目。交換品は宅配で送られてきた。一回店舗に行くのに、家人に車で行ってもらうので、家人の時間も、ガソリンも、駐車代ももったいない。なので宅配。ところが、見てすぐにペグが一つ曲がって付いていることに気付く。まあ、動作には問題ないし良いか・・カンペキを求めちゃいかんよね・・なんて思ったり。しかし、1台目で交換した時に店員さんにお願いしたことがあった。僕はORCASの弦が好きなので既に交換してあったのだけれど、その弦は外してそのまま送ってくれと伝えてあったのに、既に交換品に取り付けてあった。しかも、ブリッジ辺りが妙にグチャグチャとたくさん巻き付いていて、「ちょっと下手過ぎない?」とは思ったものの、とりあえず音だけでも試さないとと思ってチューニング。で、ここでハタと気付く。「・・1弦と4弦が間違って張ってある・・」。ありえない。

気を取り直して弦を貼り直し、いざ弾いてみると・・あれ?なんかハイフレットでビビる。ウクレレを水平にしてフレットを見ると、12フレットが明らかに浮いてる。指で押すと、グニュって感じで下がるが、すぐに元に戻る。これも無い・・。(これも写真を残しておけば良かった)

ということで、またも交換なんだけど、今度も店員は「うーん、うーん・・」と。もうね、この店では二度と買わないとこの時点で思った。フレット浮きで不良をすぐに認めないとかありえない。まあ、結局、いくらなんでもひどいだろうということで再度交換。またも数日待つことに。ついでに、前回は「ちゃんと検品して問題の無いものを選びました!」と力強く言われたが、信用できないので他の店員さんにもチェックしてもらうようにお願いしておいた。

で、3台目が上に載せた写真のもの。流石に今度は不良はないだろう・・と思ったら、店員さんが発送の際に「1フレットがちょっと高いですけど、問題ないレベルです。」って、おいおい・・。おかしくない?それ。まあ、程度にもよるし、もう面倒くさくなってきてもいたので、自分ですり合わせをしても良いかと思って送ってもらった。到着した個体のフレットに定規をあてると、確かに1フレットが少し高い。ついでに言えば2フレットもちょっとだけ高い。明らかにすり合わせ不良だ。ただ、たしかに弾くのには問題なかったのでこれで諦めることにした。問題が出たら自分で直す・・が、それだと保証が効かなくなるのは残念だけど。

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で、音程を確かめてみるとハイフレットでのフレット音痴がちょっと許容範囲を超えている感じ。30セントくらいズレていて、これだと弾いていて違和感がある。なので、気休めではあるものの、サドルをオフセットにしたものに交換してみた。

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この状態で思ったよりも改善して、12フレットの誤差が10セント前後。ソプラノでこれなら大丈夫かなと。サドルは市販品を買って交換したけれど、オフセットしたサドルは弦の当たる部分に幅があり過ぎると音揺れやビビリになる。このサドルも少し幅があり過ぎたので、自分で削ってみた。経験上、あまり削り過ぎるとサスティーンに変な揺れが出たりもするので、この辺の塩梅がちょっと難しくもある。ウクレレを始めてもうすぐ10ヶ月。もともと色々と自分で弄るのが好きなので、サドルももう何個削ったことか・・。まあ、好きだから良いんだけど。

それと、細かいけれどエンドの部分の塗装が少し盛り上がって段差があった。これは、サイドの貼り合わせが甘いのだろうけれど、シッカリと固定されているようなので(軽く叩いて確認)、紙やすりで削り、コンパウンドで磨いて直してみた。

と、まあこんな感じでやっと満足できるものに仕上がった。しかし、以前のエントリーにも書いたけれど、この「DCT DUS-310M」の音は本当に好き。試奏は数え切れないくらいの機種を試してみたけれど、やっと欲しい音に巡り会えた感じなので、紆余曲折はあったものの、今は十分満足していることを付け加えておきたい。でもね、繰り返すけど、かかった時間、ガソリン代、駐車場料金を考えるとね・・もう二度とあの店では買わないと心に誓ったのであった。