南瓜の馬車 〜いいわけでも許して〜

猫とガジェットと映画と小説の毎日です。

「買い物」を進化させていくAmazonと、消費者としての不安

昨日、Amazonから「Amazon Dash Button」が日本でもサービスが開始されるニュースが届いた。

internet.watch.impress.co.jp

最初は、「こんなの何が便利なんだろう?かえって押し間違いとかあるだろうし、そもそもワンボタンって商品の種類選択とかどうするのだろう?」と思った。しかし、色々とネットの記事を探してみると、このボタンは1商品に1個、そしてとりあえずは決まった商品しか買えないようだ。それでも、このボタンが自宅に何個もあるのはちょっと気持ち悪いというか・・。

そもそも、「プライム会員向け」ということもあって、ある程度のリテラシーを持っている層にこんなものが必要なのだろうか?と考えたのだ。しかし、色々と考えてみれば、利用シーンは無限にある。ボタンを押すだけなのだから、別の機能も付けてしまえば良い。例えば、年老いた両親が簡単に日用品を買うようにできるだろう。ひょっとしたら緊急通報とかにも。まあ、買い物で間違って二度押しとかしてしまったら困るかも知れないが、そういったリテラシーの高くない層になどにはかなり便利じゃないかなと思う。それに、もっと色々と考えてみれば、この先、更に進化は見えてくる。ボタンが複数のものが出てきたり、ある程度一括で商品を買えたりもするだろう。なるほど、使いようによってはすごく面白いかも・・と思い始めた。こういう製品が日本から出てこないのはとても残念だ。

 

そして今日のニュースである。そう、「Amazon Go」だ。

gigazine.net

なるほど。Amazonは通販から始め、買い物の仕組みそのものを変えて行こうとしているのが分かる。ドローンでの配送だってある。また、まだ日本でサービスが開始されていないが、「Amazon Echo」もある。

gigazine.net

これはもちろん買い物だけではない。スマートホーム・ハブの一貫として「買い物もできる」わけだ。しかし、これは相当便利だと思う。元々、通販というプラットフォームがあるが故にこのサービスのエコシステムが他社にはできない利便性に繋がるわけだ。ツボを押さえているなと思うのは、このEchoはスピーカーを搭載しBluetoothスピーカーとしても利用できるし、家電のリモコンにもなるだろう。この製品には、僕が思い描いていた未来の世界がある。現時点で並行輸入品しか購入できないようだが、それでも使う意味は充分あるだろう。

AppleのSiriは確かに便利だ。だが、Echoは更に便利になっていく。既に新しいバージョンも出されているし、通販のプラットフォームを持たないAppleは別の機能で差別化を図るしかないだろう。あるいは他社と組むか?そもそもApple製品は個々の製品の連携がとてもシームレスであると言う魅力はある。それでもAmazonには敵わないと思える。きっと僕は「Amazon Echo」が正式に日本で発売されたら購入するだろう。生活を変える・・それくらいのチカラがあると思う。

 

Amazonは買い物だけではなく、音楽も映画も電子書籍も扱っている。他の企業は個々のサービスに特化するか、違う機能を模索していくことになるのではないだろうか。だが、先ほど書いたように、リテラシーの高くない層にも使え、自社の様々なサービスと連携して利益を生む。それはコンシューマーだけではなく、ビジネスユーザーにも。つまり市場のパイは更に広がっていくわけだ。こうなってくると今度は市場の寡占によって、プライムの値段が吊り上がったり(アメリカでは既に値上げされているが)することは明白だろう。日本は「超安い」のである。そして、サービスは徐々に「お金がかかるように」なる・・いや、既になっているものもある。通販でもそうだし、Amazonプライムビデオでも、無料から有料になったものが少なくない。

こうなってくると、このままAmazonに仕切らせておいて良いのか?とも思う。「買い物の仕組みを変える」それはそれで素晴らしいことだし正直に驚いた。しかし、結局便利に使っているウチに高いコストがかかるようなことにならないと祈るしかない。いずれにしろ、その辺は損益分岐点としてAmazonも考えてはいるのだろうが。

 

これに対抗できるような国内サービスは出てこないかな・・と考える。おそらく一社では無理だろうな。様々な企業が共同体として「Amazon包囲網」でも作らなければ。でもまあ、現実的じゃないし、そもそも個人としては「便利で安くて質が良ければどこのサービスでも良い」わけである。他の企業の強い努力・・とまでは書かないが、なにか対応策は欲しいなと思う。市場が一社で寡占状態になって良いことなんて無いのだから。